遂に、憧れのピーツに辿り着きました
「マイアミ、シアトル、サンフランシスコの旅リポート」も第9回、あの旅は4月の下旬のことでしたが、今はもう7月、長らくお付き合い頂きありがとうございました、果たして今回で無事大団円を迎えられるでしょうか? サンフランシスコは「ピーツコーヒー&ティー」http://www.peets.com/ 訪問です。 マイアミ行きが決まった後にピーツコーヒー&ティー訪問が話題に出ました。 そこで、軽井沢丸山珈琲の健ちゃんがピーツ社へメールを送り、思いがけずJim
Reynolds(coffee buyer and roastmaster)さんから招待を受けたわけです。http://www.peets.com/abtu/13/4.5_bios.asp
健ちゃんはマイアミで、SCAAコンフェレンスに来ているレイノルズさんを探し、ホテルにメッセージを伝えたり、会場でも常にレイノルズさんがいらっしゃるのでは? と気に掛けていました。 そして気持ちが通じたのか、幸運にも会場で会うことが出来て、ご挨拶も済ませました。 そして、機会をみつけてはSCAAhttp://www.scaa.org/ でお話をした関係者のみなさんにピーツコーヒー&ティーのことを伺いました。(あそこは別格、かなり深い焙煎だよ、スペシャルティだよ、西海岸のトップだね、東海岸ではあのタイプは通用しないかな? あの焙煎は他では出来ないよ! えっ! 焙煎を見せてもらえるの? 本当?、、、そんなコメントが印象的でした。) そして、スターバックスの誕生がピーツに繋がっています。 スタバとピーツの関係については、こちらをどうぞ。http://www.tokyo-gas.co.jp/task/usa/star.html
と、云うことで、さぁ、サンフランシスコに向かいましょう! またまた空の旅ですが、アメリカの広さにも移動にも慣れてきました。 チェックインを済ませて、即地図を確認、近所のピーツへ向かいます。
ホテルから10分程歩きオフィス街の一画に見つけたピーツは黒焦げ茶を基調にした静かな佇まいでした。(お店もオフィスも所々にオリエンタルな雰囲気飾り付けがあり、とても洗練されているのが、印象的でした、まぁおっしゃれ〜! て感じでしょうか) 日本でもお馴染みの支払いを済ませてからカップを受け取るセルフサービスです。 メニューはエスプレッソとそのアレンジメニュー、マシン抽出のコーヒー、軽く食べられるパン類というカフェのスタイル、テーブルはありません。 豆売りのカウンターもあります。(表示はポンド売り、ハウスブレンドがポンド8ドル95) この時のお昼過ぎ、翌早朝、いつでもレジにはお客さんが並んでました。 豆売りカウンターでも、スッと来店しては1ポンド2ポンドと買って、スッと帰っていきます。 僕が豆を包んでもらっていると、エスプレッソマシーンのスタッフが近づいて来て、ニコっと笑顔で「コーヒー飲む?」頷いたら、大きな紙コップにコーヒー入れてサービスしてくれました。 それがとても自然で、うちのお客さんにもこんな風にしたいなぁ〜! かっこよかったな〜! あとあとまで、とても印象的でした。
そうそう、コーヒーの味ですね。 まずは、エスプレッソを飲みます、う〜ん! 声がでません。 横のバグ郷さんを見ると、目が笑ってます。「うん、いいね!」じーっと、神経を集中します。 何が凄いのか? チェックに入ります。
と、思ったらエスプレッソなんで、もうありません。 ありゃりゃりゃ、、、、!
