2度の取材
昨日、19日発売の「喫茶&スナック6月号」に当店が載りました。79ページの特集「インターネットの工夫」と114ページの「コーヒー繁盛学」のふたつのコーナーです。
内容は業界誌ですから、同業者向けにお客様との関係作りやノウハウ、開店以来の流れ、私の考えなどを上手にまとめてあります。本屋さんで見かけたらぱらぱらと見て下さい。
取材に来た西村さんは熊本大学文学部を出て5年目の女性で、私の怒涛の喋くりに負けず、きちんと受け止めて、さらに質問を重ねて来ました。あまり深く切り込んでくると私は逃げるのですが、間を置いて何度も何度も聞いてきます。その熱心な粘りに負けて普段話さないことまで思わず喋ってしまいました。
そもそも、彼女と知り合ったのは去年の12月、船井総研の主催した豆売り店向けのセミナーで名詞交換して、少し話し、「今度取材に行きます」といわれていたのです。
電話で取材の日程を決めるのですが、いきなり「今日の午後伺っても良いでしょうか?」ときて、第1回目の取材です。3時間は話しました。業界誌の取材は昔から多いのですが、私がダ〜っと喋りだすと大抵ひるんできます。
私の目的は逆取材ですから、喋りたおして相手の優位に立ち、隙をみては必要な疑問をぶつけます。ここで、大した内容が返ってこないとその記者の方とはそれっきりです。逆に気が合うと長い付き合いの良い関係ができますが、まだ2人だけです。
取材の時に話すことはいつも決まっているので、一通り話して、駅まで送って行きました。翌日、電話で追加の取材、質問です。頑張るな〜と思ってました。
2度目はカメラさんと一緒の取材で、今度は撮影が主だろうと安心していると、来る来る、質問の嵐です。そんなに聞いてどうするんだとひるんできました。他店にはあまり知られたくない資料はかき集めるし、ホームページのことは聞かれるし、裸にされていきました。優秀で頑張りのきく編集者にはついつい協力してしまいました。
その結果の記事ですが、私の話しを上手にまとめてあるので読み易く、うちの店の手法も大体は出てますが、一番大切にしているお客様とのコミニケーション方法の実際までは書いてありません、ちょっとほっとしてます。
中でも印象に残っている話は
●「自家焙煎店さんは、お客様が付き売れてくると、地域での知名度が上がり営業もしやすくなるので卸の割合を増やすお店が多いようです。4,500キロ/月から800キロ1トン/月まで卸であっという間に伸ばす店のお話を聞きましたが、坂本さんはどうですか?」
●「私は開店した時の切っ掛けが「豊かなホームコーヒー」の為に喫茶では無く、豆売り店、しかもわざわざ主婦の方が専門店まで頻繁に買いにくるのは大変なので配達、宅配を中心にしたのですから、卸に力を入れては何の為にこの商売を始めたのか分りません。ましてや、無限に私が焙煎出来る訳では無いので、卸を増やすということはメインのお客様の数を増やせないことになります。そして、私の印象では喫茶店のマスター、レストランのシェフが一番味が判りません。普通の主婦の方のほうが「味が判らない、通じゃ無い」といいながら、実は非常に的確な感想をくれます。とても恐くてやりがいがあるんです。確かにひとりひとり出会ってお客様になっていただくので、地味で気の長い話しですが、、、。」
こんな話しをして、本にのったのは最後に「今後もあくまで家庭向けに、お客様の満足するコーヒーを提供していきたいと考える。」の2行でした。
今月末には柴田書店の「珈琲&紅茶2号」が出ます。編集長(居酒屋の編集長でもあります)とはとても良く気があって、共通の知人の家でワインと地酒で飲み明かしましたし、担当の編集者は10年以上の付き合いで、色々と情報交換していますので話しは早く、エスプレッソセミナーの前に1時間もかからず、ばぁーっと喋りあとはEメールで済ませました。
こちらは、1号で店の紹介をしてもらい、2号では開店希望者向けの質問に答えてます。私の担当は悪立地での集客他です。当店はいつもテーマが悪立地です。確かに駅前でも商店街でもロードサイドでも無い単なる自宅のガレージを改造した3坪の店?です。私の自慢はお客様とのコミニケーションやいかに良いお客様に恵まれているかなのに、まだまだ知られていない店だから悪立地が私の分り易い紹介なのでしょう。
少々不満です。
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