サンプル三昧
当店は12月と7月が1年の忙しさのピークです。そんな忙しさに追われている7月の今日この頃、無理矢理時間を見つけては、サンプル豆の焙煎、焙煎後のテイスティングをしてしまっています。
今、10種類位の新しい生豆がサンプルとしてありますが、暇になる8月にのんびりとサンプル焙煎して過ごそうと決めてきたのに、相変わらずの私のせっかちな、興味を持つとのめり込む、抑えの効かない性格が爆発してます。(たんなる気分屋という声が周りに漂ってるな〜)
私の欲望を刺激しない詰まらない生豆なら、こんな忙しい時にわざわざ時間をかけて焙煎なんぞしないのですが、(事実、せっかく貰ったのに見向きもされないで、店の片隅に忘れさられている生豆がいくつもあります。そのうち友人の焙煎練習用になるでしょう)これが、まぁ〜、良いの何の!
まず、生豆を手に取りしっかり見るときれいに揃ってますが、その位では別に驚きません。色も濃い如何にもニュークロップらしいものですが、興奮するほどではありません。
においを嗅いでみます。ちょっとでもグレードの低い生豆だと鼻炎になってしまい、くしゃみ鼻水鼻詰り(失礼しました!)で、埃っぽさや異臭に敏感になります。特にマンデリンやモカは要注意です。
ところが、これらのサンプル生豆の宜しい上品な香り、フルーティーささえ感じさせる穏やかに嗅ぎ取れる香り良さには惹かれました。生豆のにおいで余韻を感じました。
次に、手触りです。グッと握り締めると手にやさしく、ごつごつしないんです。
痩せた生豆は手触りが悪く、握った感触も、擂り合わせた音も硬いもので、これじゃ私の好きな豊かな味や口の中に漂い何時までも残る香りはむりだな〜、ちょっと深く焙くと豆がもたないで焦げちゃいそうだな〜と寂しくなります。
ところが、今回のサンプル生豆の多くが、手にまとわりつくようなしっとりとした手触りでなんです。これは、生豆の表面にあるワックス分が豊富なんだろうと思ってます。見た目もふっくらと栄養豊かな印象ですが、それくらいの条件は当店の豆はクリアーしてます。それだけでなく、ワックス分やあぶら分の多い豆を私は欲しいんです。
これらの良さが品種(多くが在来種やブルボン、ティピカ種です)のせいなのか、産地の条件、化学肥料を使わない、小農家の生産、精選方法、他何のせいなのかまだ私には結論が出ません。
多分ひとつの条件では無く、トータルな条件が揃ってでのおかげなんでしょう。まだ、一通り焙いただけなので、これから煎り止めを微妙に変えたり、焙煎途中の火力や焙煎スピードを調節したりして、完成を目指します。それによって差し替える豆が決まるとブレンドも多少味が変わったり、作れないブレンドが出て来たりします。勿論、新しいブレンドも作りたくなるでしょう。
焙煎の腕は別段上がっていないのに、当店の珈琲がもう少し美味しくなりそうで、やっぱり生豆の質が良くないとどうにもならないという当たり前の結論をかみ締めてます。
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