気を取りなおして、マシン抽出の今日のコーヒーをもう一杯。 今度は気持ちの準備OK、はぁ〜! たいしたもんだ! 味わいの透明感、深煎りの緊張感あふれるバランス、香り高さ、後味の切れの良さ、、、、深煎りのコク余韻を演出するアシディティの質の良さ、これがマシーン抽出の紙コップのたっぷりコーヒーですよ。 しかも、チェーン展開しているお店のコーヒーです。
まだ、全貌が掴めません、当たり前ですが、、、。 取りあえず、素材がとんでも無く良い、焙煎も凄い、、、、。
みんなの顔を見ると、唖然呆然興奮赤ら顔、、、。
取りあえず、外に出てあたまを冷やそうと、、、、したらその前にTシャツを買ってました。 明日のオフィス工場訪問に着ていこう、てなわけです。
そんなクオリティの高さは、日本のチェーン店の発想で考えても答はでないですね。 アルフレット ピーツから受け継がれているピーツ社の企業理念ミッションがまずあり、その上でチェーン展開により量を使える実力があるからこそ良い生豆が仕入れられる。 勿論、スペシャルティコーヒーの中でも最高クラスを集めることはそんなに簡単なことでは無いでしょう。 最高の素材を見極める技術カッピング能力、仕入れる為の資金力、情報を集める関係作り、、、、なによりも最高を目指す情熱パワー! そんな素材をピーツ氏の深煎り焙煎を受け継いだ職人たちの手により丁寧に焼き上げられたものがこのコーヒーなんでしょう。 スペシャルティコーヒー・・・素材の違い・・・アメリカに来てから散々頭に叩き込まされてきたことなんですが、消費者とコーヒーを繋ぐ販売の最前線で具体的に見せ付けられた衝撃! がメンバー全員をはり倒しているようです。 日本のプレミアムコーヒー自家焙煎店の限界がはっきり見えてきます。
繰り返しますが、素材を見極めるカッピング技術、とびっきりの素材を手に入れる力・販売量、焙煎と品質管理能力、お客様と接する店スタッフのオペレーション、モチベーション、、、、ハードルは高いですね〜! プレミアムコーヒー自家焙煎店は(勿論ついこの間までのさかもとこーひーを含めて)問屋さんからのサンプル頼りブルマンキリマン〜マウンテン勢揃い、美味しくないと豆の質が悪くてね〜 文句たらたら不平不満、、、でも使用量はとても少ない。 カッピングは自己流自己満足おいしいまずい印象批評、焙煎も自己流・自己満足・ふくらむふくらまない・ハンドピック・欠点豆・まずいと淹れかた悪い、、、。
興奮しながら、そんな話しをし、ふらふらと次のピーツに向かいます。 結局、ホテル近所のピーツは3店、え〜っ、その3店をこの夕方、翌朝、夕方、翌々朝、、、、時間の許す限りぐるぐる回って、一体何回行ったでしょう? お土産も豆にTシャツ、トートバック、マグカップが沢山、、、。 そんな感じで、素材〜お客さんまで、スペシャルティコーヒーをとおして考えてました。 ハードルはいくつもあって、それぞれが高いけれども、そこにはニコニコ笑顔の珈琲の味方たちがしあわせそうに待ってそうです。
そう、ピーツのそれぞれのお店の立地もデザインも少しづつ違います。 変わらないのは、コーヒーのクオリティ、フレンドリーなスタッフ達、機嫌の良い! お客さん達、、、。
移動の時にタクシードライバーの何人かに聞きましたが、ピーツを例外なく褒めてました。 コーヒー飲む時はピーツだよ! あそこが最高さ! てな感じです。 なんか、地域に愛されてますね〜!
明日行く工場やオフィスでも感じましたが、スタッフ、お客さんみんながとてもピーツを大切に親しみを持ってあいしているのが伝わってきました。
そんな思いで、明日のエミリービル、バークレー訪問です。 さぁ! 次回が最終回です。(たくさんのご感想をありがとうございます、ついつい調子にのって予定よりもあれこれそれこれ書いてしまいます。 実はこれでもまだ削っているんですが、出来るだけコーヒーの話しだけに絞っています。 メンバーのキャラクターが毎日表面化、組織に馴染まないタイプが多いのでエピソードには事欠きません。 そんな裏話は封印しときます)
2001年7月7日 坂本孝文
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