秋のお気に入り栗きんとん
今年の葡萄はとっても美味しいですよね。8月も半ばをすぎると食卓に梨が登場して、僕は梨が大好きなんです。あの味があるような無いような、香りもさりげなくて、瑞々しくて、歯触りが良くって・・・で、次の週くらいには葡萄がでてきますね。僕は30年前にフルーツパーラーで修行をスタートしたので、その頃高級な葡萄をよくつまみ食いしました。だからと云うわけじゃ無いでしょうが・・・ふだんうちででてくる普通の葡萄は嫌いじゃ無いんですが、特別好きと云うほどじゃありません。甘みや酸味とのバランスが難しいですよね。ところが、今年は最初のひと口を食べた瞬間に、おぉ!この葡萄美味しいねぇ〜!!と云ってました。一粒食べると、すぐに次の一粒へと手が伸びてしまうような美味しさです。天の恵みですね。
そうこうしていると・・・岐阜は中津川のすやさんから新栗のお知らせが届きます。
もう15年以上前に、その頃参加していた地酒の会で毎年酒蔵巡りをしていて、信州の酒蔵に寄ったついでに中津川で泊まり栗きんとんで有名なすやさんを知りました。その栗を食べるよりも栗を味わえるような、そして素朴さを上手に活かした魅力に惹き付けられて毎年取り寄せるのが楽しみになっています。
そんなこんなで、今年もいつ注文しようかなと思っていたら、20年くらい前からのうちの常連のKさんが、千葉のそごうで恵那の栗きんとんが売っているとメールくれました。それ!っと昨日土曜の夕方ひとっ走りして、その岐阜は恵那の川上屋さんの栗きんとんを買ってきました。こちらは、恵那のお菓子には地元恵那の栗を使いたいと新品種「胞衣(えな)」の開発を契約農家の協力の元、開発に成功して使っているそうです。こちらは滑らかな口当たりで口溶けが良く、香りも上品です。
すやさんと川上屋さん、同じ栗きんとんで、どちらも栗と砂糖だけで炊き上げ、茶巾に絞っただけの端正なお菓子ですが・・・作り手のイメージ、素材、ちょっとした加減だけで個性がはっきりしてくるのが面白いです。同じ職人仕事をしているものとして、楽しみながら勉強になります。僕はすやさんの素朴さをいかした味わいが好みですが、今回の川上さんの上品さにもハッとする美味しさを感じました。
今朝【アニバーサリー2004】を淹れて、その栗きんとんと一緒に頂きました。アニバーサリー2004のひと口目から感じる穏やかな甘さと栗きんとんが思った通りの相性の良さでした。なんかほっとしますね。そんな穏やかさは、エスプレッソを意識してブレンドした成果です。ブラジルのナチュラルのボディ感と甘さをブレンドしています。
そうそう、秋らしくなってきて毎日パッキングが終わるとエスプレッソマシーンを準備して、3杯5杯と淹れてます。まだなかなか手のうちにはいりませんね。微妙です。粉の挽き具合、タンピングの具合・・・3杯に1杯、5杯に1杯くらいしかまだ安定して納得の味になりません。上手く行ったときには、のどにクッとひっっかかることも無く、口全体がまろやかさでいっぱいになって・・・余韻も甘く長く続きます。タンピングはヘルスメーターで力加減を計りながら加減してますから、もう少し回数をこなしたら、徐々に安定してくると思います。そうしたら、色々なブレンドや単品コーヒーにチャレンジしていきますね。しかし、たまに上手くいった時のエスプレッソは香り、味わいと他には無い魅力ですね。刺激的な苦みなどとは別世界の魅力だと思います。コーヒーのエッセンスですね。
では、また・・・。
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2004年9月12日 坂本・コーヒーはフルーツだ!・孝文
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