在来種とハイブリッド種

　今日はコーヒーの品種についてのお話しです。

　良く耳にする品種はブルボン種、ティピカ種でしょうか、あとはムンドノーボ、ヴァリエダコロンビアなんて名前になると少し専門的になってきます。（これらは系統的には種の下の亜種・変種になるようです）

　では、私の復習を兼ねながら順番にリポートしてみます。

　ロブスタはアラビカに対するもので、大きくコーヒーの３品種（原種）といわれるのがアラビカ種、ロブスタ種（カネフォーラ種）、リベリカ種です。

　アラビカ種はエチオピア原産でアラビアから名前の由来がきているそうです。品質価値の高さが特徴で、まぁ美味しいということです。風味の良さ香り高さ良質な酸を持っています。世界の生産国のほとんどで栽培されて、コーヒー全体の約７０％がアラビカ種です。難点は高温も低温も、多雨も少雨も苦手で、耐病性が低く（主にさび病ですね）植え付ける樹間の距離が必要なので栽培面積も広く求められます。

　美味しいけれど手がかかるんですね、そこで生産国ではなんとか生産量を上げたり手間を省く為に品種改良？に走るわけです。（原産地から世界中に広まってますから、自然条件が変わると病気も出やすくなります、在来種で農薬を使わない、控える為には品種にあった自然条件が求められて、適した場所が限定されてきます）

　余談ですが原産地再現農法なんてのもあります。品種改良は逆に産地の自然条件に品種を合わせようとしているとも云えます。

　ロブスタ種は正式には亜種になりカネフォーラ種の変種だそうです。業界ではロブと云われてます。中央アフリカが原産地で特徴は耐病性が強く、低地に適して高温多雨少雨にも強く、低温にはやや弱いそうです。ロブスタには丈夫・強いという意味があるそうですから、カネフォーラの名前よりもロブスタが有名になったようです。

　品質はアラビカよりも劣り、苦味が強くカフェインもアラビカの２倍あります。缶コーヒーやインスタントコーヒーの麦焦がしを思わせる香りがロブの香りの特徴です。

　リベリカ種は生産量も少なく、ほとんど貿易の対象になっていないので省きます。

　ちょっと長くなりましたが、スペシャリティコーヒーの説明で強調していますが、際立って美味しい豆はアラビカ種の在来種と云えます。（これは私の実感でもありますし、国内国外の珈琲関係者共通の認識でもあります）で、在来種を殊更に云うということは品種改良したハイブリッド種の問題が大きくなってきているからです。

　問屋さんの資料にもこの生豆はブルボン種です、とかティピカ種ですなどと説明されてますが、じゃあそのような説明の無い生豆は何なのか？そこがブラックボックスなんです。今までは品種について調べようと思ってもなかなか分りませんでした。ブルボン、ティピカでなくちゃ！とか昔からブルボンが美味しいと云われている！とか、そんなレベルです。

　で、産地では兎に角病気に強くて、生産性が上がり、安定して量が取れる、そんな品種がありがたいのです。それがお金になって、殆どの産地生産者で今でも続いている流れのようです。（コーヒーマーケット全体ではそんな質より量の需要が圧倒的のようですから、農業も経済活動で天候に左右される為に生産のコントールが難しい、リスクの大きい商売、仕事と云えます）
　コーヒーは世界的にも大変大きなマーケットなので色々な規模のビジネスが参入しています。

　しかし、一部の生産者や国連プロジェクトで急激に盛りあがっているスペシャリティコーヒーのマーケットに向けて、在来種を大切にして品質を求めるようになっています。（全体からみれば本当に一部です）

　またもや、長くなってしまいました。
　じゃあ、在来種ハイブリッド種の系統、流れはどうなっているのか？どんな品種があるのか？多少最近調べがついてきたので来週アップします。

　もう少し宜しいですか？

　季節的には蜜柑や柿、あとは栗、メロン、梨、、、そんな身近な果物でも品種が色々あって、それぞれが味わいや香りが違い好みも分れます。そうそう、お米もそうですね。（枝豆も品種で色々と違うようです）

　農家の方々も食糧難の時代は量産に向かい、国の食料事情が良くなってくると品質を求めるようになり、どんな品種だと商いしやすいか？熱心になってきます。お客様は昔の果物や野菜は美味しかった！などと言い出すし、、、。

　でも今の時代は知識と選ぶ目があれば、割りと良い野菜や果物が手にはいりやすくなってきたと思ってます、勿論コーヒーも。（インターネットもありますし）
　10年20年前はちゃんとした食生活をしようとすると、結構手間がかかりました。今は２極分化が進んで、劣悪なものも増えてますが良質なものも増えているようです。

　そんなことをお客様に時々お話ししてます。

　それにしても、品種改良はビックビジネスになっていますから大きすぎるテーマですね。ありゃりゃ、何を言ってるか分らなくなってきました。疲れたようです。
　コーヒーを仕事にするとどんどん農業に向かっていくようです。20年以上農業に関心を持つようにしてますが、これが門外漢には手強いので時間がかかります。細かいことは分りようが無いので、本質を何とか大掴みにしたいと思ってます。

　では来週、、、。