プロのつぶやき

    週間コーヒーコラム256

エスプレッソ

味作りのキャッチボール

先週のこの《プロのつぶやき》や《ブログ日記》で集中して「家庭で楽しむエスプレッソ」について書いています。その反響の大きさにとっても驚き、又嬉しく思っています。頂いたメールはほとんどが常連さんからですが・・・今うちで試しているDeLoonghi社だったり、或はSaeco社やRancilio社と今迄家庭でエスプレッソを楽しんでいると知っていた方以外にもたくさんいらっしゃることが分かりました。

僕が予想していた以上に、家庭でのエスプレッソに対する関心が高いんですね。しかし、そんな常連さんたちの中でも『そうとう、手をかえ、品をかえタンピングや挽き具合、抽出時間などなど・・ あれこれ試しましたが、美味しいエスプレッソを入れることができず 結局、折角買ったマシンもお蔵入りになってしまいました。』『そうそう、うちも使わなくなった』『最初にお金がかかるのと、なんだか難しそうで断念している』といった方、逆に上手にコツをつかんで充実したエスプレッソライフを楽しんでいる方と分かれますが・・・共通しているのは、色々なコーヒーの魅力を楽しもうという気持ちが強いことですね。そんな期待に応えようとやる気が出てきました。

これから、少しずつエスプレッソ向けのブレンドや情報を充実させていこうと思ってますが、普段からシングルオリジン(ストレートコーヒー)でもブレンドでも、味作りは僕ひとりでは出来ないんです。当たり前のことですが・・・僕が焙いたコーヒーはそのほとんど全部お客様が召し上がりますから、常連さんたちのお好みをしっかりつかむことが大切なんですね。
お好み以外にも、どのような味を感じやすいとか、魅力的な香りはどんなタイプかとか、伝わりにくい魅力とか、把握しないと味作りが自分勝手になりやすいと気をつけています。ですから、電話やメールで頂くご感想と毎月の人気コーヒーの移り具合を常に意識しています。先日も 僕の香りの表現が良く分からないといったメールを頂きました、もっともなことです。

まぁ、お陰さまでさかもとこーひーは11年を越えましたから、これまでの蓄積や流れでさかもとこーひーの好みがある程度固まっています。そんな味の傾向を基本にして・・・最近の常連さんの好みや期待を感じつつ、少しずつもっと魅力的にしたいなぁ〜と微調整します。素晴らしい魅力の酸を持っていても、その酸の量が多いとそれを魅力に感じづらいこともあったり、甘みが心地よいコーヒーでも甘みが感じづらいこともあります。香りも煎り止めがほんの少し(数秒、数度)違うだけで隠れてしまうこともあります。(全部が全部では無いですけどね)

毎年使っている産地や農園のコーヒーでも、今年はじめて使うコーヒーでも、新豆が届いたらテスト焙煎をします。そこで、そのコーヒーの良さを把握します。で、どの位焙いたらその魅力がでるかを考えます。その辺まではお客さんのことは考えていません。そこから、次にお客さんの好みや自分の好みを考えながら微調整していきます。その時に、うちの常連さんがその魅力を感じやすいかどうかが最終決定する大きなポイントのひとつになっています。

でも、常連さんと云っても、主婦男性ご家族おひとり、カフェプレス(フレンチプレス)ペーパードリップコーヒーメーカーエスプレッソ、豆か粉か、甘い深煎りがお好み爽やかな中煎りが好き、大量に毎日飲むゆっくり少し飲む、いつも決まった定番いつも違うコーヒー・・・もう様々ですよね。そのうえ、うちも次から次へ違うコーヒーがデビューするし、季節の限定ブレンドがあるし。え〜それで、長年同じ名前同じ味(本当は少しずつ変わってますが)の定番コーヒーと、旬の味瞬間の魅力の《旬・瞬》コーヒーで様々なお好みに応えできたらなぁ〜と思ってますが・・・常連さんは上手に使い分けてくださっているようです。

と、云ったわけで、生産者のみなさんが作ってくれた素晴らしい魅力を持った素材を、全国の仲間と力を合わせて買い付けて、その魅力を常連さんに届ける・・・美味しさの為にはキャッチボールを繰り返すことが大切だと思ってます。これから《カップオブエクセレンス》で落札したコーヒーや《旬・瞬》ブレンドと秋冬に向けてたくさんの素晴らしいコーヒーが控えています。ご期待ください。

では、また・・・。

 

【何を買ったら良いのか?お勧めは?その他ご質問等お気軽にメールしてください、お待ちしてます。】

《ニコニコほのぼのワクワクな、
  《旬・瞬》珈琲をお届けしています♪》

2004年9月26日 坂本・コーヒーはフルーツだ!・孝文

 

 
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