2001年珈琲の旅 鹿児島2
「あれっ?沈寿官?」
「そうそう!寄る?」
関東は雪だというのに、春の陽気の鹿児島の2日目の朝。 焼酎とワインが少し残りながら、車を走らせると、薩摩焼の大御所「沈寿官窯」が見えました。 二十歳の頃から焼き物が好きで、爺臭かった僕はこれ幸いと寄ってもらいました。
朝早くて、まだ展示室は開いてませんでしたが、お土産用の部屋を覗くと数多くの薩摩焼がありました。 残念ながら2000円〜5万円位の札が付いたものはお土産用そのもので、すぐに手入れの行き届いた庭と茶室を拝見。 その茶室の前に置かれた大きな甕は正に白薩摩と云われる、柔らかな乳白色で、心を和ませてくれました。 登り窯も見て、満足満足。
茶畑を横目で見ながら自家焙煎店を廻り廻ったんですが、、、
珈琲の話しですね。
鹿児島の自家焙煎店は吉祥寺のもかさんや博多の美美さんを目標にしているお店が多く、焙煎もネルドリップにも熱心で、お店の雰囲気も良く、、、、、何か歯切れが悪いですね。
お店に入ってゆっくりしていると、25年前に僕が憧れた自家焙煎店の空気に包まれます。 とても懐かしい不思議な気分になりました。 カウンターの中では、オーナーが豆を量り、ミルで挽き、ネルドリップで丁寧に抽出。 今、珈琲屋MLの若い仲間が、自分が淹れたカップの味わいに拘っているのが良くわかる良い空間です。 しかし、そんな空間を求める僕は既にいません。 その珈琲は香りも味わいも少し寂しく感じて、ちょっと切ないものがありました。
前夜、ヴォアラの井ノ上さんが、ある自家焙煎店主に伝えたかった、スペシャリティ珈琲の品質、素材のこと、これからのお客様たちに提供できる珈琲の豊かさのこと、それを聞き入れない頑固な姿勢、、、。
確かに、焙煎から抽出まで責任を持って拘りサービスする、その姿勢は素晴らしいと云えたでしょうが、その結果の珈琲がヴォアラで淹れたコーヒーメーカーの味わいに及ばない現実。 そして500円
600円 700円/100gの豆の値段。 ヴォアラ珈琲やさかもとこーひーは200円 300円 400円/100g。
茶の間からリビングへすっかり代変わりし、玄関には明るいリトグラフ、ポップなポスター、そんな今の生活に似合う珈琲の美味しさ、なにより気楽に飲める価格! 勿論品質は妥協無し!
そんな思いが帰りの飛行機の中でグルグル巻きしてました。
プロバットやマッキンキャッシュを見て触って、2日間も井ノ上さんを独占して、珈琲の話しに浸り、奥さんにも会えて、美味しい地鶏黒豚つけ揚げ焼酎ラーメン、、、、良かった良かった!
この勢いで4月にマイアミのSCAA「Cafe
Cabana-Hot Hot Hot ! 」に行って来ます。
|