さかもとこーひーの生豆についての情報と感想


シグリ農園(パプアニューギニア)

ニューギニア島はオーストラリア北方の世界第2の島で、西半分はインドネシア領で東半分とニューブリテン島、ブーゲンビル島などを含む独立国がパプアニューギニアである。

1975年独立、首都はポートモレスビー、人口約360万人。

全島がほとんど高温多雨の熱帯雨林気候、島の中央部をビスマーク山脈が走り、この山脈の北側にあるゴロカ(東ハイランド地方の州都)、マウントハーゲン(西ハイランド地方の州都)で良質なアラビカ種が生産される。

熱帯雨林気候は年中高温多湿な地域で、毎日定期的なスコールに見舞われている。植生は多種類の常緑広葉樹からなる雨林が発達している。

 

シグリ農園
シグリ農園はマウントハーゲンから車で約1時間東にあり、カーペンター社が経営するプランテーションのひとつです。

この辺りは「ワギ バレー(谷)」と呼ばれ、標高1500m級の高地になります。四方を高い山に囲まれているので谷というよりは盆地という感じらしいです。日中の気温は26〜28℃で夜間は12〜13℃まで下がり、年間降雨量 は2200mmと豊富で、涼しい気候と豊富な降雨に恵まれています。

もともとの苗はジャマイカから持ち込まれて、その流れのティピカが約65%でその他はブルボン、アルーシャが栽培されています。

コーヒーの収穫は4〜6月で、赤く完熟した甘味と酸味が調和したコーヒーチェリーを手摘みします。このチェリーはその日のうちに脱肉されます。3日間24時間毎の水洗処理により醗酵処理が続きます。しかし、シグリの加工はさらに1日完全に水に浸します。より優れたコーヒーを作る為にこの工程を行ってます。

次は乾燥工程で、機械乾燥である程度の水分を除去してから、7〜12日間の天日乾燥をします。ワギバレーでは雨がほとんど夜に降るので、夕方になるとスライド式屋根やビニールシートで豆を覆い、翌朝天日に干すという作業を繰り返します。シグリの奥深いコクと甘味は熱帯の太陽光線による天日干しと高地盆地の環境、厳格な管理によって生まれるのでしょう。

この連続した厳格な管理の後に袋詰め前の手選別 、最終検査によりすばらしい生豆を作りだしています。

また、シグリ農園は40年前に草が生い茂る大湿地帯を農地に転換して、その際は排水溝の整備から始まり今でも排水溝を毎年掘り下げて維持することに大きな労力が必要だそうです。


特徴、感想 他
コクと酸味が豊かですが更にサンドライから来るのか柔らかな味わいと甘味が印象的です。3年ほど前に一度使った時は(今と違う輸入商社で保管が悪い、サンプルと違うロットが来てから止めた)深煎りにしてこうばしさと甘味を楽しみましたが、今回は中煎りで苦味酸味ともに強く無く、中庸なまろやかなタイプにしてます。
 
飲みやすいコーヒーですが心地良く残る後味は豆の良さからくるコクと甘味です。香りは挽いたときに酸味の豊さを感じさせる上品なフルーティさがいつまでもひろがります。深煎りにすると甘いバニラ、カラメルの香りがきわだちますが、中煎りですので穏やかさが特徴です。栽培、精選と管理が行き届いているためか雑味えぐ味が全く無く農園の優秀さが良くわかります。
 この豆もブレンドのイメージが沸いて来るのを待ってます。今年(H12年)の秋にはひとつ出したいですね。
                         

 
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