週間コーヒーコラム69

アトムの子誕生

 では、予告通りお約束通りに《新ブレンド》の発表です。

 2000年夏の国連豆登場から半年、とりあえず単品を紹介してきました。お陰様で、みなさんに親しんでいただき、おまけに常連さん以外にもご新規さんの興味を引いたようで、売上も評判も順調に上がってきました。

 自家焙煎の一部でも注目する方々が現れて(珈琲屋MLの仲間では、最初から盛りあがってますが)あちこちで取り上げられているようです。

 ただ、このスペシャリティコーヒーの品質は地方の中小ロースターさんにとっては、大手の拡大路線に対抗する為のかなり有力な素材になるはずなんですが、あにはからんや! この豆の可能性にピンとくる会社が非常に少なかったようで、弱小自家焙煎の我々に大きなチャンスが回ってきた! というのが大きく見た実情です。

 自家焙煎店でもサンプルローストして、1回で素材の良さ、可能性、本質を見抜くコーヒーマン、焙煎が下手で焙き切れない残念デ賞、情報に関心の無いその他大勢、今までのプレミアム物と一緒にしてしまう方、いろいろです。

 生を味見するわけで無いので、同じ生豆を手に入れても、焙煎のハードルを越えるところが、珈琲の厄介さですね。

 そうそう、新ブレンドのお話しです。

 で、「カフェ アトムの子」(深煎り)の誕生です。

 深煎りですが、苦味は脇役です。 ウガンダと深煎りモロベの競演で、ブレンドの魅力を発揮してます。

 国連コーヒーは勿論単品で美味しいんですが、今までの自家焙煎レベルの味のイメージに慣れた方には、ちょっと馴染みにくい、と云う方もいます。 まぁ、ひと月も飲んでもらうと後戻りは出来なくなるので、気にしてませんが、、、。

 そういうことで、国連コーヒーはブレンドに大きな可能性を秘めてます。半年間焙煎しまくり、単品の味香りを沁み込ませ、ふっと沸いてくるイメージをしっかり貯め込んできました。

 その最初の答えが「カフェ アトムの子」です。

 4半世紀喫茶の仕事をしてきて、なんとかお客様に喜んでもらえるレベルに来ました。 さぁ! そしたら21世紀になっちゃって、先輩に学ぶばっかりじゃなく、今までに無い豊かさいっぱいのこれからのコーヒー生活向けの《かたち》です。

 なんだか、アトムの子の紹介に全然なってませんね。

 名前はそういう感じで、21世紀の「さかもとこーひー」の《スタンダードブレンド》として位置付けています。 1955年生まれの私はアトムや鉄人28号、、、、漫画を見て育ち、21世紀のアトムが活躍する時代を夢見た小学生でした。そんな子どもも今はおじさんになり、こんなネーミングになりました。

 肝心の味は、深煎りですが苦味は脇役です。 ウガンダと深煎りモロベの競演で、ブレンドの魅力を発揮してます。(おっと、これは書いた、、、) 滑らかな飲み易さです、素直な美味しさですね。素直といっても、奥が深く、ペーパーでもコーヒーメーカーでも心地良く甘味が余韻となって、2杯目を誘います。 甘味の横にさり気なく酸味くんが顔を覗かせてます。 香りはウガンダのチョコレートっぽさ、深モロベのドライフルーツ感が出会って、一体感、そう何か突出したもの、でしゃばった香りが無い、魅力です。

 ミルクたっぷりも、お砂糖もOK! ですからお菓子にも最高です。 大切なお客様やお友達にも喜んでもらえるでしょう。 笑顔いっぱい、お話しもはずむと、焙煎職人冥利につきます。 そんなプレゼントにも都合の良いブレンドです。(名前も面白いでしょっ!)

 うちのかみさんは50gで4杯分をコーヒーメーカーで淹れたら、誉めてくれました。(あんまり無いことです)

 あぁ、、、少し疲れてきた。 コーヒー淹れるので、そろそろお終いにします。

 で、このスペシャリティコーヒーのクオリティを日常的にガンガン飲んで欲しいので、好評〈1キロセット〉を用意!

 アトムの子にマンデリンのエキゾチックさを加えると「特上フレンチ」、深煎りブルボンの柔らかさを活かすと「カフェ タブロー」、深煎りデルカゴの滑らかなスパイシーさを足すと「茜ブレンド」。 まさに当店の基本になっているブレンドです。

 気持ちは次のブレンドに向かってます。 大体出来ているのが、3種類ほどありますが、何がお目見えするか? 僕も楽しみです。

 
Copy Right 1999 8
さかもとこーひー