プロのつぶやき

    週間コーヒーコラム124

暮坂大雪

スペシャルティ珈琲の威力・魅力

 今週は「大雪の写真」が届きました。「プロのつぶやき111112」で綺麗な紅葉を届けてくれた群馬のNさんです。 どうもありがとうございました♪ 千葉はのんびりした寒さですが・・・雪山は綺麗で厳しいんでしょうね!

 と、云うことで、春が待ち遠しい2月ですが・・・本題にはいりましょうか? こちらは、熊本のKさんのメールです。

『昨日、食関係の雑誌を読んでいたら”味のぶれ”という題でのエッセイが載っていました。 プロの料理と家庭料理の違いは、一体何なのか? それは”味のぶれ”じゃないかって。 つまり、プロが作った料理は、いつ、どこで食べても味が一定、つまり安定している。 反対に家庭料理は、時期や食べる状況や作り手によって味が左右するというでした。 実は、友達に説明するとき、「スペシャリティコーヒー」をどう説明すればよいのか結構いろいろ困っていたのですが、この”味のぶれ”で説明すればドンピシャかなぁって思いました。 どんな状況(粉の挽き方、抽出す方法等)下でも、一定の”味のぶれ”を感じさせないのが、「スペシャリティコーヒー」なのでしょうね。』

 Kさん! いつも色々とご感想・ご意見、ありがとうございます♪ 僕がしょっちゅう、パア〜パァ〜声高に喋っている『スペシャルティコーヒー』ですが、うちの常連さん達は、お友達に説明するときに・・・どうやって伝えたらいいか? 困っているんですね。 僕自身もお客様に説明するときに、言葉につまることがあります。 どうも、すみません(へへ)そして、ありがとう♪ さかもとこーひー応援倶楽部メンバーとして、みなさん、口コミでひろげてくれているんですよね♪ さかもとこーひーはそうやって、口コミだけで毎年ファンのみなさんが増えていますので・・・助かってます♪

 あっ、それで・・・Kさんの仰るように、”味のぶれ”からの説明は的確ですよね? これは、別に、『どんな雑な淹れ方でも美味しい』と、いうことではありません。 確かに・・・一定の基本は大切です。

 では、その基本とは?・・・・書き出すとテーマから外れますので、『無料・メールde珈琲塾』を参考にしてください。

 え〜っと、そうそう・・・コーヒーメーカーでもカフェプレスでもペーパードリップでも美味しく楽しめるんですね。 粉の挽き具合、湯温、ドリップのテクニック、ネルかペーパーか、ドリップポットの形状、粉の量・・・等々長年業界で磨かれてきた手法は・・・日本で通常使われてきた素材、そしてその素材をもとにした焙煎、による珈琲を活かす為・・・ネガティブな味を出さない為の・・・抽出方法だった!・・・と、今、僕は考えています。

 そんな淹れ方の苦労をしなくても・・・「一定の”味のぶれ”を感じさせない」のが、『スペシャルティコーヒーの威力』のひとつだと云えると思います。

〔因みに・・・僕の普段の珈琲を淹れる方法は・・・ブラウンコーヒーメーカー(サーバーが魔法瓶)、カフェプレスで・・・カッピングがブラジル式に粉をカッピンググラスに入れてお湯を注ぐ方式・・・です〕

 そして・・・先週の「棚から鷲つかみ」に書きましたが、

『今でも月に1回はある「さかもとこーひー珈琲教室」ですが、ただ! 試飲して頂くだけで・・・「あら!美味しい♪」の大合唱が続いてしまいます。 スペシャルティコーヒーの魅力ですね。

 以前にも書いたかもしれませんが・・・紅茶教室で、ミルクティーに僕がミルクを注いで回ると・・・必ずあがる歓声「え〜〜〜〜っ!美味しい〜〜〜〜♪」それが珈琲教室では無かったんですね〜〜〜〜!勿論、お好みにあった方は・・・美味しい、いいかおり〜〜〜♪と云ってくれます。 しかし、苦みが苦手な方は、深煎りコーヒーを飲んでも、歓声は上がらなかったんです。 逆もありますね。

 それが、ダニランディアやアルコ・イリス、それらを使ったブレンドでは、ほとんど全員の方が、お好みにあまり関係無く、喜んで頂けました。 それが、スペシャルティコーヒーの威力・魅力なんですね♪』

 このように、あまりレギュラーコーヒーに飲み慣れていない方から・・・月に気軽に1キロ2キロ3キロ飲んでしまうヘビーユーザーの方・・・毎日研究熱心♪ 手網や手鍋でホームローストしている方、日夜抽出の研究に余念のない方まで、”ぶれ”無く・・・おっと失礼! 漏れなく・・・おっとこれじゃ♪ 抽選プレゼントだ!・・・果てしなく・・・これじゃ、なんのことだか分からない????

 うん、誰にでも多くの方々に、『笑顔deニッコリ♪和んでもらえる美味しさ!』そんな『スペシャルティコーヒーの魅力』があると思います。

 つまり・・・より多くの人に、素直に、「あら!美味しい♪」って感じてもらえる、しかも・・・気軽な淹れ方で、漏れなく?・・・ぶれ無く・・・感じてもらえる。

 そんな『スペシャルティの威力と魅力』でした。 でも・・・「ひと言で伝える説明」の答えにはなってませんね! う〜〜〜〜ん、難しい。

 で、そんな説明は『一緒に飲むこと』で・・・あ〜ら! 簡単♪ 解決ですよね? そう・・・ニッコリ笑顔でおしゃべりして、コーヒー飲むのが・・・結論ですね!

 では、また、来週・・・と思ったけど・・・付録です。

『プロの料理と家庭料理の違いは、一体何なのか? それは”味のぶれ”じゃないかって。』 これですが・・・たしかに、それはありますね。 プロの料理と家庭料理のどっちが優れている! そんな話しでは無いですが、プロは”ぶれ”に当然のことながら、気をつけますね。

 僕のことになりますが・・・”味のぶれ”を最小限にするようにエネルギーを使っています。 その為には、焙煎表・データでのコントロールとカッピングでの検証をしています。 しかしながら・・・毎日のカッピングでは”味のぶれ”を感じます。 勿論、お客様にはほとんど分からない? あるいは、ゆるして頂ける範囲での話しですが・・・。
(どうしても避けられない”ぶれ”の幅を最小限にしようと、してます)

 そして、しかしながら・・・素材は変わり・・・同じ素材でも時間の経過により変化し・・・何よりも、僕自身の変化があり・・・その上・・・お客様自身も飲めば飲むほど・・・お好みも変わり、味に対する感覚も鋭くなります。

 そんな、刻々としたとどまることの無い抗えない時間の流れが立ちふさがります。

 そいうことで、僕自身は味の一定化ということには、あまり拘っていません。 むしろ、積極的に変わっていこう! と思っています。 勿論、魅力的に変わろうと、ね! そこで、《旬・瞬》の魅力を、お届けしようと思っています。

 そんなさかもとこーひーですので・・・2年前のあのコーヒーと同じのは無いの? そういうご要望には、なかなかお応えできないのが現実です。

 最後は、言い訳になってしまいましたが・・・よろしくご理解ください。すいません。

歯切れがわるいですけど・・・では、また、来週。

2002年2月17日 坂本・ハート。・孝文

 
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