「店主 前説」
国連コーヒー第2弾、深煎りデルカゴです。
感想の全体的な印象は飲みやすい、その延長で物足りない或は美味しい、そんな感じに分れたようです。通常のモカのイメージから比べると違いが大きく、戸惑いがあるようです。全く別のコーヒーとして、味わった方が素直にデルカゴの魅力を実感できそうです。
モカの野性的な? 或は野卑な? すこし痩せたような擦れたような雰囲気を基準にしてこのデルカゴを飲むと、物足りなさを感じたり香りを弱く感じたり、詰まらなく感じたりするようです。実際、当店の長年のモカ好きなお客様の3割位の方からは前のマタリの方が良かったと言われてます。
円やかな味わいの奥にひそむ香り、味の複雑さを感じるとこのコーヒーは感動的な飲み物になってきます。とても気に入ってくださったお客様は素直にそんなデルカゴの魅力に接して感動してくださいます。
最近分ったことは、この国連プロジェクトの豆たちは、国内の中小ロースターにサンプルを出した結果、80%以上の会社が低い評価を下したという事実です。ブラジル式の欠点を探すテイスティング方式、テイスティングをするときの焙煎度、価格等の問題があるようですが、まず価格ではねられるのは仕方が無いとしても、この農産物としても果物としても素晴らしい豆の魅力を捉まえられないセンスしか持っていない業界の現状を再認識しました。
優秀な農産物としての国連コーヒーは、我々がどんな評価を下すのか? どこまで魅力を引き出せるのか? 楽しめるのか? と試しているんではと思ってしまいます。
プロの間でさえそんな状況ですから、感想の中にもあったように「古きよき時代の珈琲」などではなく「21世紀の珈琲」なんでしょう。
この感想でも店での常連さんの反応でも似ていて、感動と以前の方が良かったの両極端です。特にマタリファンだった方に顕著です。今回は少しデルカゴを応援する立場になってしまいました。
普段はコーヒーは嗜好品で皆が皆ひとつのコーヒーを気に入ることなんかあり得ないし、そんなのは詰まらないと思っている私ですが、このデルカゴに関しては好みを知っている常連さんでも評価が分かれるので、擁護、良い訳?してます。それだけ衝撃的な存在のコーヒーだと思います。
出来れば、3ケ月位国連コーヒーを飲んでから他のコーヒーを飲むとこの素晴らしい農産物としてのコーヒーの良さが分るとおもいます。
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では、有馬さまからどうぞ!
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