ブラジル セミウオッシュド方式
当店で使用中の国連ブラジルブルボンやサンマリノもそうですし、前回のプロつぶでふれた島野さんのトルマリンコーヒーやその他最近多くなってきている「セミウオッシュド方式」について掻い摘んでまとめてみます。
熟して収穫されたコーヒーの実は生の果物ですから、そのままにしておくと腐敗してしまいます。コーヒーはその種ですから、腐敗を避けて果実を取り除いて種を乾燥するわけです。
その精製工程の方法にアンウオッシュド(非水洗式、乾燥式)とウオッシュド(水洗式)が伝統的にありまして、今回のお話しのセミウオッシュド(半水洗式)はこの10年位で増えてきた、水洗式と非水洗式の利点を取り入れた中間型の精選方式です。
う〜ん、固い話しですね!
セミウオッシュド方式の特徴、利点を取りあえず並べましょう。
- 熟した赤実のみ選別できる。
- 不良豆未熟豆が入らない。
- 水漬けによる醗酵の危険を避けられる。
こんなところです。
非水洗式(ブラジルの伝統的精選方式)は収穫した実をそのまま乾燥するのでごみや未熟豆、不良豆の混入の恐れがあります。
セミウオッシュド方式は始めに水流で浮いた不良豆やゴミを選別します。その後2本のローラーを通して、赤実のみ脱皮します。青実や赤を過ぎて熟した黒実は固いのでローラーで弾かれるそうです。
水洗式は、始めに水槽でゴミ(枝や葉、小石他)や未熟豆を選別します。次に果肉除去機によって脱皮します。これはセミウオッシュド方式と似ています。
そして、醗酵槽に移し、半日〜1日間漬けて醗酵させて、付着している果肉と豆の粘着物を溶かして取り除くのです。その後はさらに充分水洗いします。この工程が特徴で、逆に水の管理が悪いと腐敗臭などの欠点がでてきます。
と云う事で、セミウオッシュド方式は水を使って選別し、赤実の熟した豆だけを精選できる点がポイントですね。その後は天日や乾燥機による乾燥工程で、水の量もいらないし(水洗式は水量が豊富でないと出来ません)ブラジルに向いているんだと思います。
乾燥工程では、島野さんから伺ったところ、始めに良く攪拌しないと豆の糖分で固まりができて、そこが醗酵する危険性をもっているそうですから、品質管理が常に必要なんですね。
こんな感じで要点は判りますか?
スペシャリティコーヒーの説明にもありますが、高品質なコーヒーにする為には豆の熟度がとても大切なポイントになります。未熟実だけでなく、未完熟実の混入も美味しさに影響があるという考えです。
セミウオッシュド方式だけでは未完熟実の混入はなんとも云えませんが、国連スペシャリティコーヒーは未完熟実の未混入をスペシャリティコーヒーの条件にしていますので、期待しています。
そのブラジルブルボン(セミウオッシュド方式)ニュークロップが今月中には始まります。これは良いと即1年分契約して確保しました。今のブルボンより更に奥行きのあるお気に入りです。
お楽しみに!
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