新鮮さ、今と昔
今では、どんな自家焙煎店、豆売り店でも当たり前にアピールする新鮮さ!
先日の「船井総研珈琲豆販売店セミナー」での質問でも、最近の業界の仲間での会話でも、「新鮮さにこだわりたい」「うちは新鮮さが売りです」「注文を頂いてから焙煎しています」などが目立ち、少しバランスを欠いていると感じました。
いきなり、昭和50年前後(1975年)にすっ飛びます。
あの頃は、サイフォンコーヒーの専門店がブームになってきて、今豆売り店が若い人、年配の脱サラともに増えているのと似た状況で、素人の参入が相次ぎました。
それまでは、ネルドリップでまとめて(20人30人前)淹れて手鍋で温めなおすお店が主流でした。(良く沸騰させて、そのままだすという酷い話しがありました、良心的な店は沸騰させたコーヒーは棄てる!というレベルです)
そこへサイフォンで1杯づつ淹れるのですから、比べると淹れたて新鮮です。(まとめて淹れて酸化した胸焼けする珈琲にうんざりしていました)
しかし、カウンターの中には500gパックのケースで仕入れた豆が積んであったのです。
本題です。そんな珈琲専門店で豆を売ってくれというお客様がちらほら出てきて、お店も流れにのって、レジ脇に木製の豆ケースを置き、豆を売るようになったんです、ミルを持っていない人がほとんどなので、「挽き売り」というネイミングでした。(まだ、残ってます)
袋から木製ケースへ、わざわざ封を切って移し、量り売りしてました。(袋のまま売ったほうが新鮮!)
そんなんで、50年代も半ばになり、サイフォン専門店が減って、自家焙煎店が少〜し増えてきた頃、デパートやスーパー、サイフォン専門店の古い、又は何時焙煎したか分らない豆に対抗して「新鮮さ!」をアピールしたんです。(新鮮さもクリアー出来ていない時代でした)
その延長で、バルク(原料)レベルの生豆しか仕入れられなかったので、ハンドピックによってネガティブな味を排除するようになったのです。
新鮮さもハンドピックも大切なことは確かですが、何時のまにか、販売の為のツールにすりかわって、始めの頃は焙煎後二週間経った豆は棄てるというレベルで良かったものが一週間になり、3日になり、オンデマンドで注文後の焙煎になっていったのです。(新鮮さだけなら一番ですが、私はそんな土俵には上りません)
で、その店の豆が焙煎後一週間で飲めなくなる品質(きちんと焙けてない)なのに、何時のまにか、珈琲の命は一週間です!となってしまいます。(それはお前の豆が一週間しか、、、、)
そんな情報ばかり浴びると、珈琲好きな方は妙に窮屈になって、リラックスして珈琲を楽しめなくなるし、忙しい中頻繁に珈琲豆を買わなくてはなりません。(酸化した豆よりは良いですが)
しかし、賢明なお客様はそんなことは無視して、楽しく美味しい珈琲生活をおくっています。
なんか分りづらい書き方になってしまいました。
じゃぁ、お前の店はどうなんだ?
はい!焙煎当日から3日間位の豆がほとんど(約80%)です。連休をはさんだり、人気の無い豆は4日〜1週間位の時もたまにあります。(普段の試飲会や接客で新鮮さの話しはあまりしません、お好みの珈琲の見つけ方や家庭での簡単で美味しい淹れ方、お菓子やパンとの相性のお話しなどしてます)
香りや味の持ちは3週間から1ケ月を目安にしてます。(焙煎技術が大きなポイントです)
冷凍もお薦めしてます。(冷凍庫から必要なだけだしたら、まず!残りを冷凍庫へ戻してください)粉は必ず冷凍してください。
新鮮でも不味い蜜柑や梨、林檎、、、、はいっぱいあります。
分りづらかったですね、どうもすいませんでした。新鮮さ命では、私が感じる珈琲の魅力は出来ない、という話しでした。(ハンドピック命、生豆命、焙煎命でも同様です)
|