プロのつぶやき

    週間コーヒーコラム112

白根山初雪

今度のスペシャルティ・グアテマラは《アルコ・イリス》

 今週のNさんプレゼンツ写真は「白根山初雪」です♪ 温暖な千葉でも日に日に寒さが厳しくなってきていますが、《グアテマラ・ダニランディア》の在庫もだんだん寂しくなってきました。(ダニランディア5袋+ローレル農園2袋の490キロが、あと1袋70キロを切ってしまいました、ありがとうございます♪) この2週間、繰り返し云っているのが、「まだ、ありますよ、大丈夫で〜す!」このフレーズです。 そうお電話やメールで、「まだ、グアテマラありますか〜?」毎日毎日いただいている有り難いリピートに対するお答えです。 珈琲の味方みんなで、思い切ってチャレンジして、本当に良かった、と思ってます。

 そんな宝物が少なくなっていくのは、本当に残念ですが・・・《旬》のコーヒーは早く楽しんでもらうのが一番!です。 4月のマイアミSCAAコンフェレンスのグアテマラブースでの出会い、続いての6月インターネットオークション参加とゲット、8月の入港、9月の発売・・・夢のような『グアテマラ祭り』でした。

 さかもとこーひーは6年も7年もグアテマラを全く扱っていなかったのに・・・不思議なものです♪ 最近は〈グアテマラ専門店〉のようです。(へへ)

 と云うわけで〜みなさん!・・・くら〜いさみしぃ〜雰囲気になってきましたが・・・おっとっと、任せてください!! じ・じつは・・・こ・ここだけのは・な・し・・・隠し球があるんです〜!

 オークション後の手続きの際、グアテマラから連絡がありました。 ダニランディアのロットが小さいこともあって、コンテナに余裕があります。 そこに一緒に積んでいけるから・・・もうひとつ良い豆を買わないか?

 えっ? なになに・・・それは興味があるけど・・・品質は? 価格は?

 そんな不安を払拭して、一緒に運んできたのが、ジャ・ジャ〜ン♪《アルコ・イリス》というスペシャルティなグアテマラです。 30袋買いました。(4人でね!) そして、さかもとこーひーには5袋あります。

 さぁ、どんなコーヒーでしょう?

 丸山珈琲健ちゃんからのサンプルローストは、焙煎度合いを分けてありました。 大きく浅・中・深煎りとなっています。

 このカッピングで、アルコ・イリスのキャラクターを判断しました。 と、云うのも、アルコ・イリスは、グアテマラ・カップオブエクセレンス・コンペティションで、〈最終セッションの41ロット〉に選出されている豆なんです。

 しかも!! 第1日では、41ロット中、な・なんと《8位》になっています。 第2日では、27ロット中《21位》でした。 最終日には15ロットが進出し、オークションにかけられたので、アルコ・イリスは最終日に進めませんでした。(う〜ん、残念!)

 さらに、調べると・・・第2日は深煎りでの審査だったようです。第1日の煎り具合がどの程度だったか! は、正確にはわかりませんが、どうも、中煎り前後のようです。

 そうなんですね〜!『ベストのロースティングポイント』を掴むと・・・《8位》の実力を楽しめるんです♪

 その《8位》の美味しさを「アルチザン・坂本」が焙煎して、お届けします。

 発売は、11月20日(火)より・・・。

☆アルコ・イリス(中煎り)(5袋×70キロ限定です。)
・1800円/500gパック
・1200円/250gパック

では、お待ちしてま〜す♪

 えっ? それで、どんな味かって? おっとっと〜・・・では、『アルコ・イリス・カッピングレポート』です。

初日はダニランディアやローレル農園と同じような焙煎ペースで進行し、サンプルローストの結果深煎りはやや単調になることを確認していましたので、中煎りで煎り止めました。 お昼にコーヒーメーカーで淹れて、飲んでみました。 あれれれ〜、飲みやすいね〜! そしておいしいね〜。 マグカップ1杯を3口で飲み干してしまいました。 おだやか、後味が心地よいです。 そこに、ジャストタイミングで尾道バグさんから電話です。 坂本「今、アルコ・イリス飲んでるんだ、いいね〜!・・・・」その前にバグさんに「アルコ・イリス、ほんと良い豆だよ!」って、云われていたので、話しが焙煎の経過や味・香り等細かい部分まではいっていって、20分は続いたでしょうか?

2日目は前回よりも、1℃手前で煎り止め、焙煎ペースも修正し、狙いとおりの進行での焙煎です。 冷却機のなかでスペシャルティなグアテマラ特有の香りがひろがっています。 う〜ん、よさそうですね〜! では、カッピングしましょう。

 まず、粉に挽きます、ドライの香りですね、おぉぉぉ〜シトラスを感じます。 お湯を注ぎます、今度はシトラスは引っ込みました、フルーティな香りです。 さぁ、なんのフルーツでしょう? はっきりとは分からないですね〜、おだやかで心地よい香りです、そうですね〜、プラムの感じかな〜? 次は、味です、クリーン・綺麗・透明感が印象的です、汚れてません。 ボディは強いというより、しっかりしている感じです。 甘みスィートネスが優しく漂います。 後味が春の陽射しのようです、おっと、今の季節なら、小春日和ですか! 窓際の席でのたりのたりした幸せな高校昼寝生活を思い出します。 全体的な印象は、抜群のバランスでしょう! バランスの良さが、誰にでも素直に『美味しい』と云っていただけそうな美味しさになっていると思います。 それを演出しているのが、もうおなじみの『アシディティ』の質の良さですね!(僕の味の評価のひとつに「さわらない味わい」というのがあります。 気にさわる・・・の反対でしょうか? 口にさわらない、美味しさ・・・味わいが薄かったり、水っぽかったりのは、気になるので、さわります。 バランスの良さ、美味しさ・・・そんな感じでしょうか? この《アルコ・イリス》に感じました。)

 この《アルコ・イリス》はデリケートな豆ですね、わずか!(1℃)のロースティングポイントの違いで、キラッと輝きが増しました。 この(1℃)をカッピングできないと・・・う〜ん、宝が光らないでしょうね〜! ましてや、なにとはなく、深煎りにしてしまっては・・・残念。(勿論、それでも相当きれいで美味しいコーヒーですが・・・) 余談ですが、焙煎技術は、そのようにカッピング技術を伴わないと語れないですね。 焙煎途中でのカロリーの過不足、ロースティングポイントの判断・・・これらを、単に美味しい不味いでは無く、正確なカッピング技術によって、とらえて、焙煎技術の問題に入れると思う、今日この頃です。

 すみません、アルコ・イリスのパワーに元気つけられ、長くなってしまいました(へへ) そして、ダニランディアとローレル農園は深煎りで、魅力発揮しましね、《アルコ・イリス》は『中煎り』で見事に輝きましたよ〜♪(深煎りが苦手な方!お待たせしました。)

 ドリップで、カフェプレスで、コーヒーメーカーで、どなたにもおすすめしたい! 尋常で無い素直な美味しさです。 ダニランディアがある間は、《深煎りのダニランディア》《中煎りのアルコ・イリス》と、個性の違いを楽しめます。

 こんな楽しみ方ができるなんて! この仕事をしていて、本当に嬉しいことです。 ありがとうございます、応援倶楽部のみなさんに感謝します。

2001年11月15日 坂本・アルコ・イリス・孝文

 
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