真冬の焙煎
のんびりしたお正月が終わってからは、冷え込みがきつかったり、風が強かったり、急に暖かくなったりで三日と安定しない天気が続いています。そうはいってもここは千葉ですから、寒い朝でも0〜2℃、暖かいと7℃前後ですけど・・・大雪や大寒波の地方の方にはお恥ずかしい話しです。
そんな揺れ動く毎日の天気に振り回されています。焙煎が微妙にぶれるんです。勿論、微調整を繰り返して狙い通りに仕上げますが・・・片時も目を離せないと集中力が切れそうになります。寒いなら寒いで安定してくれると・・・どんどん微妙な違いを掴まえて、新しい香りや味わいを確実に表現できるようになるのですが。
強い風も影響がでます。
毎朝6時過ぎから焙煎をスタートします。だいたい4時間位かかります。同じ手順で焙煎機を温めて予熱し、店も同じようにヒーターつけて暖めます。最初のひと釜目ふた釜目と2時間3時間経った焙煎は条件が変わってきます。お店によっては一日中焙煎したり、足りなくなったら焙煎することもあるようですが、僕は朝集中して焙きます。スペシャルティコーヒーの魅力の可能性を求めると、安定した焙煎をすることが前提になると思うからです。焙煎の記録をつけて、カッピングで検証します。
豆を投入してまず温度が下がりきります・・・ボトムポイントと呼んでいますが・・・そのボトムポイントを重視しています。この温度が基準よりも2℃高いと豆の表面が(目では分かりませんが)焼けて香り、甘さや爽やかさも弱くなってしまいます。3℃高いと辛みがでてしまい、滑らかさが無くなり、味わいがざらつきます。この違いをカッピングで判断できないと、いくら素晴らしい豆を使ってもその魅力を活かしきれません。かといって、低いと次ぎの工程でカロリーが足りなくなります。基準のプラスマイナス1℃に確実にコントロールする必要があります。他の工程も同様で、水分抜き工程やドライ・ディスティレーションの焙煎工程、煎り止めのロースティングポイントと1℃、時間は5秒10秒の範囲でコントロールしています。(うちの焙煎環境での話しですが・・・。)
そんな職人的な仕事が好きなんですが・・・今月は安定しない天気でちょっと苦労しています。安定していると、新しい魅力の可能性を検証できるんですが、それはお預けになってしまいます。特にボトムポイントのコントロールで緊張し、瞬間的な判断が連続し、ドキドキしています。ここで失敗すると、その後ではどうにも挽回できませんので大切です。まぁ、1月は12月ほど忙しくないですから、その分カッピングの検証に時間を多くとれるので良い面もあるのですが・・・。焙煎の微妙な違いをカッピングで分からないと意味無いので、安定した焙煎とカッピング能力が車の両輪になりますね。又、安定した焙煎ができないとカッピングの向上がなかなか難しいと感じています。特に普段は自分のコーヒーばっかりカッピングしますから、自分のコーヒーのレベル以上のカッピング能力は身に付かないようです。技術と感覚の追いかけっこですね。
そんなこんなで、お天気ばっかりはどうにもなりませんから、昨日土曜日は外の煙突の掃除をしました。12月の忙しさで、いつもより掃除の間隔が長かったので、焙煎ででる滓や皮が思ったより多く頭から足まで滓だらけになってしまいました。今日は風も無く晴れ上がってますので、今日掃除したほうが良かったみたいです。昨日は風は無かったのですが、曇っていて寒かったんです。苦手な仕事ですが、なんでも自分がやらないといけない個人店ですので仕方がありません。焙煎機から店の中の煙突、外の煙突と、一気に掃除すると環境が変わりすぎてしまうので・・・順番に掃除をしています。これも出来るだけ安定した条件で焙煎する為です。
これから、どんどん新しい豆が届きますので、苦手な仕事も楽しみの為には手を抜けませんね。
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2004年1月25日 坂本・煙突掃除・孝文
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