プロのつぶやき

    週間コーヒーコラム237

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インテリジェンシアコーヒー

今回の「アトランタSCAA大会」へ行くのに際して、是非シカゴへ寄りたいと思ってました。去年の11月に東京で食事をしながらお話しできたGeoffさんのお店《インテリジェンシアコーヒー》を訪ねたかったからです。(プロのつぶやき212)

最近、スペシャルティコーヒーの中でも「ミドルスペシャルティコーヒー」とか「ハイエンドスペシャルティコーヒー」という分け方を良く聞くようになってきました。Geoffさんとお話しした時も『我々はハイエンドスペシャルティコーヒーで・・・』と何回かでてきました。スペシャルティコーヒーが成長してきて広まり成熟し、ジャンルの中でも細分化されてきたのでしょう。

彼の話で『インテリジェンシアを開店する時、シカゴにはスペシャルティコーヒー店が無かった』『インテリジェンシアが出来てから、同じブロックだけでも○○コーヒー、○○カフェとたくさんのチェーン店が出来てきた』『しかし、インテリジェンシアのお客さんはそれらのお店とハイエンドスペシャルティコーヒーであるインテリジェンシアの違いを分かってくれている』そのような言葉がとっても印象的でした。

そして『お客さんは最初からハイエンドスペシャルティコーヒーの魅力を理解するわけでは無い』『ケニアのアシディティを最初から美味しいと感じるわけでも無い』『お客さんにスペシャルティコーヒーの魅力をひろめていくことが大切だ』とも強調していたのです。

創業8年にして世界のスペシャルティコーヒー界で名をはせるまでに成長したお店の責任者の言葉に共感し勇気づけられました。その店を実際に訪ねて、いちコーヒーファンとして味わいたいと思ったのです。勿論帰りには持ちきれない程の豆をお土産にして・・・。

シカゴに着いた翌日早朝、仲間5人でまず本店を目指しました。あぁ!ここか、ついにやってきたなぁ〜と道路の反対側からしばし眺めて写真をぱちり。では、と入り・・・今日のコーヒーを頼み、奥のテーブルへ。天井はロフト風に剥きだしで、テーブルや内装もお金をかけていない、いかにもここで独立したんだなぁ〜と思わせる良い感じです。

キョロキョロしながらコーヒーを一口二口。最初から押し寄せるフレーバーの豊かさと甘さが印象的です。
冷めてくるとキャラクターがはっきりしてきます。常にフレーバーと心地よい甘さが持続しています。

感心しながら、豆を買ったり、カプチーノを飲んだり。カプチーノやラテを飲んでもしっかりコーヒーのキャラクターが伝わってきます。エスプレッソもバランス良くスペシャルティコーヒーのエスプレッソのお手本のような素晴らしさです。特に口当たりの柔らかさを活かしたブレンドに驚きました。で、その柔らかな甘さの後ろには、さりげなく緊張感を保つ綺麗なアシディティが存在しています。

だんだん冷静になってきます、素材のクオリティレベル、焙煎スキル、ブレンディング・・・ついついチェックしてしまいます。どれをとっても素晴らしい、彼が胸を張って『ハイエンドスペシャルティコーヒー』という意味が伝わってきました。

次ぎに開店して間もない新店にも伺いました。こちらは高級感のある内装デザインです。どちらのお店も常にお客さんが3人5人と並んでいる繁盛店です。フレンドリーな良さはピーツコーヒー&ティーなどと同じですね、スタッフのみなさんの自信プライドが伝わってくるフレンドリーさです。常連さんに親しまれていることが直ぐに分かります。

帰国後2週間以上経った今も毎日のようにカフェプレスで淹れたり、カッピングしたりしていますが・・・素材のクオリティの高さ、焙煎やブレンドの完成度の高さは当たり前にしても・・・何より、シングルオリジン、ブレンド共にそれぞれの魅力キャラクターをはっきり伝えようとしているのが理解できます。あぁ!このコーヒーはこのフレーバー、味わいを伝えたいんだ!このブレンドはこんな好みのお客さん向けなんだ!・・・分かります。(面白かったのは、豆の色が少し濃い割に・・・味や香りはそれほど深く無いのです。香りや甘みがとっても活かされているロースティングポイントなんです。これには、大きなヒントをもらいました。)味作りの方向性において、今まで訪ねたトップスペシャルティ店の中で一番親しみを憶えました。焙煎手法でも味作りでも感覚が似ているように思いました。

そして、アトランタのブースでは《インテリジェンシア》《カウンター・カルチャー》《コパカフェ》と名だたる3店の豆を使ったエスプレッソを同時に味わえるチャンスに恵まれたのです。

では、また・・・。

 

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2004年5月15日 坂本・コーヒーはフルーツだ!・孝文

 

 
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