エスプレッソという花
冷たい雨が憂鬱だった千葉ですが、昨日今日の土日は綺麗に晴れ上がっています。これで、桜も機嫌良く咲き誇って、春爛漫、窓を大きく開けて通り抜ける風が心地よいでしょう。
先日イギリス在住の常連さんから素敵なメールが届きました。
『お元気ですか?一寸調べ物をしていてエスプレッソという花をみつけました!バラには本当に沢山の種類があるのですね!でも、コーヒーはバラ好きの人にも愛されているのですね!外側が茜色で、開くときに花びらのクリームの泡のような色合いの内側がまいてそれがちょうど茜色の花びらの上にのかったクレマ(膜)のように見える、アーシーな雰囲気の薔薇(笑)
見たときに、ああ!本当だ!本当にエスプレッソみたいだ!っとびっくりしました。大地の味わいをたっぷり含んだお花ですね!きっと茜コーヒーもまさにこのように薫り高く、美しい色をしているのでしょうね!沈む夕日のような茜という名前をもらい、大気と大地の両方を詰め合わせた味がきっとするのでしょう!日本に帰ったときにお尋ねするときにはぜひこのバラをさがしてもっていきたいな〜っとおもいました(笑)』
Lさん、いつも素敵なメールをありがとうございます。千葉には谷津バラ園という有名なバラ園があります。広い園内には、数百?数千?種類のバラが、とにかく種類が多すぎて困惑するくらい植わっています。みなさん普通は写真を撮ったり眺めたりしてますが・・・僕は鼻を近づけて順番に香りを嗅いでいました。大きな華やかなバラは圧倒されてちょっと苦手ですが、野ばらやオールドローズのような素朴で自然なバラは大好きです。この写真のバラは本当に綺麗ですね。
そうそう、バラは肥料をたくさん必要とするようですね。植物には、栄養成長と生殖成長があって、木や枝や葉の成長に必要な栄養と花が咲いたり実が成ったりする栄養が分かれているようです。バラの香りや美しさには大地の栄養がたっぷり生きているんですね、まさに、大地の味わいをたっぷり含んだ花ですね。
スペシャルティコーヒーも、同じように土壌や木の健康状態が良く、しっかり成長して、子孫を残すための花と実が大気と大地の栄養をたっぷり吸収して・・・なんとも魅力的な香りや味わいを発揮するんですね。コーヒーの栄養にならないところが結構気に入ってこの仕事をしているのですが・・・そう考えると、コーヒーの香りや味わいを楽しむことは大気や大地のエネルギーをもらっているのですね。気が引き締まりました。Lさん、どうも、ありがとうございました!!
その翌日、今度はMさんからも嬉しいメールが届きました。
『さかもとこーひーさんで、コーヒーを買うようになって、どのくらいたちますか。エスプレッソをメインに、カフェプレスも使って、毎日おいしいコーヒーを飲んでます。リーズナブルな値段で、素晴らしいコーヒー。 ありがとうございます。メールを送るのは、本当に久しぶりなのですが、最近新しい(?)発見があったのでうれしくてご報告したくなってしまいました。
今まで、カフェタブロー一本で楽しんでいたのですが、先日久しぶりにアトムの子を買ってみまして、カフェプレスで入れる時にはこちらを飲んでみました。エスプレッソの時は、やっぱりチョコレートっぽさが欲しいので、カフェタブローを…
カフェプレスでいれたアトムの子、これも当然とってもおいしかったのですが、何日か前に、ふと思い立ってアトムの子をカフェアメリカーノにしてみたら……これが大当たりでした!!あまりにヒットしたので、スターバックスでタンブラーを買ってきて、いつでも飲めるようにしてしまいました!!
どうおいしいか…というと、言葉に詰まってしまうのですが、カフェプレスで入れた時よりも、よりすっきりとした深煎りの甘さ…とでも言うか。すいません、うまく表現できないですが。なにしろ、やはり圧力をかけた抽出でないと、出ない成分と言うのがあるのでしょうか。さかもと様には申し訳ないですが、カフェプレスがお蔵入りになってしまいそうな予感が…しばらくハマってしまいそうです。とりとめのない内容ですが、うれしい発見だったのでメールしてしまいました。』
【メールde珈琲塾】のエスプレッソの回で云っていますが、《エスプレッソ》も金属フィルターですので《カフェプレス》と同じようにスペシャルティコーヒーを味わう為の最適な飲み方だと思います。そして《カフェプレス》とは又違った特徴があります。それが【乳化の魅力】だと思ってます。乳化とは「水と油の関係を仲良くすること」ですね。ドレッシングやシチューおでん・・・等々の円やかな美味しさは「乳化」の魅力です。(上手に乳化すると・・・円やかに滑らかに心地よい味わいになります)
その乳化とエスプレッソがどうしたんだ!ですね。エスプレッソと云えば「泡、クレマ」が特徴ですね。このクレマと美味しさの関係が、僕には、もひとつすっきりしませんでした。これまでに、素晴らしい出来のクレマなのに・・・あぁ、それなのに・・・香りも味わいも、ガッカリのエスプレッソが・・・なんと、多かったことか!確かにきめの細かい泡がくちびるにふれるのは、気持ちの良いもので(ビールでもそうですね)すが、それだけじゃ〜納得できません。香りにふたをする、というのも良く聞きますが、まぁ〜そう云われてみればそうかな〜、くらいのものです。(元のコーヒーに無い香りはでませんからね)そこで出てきたのが【乳化】です。乳化は、熱、圧力、蒸気で促進されます。
コーヒーに含まれる『カフェオイル』が『熱』と『圧力』と『蒸気』のパワーによって水と仲良くなり・・・抽出されて、数十とも数百とも云われる・・・【揮発性芳香成分アロマ】が立ち上ってくるんじゃないかな?
如何ですか? ましてや、わずか30ccのカップに、その《エッセンス》が凝縮されているんですから・・・それはそれは魅力的ですよね。しかも・・・【乳化】によって・・・《円やか滑らか》に仕上がっているんですからね。【乳化のパワー】によって《味わいの円やかさ》と《香りの豊さ》がエスプレッソの魅力を引き出しているように思うんです。それこそが・・・【エスプレッソだけに特有な魅力】なんじゃないかな、と感じています。(スペシャルティコーヒーのエスプレッソの話しです)
《カフェ・アメリカーノ》はエスプレッソに熱湯を注いだものですね。エスプレッソ30ccにお湯を100cc位くわえますから、エスプレッソの魅力そのままに楽しめますね。ただ、エスプレッソは抽出を厳密にしないと過抽出になったり抽出不足になったりしやすいのでそこがハードルですね、カフェプレスはその辺がある程度ラフでも大丈夫ですから気軽に最高のスペシャルティコーヒーを楽しめる方法でしょうか。
昔、僕は気軽に飲むときはペーパードリップ、気合い入れて飲むときはネルドリップのデミタスでしたが・・・スペシャルティコーヒーでは普段はカフェプレス、スペシャルティコーヒーのエッセンスを楽しむときはエスプレッソやカフェ・アメリカーノですね。Mさん、どうも、ありがとうございました!!
では、また・・・来週。
《ニコニコほのぼのワクワクな、
《旬・瞬》珈琲をお届けしています♪》
2004年3月28日 坂本・エスプレッソという花・孝文
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