週間コーヒーコラム97

スターバックス

2001.スペシャルティコーヒーへの旅(2)

 さぁ、先週は「緊急発売!ケニア・ンディミ」で少し寄り道しましたが、「アシディティの本質」に突入! していきます。

 実は、昨日8月3日の朝、ケニアの焙煎とカッピングを終えて、ほっと一息、、、次は何をカッピングしようかな? と見渡すと、先日ユニカフェ http://WWW.unicafe.com/ のSさんと研究室のTさんがみえた時に頂いたサンプルの中に「グアテマラ ブルボン」がありました。 ついつい最近はケニアに気持ちが集中していてまだカッピングしていませんでした。

 もうすぐ「グアテマラ Cup of Excellence 」が入ってきますので、じゃぁグアテマラのカップをとろうと、粉に挽きました。

 ガツ〜ン! です。 あぁ、これこれ! そうグアテマラのスペシャルティレベルの素材が持つ、特徴的な香りが狭い?(3坪弱)店中に充満しました。 フローラルなそして甘い、あとからチョコレートの香り、あっヘーゼルナッツをローストしたプラリネの香りもします。

 お湯を注いで、準備できたら、ピュ〜ッ! と勢いよく口の中全体に吹き付けます。 ここで、うっとり甘い香りとお花の香りが交互に押し寄せます。 味わいは円やか透明できれいな印象、後味がすっきりして余韻が長〜く心地良く続きます。 ここでも甘さが一番印象的ですね。

 以上思い出して書きましたが、酸味の表現は出てきません。 95.「2001.スペシャルティコーヒーへの旅(1)」では、「アシディティ」を「活き活きとして爽やかな酸味」と書きました。 この2、3日は「活き活きとして爽やかな美味しさ、印象」と云った方が「アシディティ」のニュアンスを伝えやすいかな? と思っています。

 この「グアテマラ」には普通「酸味」と云われて感じるような感覚はありません。 しかし、とても高品質な「アシディティ」がさっき書いたような香りや美味しさの隅々まで影響効果行き渡っているんです。

 カッピングの直ぐ後、電話しました。 SさんとTさんに「あのグアテマラはどういった豆なんですか?」聞きました。 なんでも今スペシャルティコーヒーのサンプルを各地から集めているそうで、その中のグアテマラのベストと判断した豆だそうです。

 スペシャルティコーヒーといっても、産地の土壌、標高、緯度、気候、精選能力、品種、、、、によってベストのローストポイントが違ってきます。 中煎り位で威力魅力発揮する豆、やや深煎りまで焙煎して素質開花する豆、思いっきり深く焙いて流石! と唸らせる豆、、、そんな焙き具合ローストポイントによって「アシディティ」の役割も変わってきそうです、主役脇役端役、、、。 心地よい爽やかなアシディティが前面に出て惹きつける場合、香ばしい円やかな苦味の奥に後味の良さや味わいの奥行きを演出するように顔をだすアシディティ、殆どの方が全く感じない程で、しかしそのアシディティが無いととても深くは焙けない場合、、、、そんな感じです。

 手強いテーマを書き出してしまったので、バタバタしてきました、ちょっと困ってますが、僕が伝えようと思っている「アシディティ」なるものが、皆さんの頭の片隅に印象付けられたら成功です。 ここから先は実際に香りや味わいを実感しないと、意味ないですからね。 取りあえず、嫌われ者の「酸味」とは全く違う「アシディティ(活き活きとして爽やかな美味しさ、印象)」が大切な役割をしているんだ! とだけ強調しときます。

 では、Tさんと話して興味深かったことをボーナストラックでお届けします。

  • 先日頂いたグアテマラのサンプル、おそくなりましたが、今カッピングしてあんまり良かったんで、電話しました。
  • ああ、良かったですか? 嬉しいです。 でも小粒ですよね?
  • 僕は粒の大きい小さいは全く気にしませんから、、、却って小さいほうが良いことがありますね。
  • 世界の流れでは、小さい方が凝縮感があって却って評価されることもあるようです。
  • そうですよね、良い土壌として、火山灰土壌で肥沃な、水はけが良い土地と良く云われますよね。 有機質が肥沃なのは分かりやすいですし、火山灰でミネラル分が多いと香りや味わいにとても影響するようですね。
  • 果物や野菜でも同じようです。
  • 水はけが良いと凝縮感がでますよね。
  • SCAAでもその辺の研究が進んでいるようです。
  • 標高が高くて、寒暖の差が大きく、水はけが良いと小粒で凝縮感ありそうですね。 痩せて小さいのとは別ですからね。
  • 品種によっても粒の大きさは違いますし、、、。
  • 今年の僕のグアテマラのベストだったので、お持ちしました。
  • な〜るほど、納得でした。
  • 坂本さんがあのグアテマラの良さを評価してくれたので、僕が良いと思うものと重なりますね! 評価基準の摺り合わせが進みました、

あぁ、早く産地に行きたいなぁ〜!

では、また、来週!

2001年8月4日 坂本・アシディティ・孝文

 
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