プロのつぶやき

    週間コーヒーコラム348

漆 塗師物語

10代から焼き物が好きな爺臭い小僧でした。二十歳くらいからあちこちの個展やお店を観てまわったり、本を読んだりしていましたが、漆器はちょっと近寄りがたいものがありました。伝統工芸展に行っても陶芸は時間をかけて観たりしましたが、漆器はさっと観る感じで…。特に豪華絢爛な金彩銀彩蒔絵等はなんか別世界で興味が湧きませんでした。でも、あの漆の深い色を見ると引きずり込まれるような魅力を感じていました。

先日本屋さんに寄ると…[漆 塗師物語・僕のぬりもの修行]が目に止まりました。雑誌の編集者だった赤木さんが27才から輪島塗の修行に入り、塗師として独立するまでの物語です。職人関係の本なら何でも興味深く読んでいますが…10代からの修行一筋ではなくって、学校を出て、サラリーマン生活を経ての伝統修行にとっても惹かれました。そういえば、僕の好きな志の輔師も大学の落研出身ながら広告代理店を経て27才で落語修行スタートしたんですね。そこにはハンデもプラスマイナスもありますが、志の輔師のコアなファンは他の落語ファンマニアとは明らかに違う人達がいて、その世界になんだかとっても心地よさを感じます。

で[漆 塗師物語]ですが、素人から見たアプローチで、修行の困難さや疑問を通じつつ、あまり知られることの無い輪島塗りの職人仕事を紹介していってます。漆は木を傷つけて出てくる樹液を集めたものだってくらいは知っていましたが…皮膚を切って血がでて固まり血が止まりますよね、要するにそれと同じなんですって、傷から木を守る為の樹液を固める力を利用しているそうです。その堅牢さを利用しているんですね、そこから今度は美しさ、さらに蒔絵へと発展していったようです。

そんなこんなで、印象的だったのが、職人と作家のくだり…《数もん》と《吟味もん》という言葉があるようです。ひたすら数をこなし、基礎技術を身につけながら、迷い疑問を持っていくようすが伝わってきます。そこから、年期があけて、独立が見えてくると…「これから自分は何を作ればいいんだろう?」と悩み始めます。弟子の間は目の前の仕事に取り組むしか無いんでしょうが、そこで作ってきたものを自分が欲しいかといえばそうでは無い。奥さんもそのようなものは日常の暮らしで使わないと言う。では、塗り物の世界に入る切っ掛けとなった角偉三郎さんのようなお椀を作るってのも違う。

そこから、東京育ちの夫婦が自分達の暮らしで、或は都会に住んでいてちょっとおしゃれな生活をしているような人たちが使いたい漆器ってなんだろう?…反対にデザイナーが作りましたって感じの妙にモダンなものも違和感あるし…飾るためや見せるためじゃなくて、まず使う為に作る…作る目的がしっかりしていて、同時に形の工夫があり、だから姿形も美しい…もともとの輪島塗も今みたいなものじゃなかった気がする…そんな時間を経て、ドイツの国立美術館の漆の展覧会に選ばれるんですね。その展覧会のタイトルが『NURIMONO』…この『ぬりもの』は『漆器』に対比された言葉だそうです。

『ぬりもの』は使うために作られたもので、お勝手にある、いわゆる日常の『ケ』のもので、対する『漆器』は飾るために作られて座敷にある、これは『ハレ』のもの。ヨーロッパには美術工芸品として『漆器』はたくさん紹介されてきたが、『ぬりもの』の存在を知らないんです。『ぬりもの』を、それも現代の、作る人が生きていて、実際に生活の中で使われているものを紹介しようと…。

で、12人の作家職人を見つけてその作品を展示しようと…11人見つかったけれども…公募展の作家にはコンセプトに合う方がいない…蒔絵などで自己表現されている作家の方が多いんだけれども、コンセプトに合わない…反対に職人で器を作っている方には個人が見えない。「自己表現」と「個人がみえること」は天と地ほどの違いがある…と進んでいきました。なんだか、爽やかで元気がでてきた心地よい余韻の本でした。上の写真は、恥ずかしながら、見かけよりたっぷり入るのだけが自慢の自作のぐい飲みです。(因みに、陶芸で一番惹かれた方は川喜田半泥子さん。東の魯山人、西の半泥子とよく言われます。あまりにのびやかでうつくしい作品に半日釘付けでした)

ということで、さかもとこーひー人気のセットのご紹介です。「COEコロンビア・バージニア」と「モカジャバ」に人気が集まっています、みなさんのお好み、ご期待が伝わってきます。

 

【トレジャーズセット】
COEコロンビア・バージニアとそのバージニアを使ったデイドリーム・2006のセットです。コロンビアの魅力をご堪能ください。

《COEコロンビア・バージニア》
《デイドリーム・2006》

各250g
2625円(税込み)

 

【深煎りセット】
深煎り好きの常連さん向けに用意したセットです。こちらは、クールカフェとスプラッシュカフェのアイスにピッタリな2つをセットにしました。勿論、ホットでもお楽しみください。

《クールカフェ 》
《スプラッシュカフェ》

各250g
1890円(税込み)

 

【《旬・瞬》カフェCセット】
さかもとこーひー人気一番のセットです。真夏の夢のブレンド、デイドリーム・2006が加わりました。暑くても明るく爽やかなコーヒーで元気だしてお過ごしください。

《デイドリーム・2006》
《夏の日カフェ》
《深煎りコスタリカ》

各250g
2625円(税込み)

 

【8月のニコニコ♪250gお得パック】
8月は毎月人気上昇中のモカジャバです。モカジャバ好きのみなさんお待たせしました。茜ブレンド好きの方にもお勧めします。

《モカジャバ》

840円/250gパック(税込み)

 

【スタートアップAセット】
今回の「スタートアップAセット」は、中煎りが明るい爽やかなブラジルの「リオグランデ」と深煎りが「深煎りコスタリカ」で中煎りと深煎りの魅力をお楽しみください。さかもとこーひー初めての方はこのセットからのご注文が60%くらいになっています、どうぞ、お試しください。

《ブラジル・リオグランデ》
《深煎りコスタリカ》

各250g
1575円(税込み、送料、代金引き換え手数料・無料、さかもとこーひー初めての方限定)

 

では、また・・・。

 

【13周年感謝、送料無料】
・〜8/31(木)迄
・750g以上で全国《送料無料》(沖縄県は200円)
・500gは《200円》(沖縄県は600円)

 

・・・
手さげラッピング(大小、無料)がご好評です、今の色はアクアグリーンです。
・・・
【毎月お届けコース】
お届けの量やご予算、お好み等お知らせください。勿論セットでも大丈夫です。セットにプラスしても大丈夫です。価格、送料等は通常のお届けと同じです。(最初はメールでご相談してください)
・・・
いつでも♪《3000円以上で送料無料!》
・・・
《【代金引換】手数料無料!》
・・・

 

【何を買ったら良いのか?お勧めは?その他ご質問等お気軽にメールしてください、お待ちしてます。】

【お願い】
冷凍保存した豆や粉を取り出したら、何よりも直ぐに!!袋を元の冷凍庫に戻してください。
冷凍、解凍の繰り返しは劣化を早めます。ジッパー付き袋をその為に使っています。
(豆は2週間以内でしたら、常温保存をお勧めします。粉は必ず冷凍保存をお願いします。)

《コーヒーはフルーツだ!》

2006年8月5日 坂本・丁寧な暮らし・孝文

 

 
Copy Right 2002
さかもとこーひー
メールはこちらから コラムの目次へ 先週のコラムへ 次のコラムへ トップページへ