さかもとこーひーの生豆についての情報と感想


ラスナ マンデリン
(インドネシア、スマトラ島)

インドネシア共和国、1945年独立、首都はジャカルタ、人口1.8億人、1万数千におよぶ大小多数の島からなる。

コーヒーはジャワ島、スマトラ島、スラウェシ島が主産地。  1699年にオランダ人によりジャワ島にコーヒーが持ち込まれ、1800年にサビ病によりアラビカ種が全滅しロブスタ種に転作しました。今はロブスタ、アラビカともに栽培してます。 量的にはロブスタが90%を占めますがが良質アラビカの産地としても有名です。

インドネシア、スマトラ島は高温多雨の熱帯雨林気候です。 熱帯雨林気候は年中高温多湿な地域で、毎日定期的なスコールに見舞われていて、植生は多種類の常緑広葉樹からなる雨林が発達しています。 熱帯は年間を通して気温が高く温度差は年較差よりも日較差の方が大きいのが特徴です。

マンデリンとは、インドネシア、スマトラ島の北スマトラ州とアチェ特別州の南の高地で生産されるスマトラコーヒーの名称のひとつといわれます。スマトラ島は北西から南東方向に斜めに伸びる島なので、マンデリンの産地は北西部になります。(ここまでは、Gマンデリンと一緒です)

小規模農家の農民の方々はコーヒーを柑橘類や野菜など他の作物と一緒に栽培しているようです。柑橘類は収益性が高いために人気があるそうですが、管理が難しく、病気もあるため、長期的にはコーヒー栽培が好まれています。

  • スマトラ島北部、、、タケンゴン(アチェ)Takengon/Acheトバ湖周辺、、、、、シディカラン Sidikalang が、主要産地で、《従来はシディカランのリントン(Lintong)》の豆を《マンデリン》として取引していたが、現在はタケンゴンの方が収穫量も多く、木も新しく品質が良いと言われています。(在来種が少ないともいえる?)
  • タケンゴンの方が高地で、酸味が強くプレミアムコーヒーとして一般的には売られています。

 

ラスナ マンデリン
 僕が待ちに待ったマンデリンです。

Mandheling Lintong "Lasuna" Natives (New Crop)リントン100%の在来種! これじゃ、なんだか分らないですね。

北スマトラ、トバ湖の南、リントンニフタ地区の標高1200〜1400メーターの高地で栽培されていて、高度、気温、雨量その他の気象条件がコーヒー栽培に適し、土壌も肥えて昔からの在来種(ティピカアラビカ種、19世紀にオランダから移入)です。

マンデリンはこの10年位前から生産性を高めるために、ハイブリッド種が増えて、在来種と混植されているので、集荷の時点で混ざってしまいます、品種はカトゥーラが増えているそうです。

このマンデリンの開発をした方がコーヒー業界に入った20年ほど前は、シディカラン、リントン、アチェ、シボルガー、と地域名で輸入されていて、豆面もその方がが見ればどの地域の豆か分るほど違っていたそうです。 それが生産性アップ他の色々な理由があるんでしょうけれども、カトゥーラやハイブリッドの品種改良(改悪?)された木ばかりになり、それに伴い伝説的な評価を受けていたマンデリンがどんどん汚いコーヒーの代表になり、しいてはマンデリン臭さがキャラクターといわれるようになってしまいました。

そこで、商社の中でも珈琲の味方であるK氏が在来種100%のマンデリンを集荷するルートを何年もかけて開発されたのです。

"Lasuna" ラスナはMandheling Batak語で、「昔から在る物」、或は「原種」という意味だそうです。 チェリーの集荷業者が祖父の代から使用している取引名称で、ラスナ種、リントン種といえるそうです。 約7000トンのマンデリンの内、在来種は約5%位400トン前後とみられます。

品種はティピカアラビカがマンデリン地区に来て(19世紀)、順化した在来種(ラスナ)、ティピカアラビカの亜種といえます。ティピカアラビカが植えられて、リントン地区の風土に馴染み、在来種と呼ばれるようになった、ということですね。

Processing Method は Pulped and Natural で所謂Semi Washedです。 しかし、Dry Process に近いようです。 生産方法は小規模生産のスモールホルダー庭先栽培でシッパーに集めさせています。 この小規模農家の在来種の品質レベルを上げながら、ハイブリッド種が混ざらない集荷ルート作りの開発が大変であろうことは容易に想像できます。 珈琲の魅力に愛情を傾ける「珈琲の味方」のひとりです。

摘まれた実はすぐに果肉除去され、パーチメントが取り出されます。 ここで、表面のヌルヌルをきれいに取るため小さな水槽で、1、2分水洗されるそうです。 これがセミウォッシュド方式になります。(ブラジルのセミウォッシュド方式とも違います) 水洗されたパーチメントは1日天日乾燥され、メダンの輸出業者に輸送されさらに乾燥されます。(水分13〜15%位) その後、必要におうじて再乾燥、欠点豆除去等を行ないます。 現地にてダブルハンドピックが施され、とても良く豆が揃っています。(ブラジルのセミウォッシュド方式は、収穫した実を水流で運び果肉除去した後のパーチメントを天日、機械乾燥します、通常の ウォッシュド方式は果肉除去後に醗酵槽にて取り残した果肉と粘着物を醗酵除去して、水洗場できれいに洗います)

スペシャリティコーヒーの基準のひとつでもある、完熟度の良さも秀でています。 完熟豆は果肉の甘味が豆の芯まで浸透するので、余韻、後味の良さ、ソフトさに影響する、とのことで、確かに飲んだ印象は兎に角ソフトソフトソフト!!!
 穏やか穏やか穏やか!!!で、余韻後味が心地よい!!!
このニュアンスは品種、完熟度ともに大きく影響しているのが実感できます。あと、生豆でのアピアランスが非常に揃っています。(スクリーン、大きさ、感想度、色)

う〜ん、書くことが多すぎる。興味深い話しは、ラスナマンデリンの実の成り方です。 ブラジルの農園を一昨年回ってきた友人から聞いたブラジルのブルボンの成り方と共通していて、木にぱらぱら! に成っているそうです。 木にびっしり成った実のことをブラジルの生産者に聞いたことがあります。 土壌がきちんと作られていないと、びっしりと実が成らないそうですが、(それも難しいことなんですが、量も取れるし)疎らに成るのも悪くない!品種、土壌等々難しいテーマです。 果樹は成り枝にどの位ならすかが隔年結果や味に影響するそうですから、これもどこかで少しづつ分ってくるでしょう。 びっしり成るばかりが良いとは云えない!(高級ワインは成る実の数をコントロールすると聞きますし)
 

特徴、感想 他
 プロのつぶやき(74)「ラスナマンデリンを飲む」「コーヒーリスト」をご覧下さい。

 
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