ぶんらく さま
●カリタ・ペーパーフィルター
●18gで3杯分、カリタ・ペーパーフィルター
春ですねえ。
この季節になるとどういうわけか酸味の効いたコーヒーを飲みたくなる。中でもモカなんですがね。
ずいぶん昔の話ですが、大学が決まって私の長い冬も終わり、ほっと安堵した時、初めて春の日差しを感じた憶えがあります。
そして間もなく来る別れの日を惜しむ喫茶店でのコーヒーはモカだった。
さて、シグリ農園
まず、香りは、柔らかな甘みをかもしながらもキリマンのような酸味とわかる刺激が鼻孔をくすぐってきます。酸味の立ったしかも甘みのある豆なのかなあと直感的に思ってみる。シグリは柑橘系の酸味と、ほろ苦みが適当に甘みに変化したまろやかさがあるように思えますね。
まろやかさは、ここ(坂本さん)の焙煎に共通しているものでしょう。少々淹れ方が下手であっても、おいしいと感じるレンジが広いんだって店主が言いたいのがわかる気がする。実際、このお正月、豆が届いてから10日経ってからでも、お湯を注ぐと膨れあがってきたのには、さすがと思いました。
コーヒーを飲み干す頃、ややあって舌の脇と奥のほうに、酸味と嫌味でない渋味、そしてほろ苦味が収れんしてくる感じ。そして最後に舌の上に豆の甘みが残る。シグリの特徴はもしかしたらこの甘みでしょうか。ここら辺が中煎り豆の味わいの余韻でもありましょうかね。このコーヒーは、だからゆっくりと飲みたいですね。
カフェプレスで淹れてみました。粉のざらつきを予想していましたが、案に反してそうでもない。嫌味が出てこないのは豆と焙煎によるものでしょう。実際、ここの豆は家のボロボロのハンドミルで挽いても微粉が少ないみたい。それでもペーパーフィルター等に比べればカフェプレスなら微細な粒子が出る。
ははあ、こうすると豆自体の特徴がよくわかるってことだな。キリマンに似た感じの酸味とあたりの柔らかさは同じくで、甘みはこちらのほうが出ているようですね。
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