オルガさん再来日

去る10月18日に、来日中だったグアテマラのオルガさんと我々「珈琲の味方グループ」メンバーでミーティングをしました。去年の12月に東京で、今年の5月にはボストンで、そして今回で3回目になりますから最初からにこやか和やかな雰囲気でうち解けていきました。

まずは、今使っているグアテマラ《サンタローサ》とうちではもうすぐ使い始める《サンペドロネクタ》の評価、お客様たちの声を伝えました。ブラジルの関係者に会った時も同じでしたが・・・今、スペシャルティコーヒーの生産者の方々は最終的にコーヒーを飲み楽しんでいるお客様達の声・反応をとっても大切にするようになってきたようです。我々にとっては『グアテマラ』のダイレクトインポートの窓口になってくれている方ですが、『グアテマラ』のスペシャルティコーヒーを生産する小規模生産者グループの方々にとっては・・・《スペシャルティコーヒーの技術指導》《品質管理》《輸出代行》《海外のスペシャルティコーヒーロースターとの仲介》をしてくれるリーダーなんです・・・その生産者の方々に『あなた達の作っているコーヒーを焙煎してお客様に届けている、そういった人たちのことを考えるように・・・』そういった指導を常にしていると強調していました。生産者にとっては、換金作物であり、コーヒーを買い取ってくれる人の顔しか見えないのが現実のようですが・・・そうでは無いのだ！【種からカップまで】の流れを意識することが大切なのだ！そういった強い思いと日々の地道な指導が伝わってきました。

オルガさんの指導する小規模生産者グループのコーヒーを使っている我々や他のコーヒー会社が増えてきたことと、指導を続けてきた甲斐があり、小規模生産者の信用も増してクオリティアップと生産量の増大を果たしているそうです。その指導は、村に3ヶ月前後も泊まり込みスペシャルティコーヒー生産のメソッドを一から丁寧に行っているようです。設備を整えて（お金が無いので手作りの設備を作るようです）収穫の大切さ精選処理の大切さ・・・ひとつひとつステップアップするしか無いようです。特に印象的だったのは、チェック機能を整えていることでした。実は我々のオーダーしたロットのひとつが直前になってあちらからキャンセルされました。それは、最終検査でのカッピングでサンプルを送った時よりもクオリティが落ちていたからだと云うことです。そういったチェックを疎かにしては、信頼関係が崩れてしまいますね。今回詳しく伺った内容は・・・《品質改善の為の指導（肥料、収穫、精選等）》《品質管理の実際》ですが、非常に厳しい指導です。

そういった当たり前といえば当たり前のことをきちんと継続できる仕組みを作り、指導し、継続する・・・彼女の強い気持ちが伝わってきます。そんな彼女は我々が落札してきた《グアテマラ・カップオブエクセレンス》を取り仕切り、成功へ導いた方なんですが・・・今年その《グアテマラ・カップオブエクセレンス》は中止になり、来年も見通しがたっていないようです。何故か？《カップオブエクセレンス》はコンペティションとオークションを通じて、生産者とコーヒー会社をダイレクトに結びつけ・・・顔の見える関係、中間搾取の無い取引等々、今まで情報を持ち得なかった小規模生産者にパワーを与える役目があります。それは、逆に云うと、既存の輸出関係者・名門大規模農園にとっては、面白くないことですよね、当然のことですが。既得権を行使できる輸出業者の壁を打ち破らないと小規模生産者の生活改善が進まないんですね。

そんな状況下で、オルガさんは、スペシャルティコーヒーという、高品質コーヒーを生産することで経済的な向上（子供を学校に通わせること、床のある家等の公衆衛生問題の解決等々）を目指しています。しかし、これはボランティアや援助等の手法では無く、世界のコーヒーマーケットに評価される品質によって自立を果たそうとしているんです。しかし、そのようなコーヒーを買ってくれる海外のコーヒー会社が無いと、生産者の方々の信用を得られません。その為に実際にコーヒーを使う我々のような者と密接に関係作りを続けているんです。そのような地道な活動の結果、去年今年とスペシャルティコーヒーのグレードアップを果たし、協力してくれる生産者グループも増えているそうです。気の遠くなるような活動ですね。

上手にまとめられませんでしたが、いつも云っている、【スペシャルティコーヒー】を通じての、『生産者』と『お客様』と『さかもとこーひー』の幸せな関係作り・・・コーヒー大好きなみなさんに《旬・瞬》さかもとこーひーの魅力をお届けしながら、産地との関係を深めていこうと思ってます。これからもよろしくお願いします。

《ニコニコほのぼのワクワクな、
　　《旬・瞬》珈琲をお届けしています♪》

2003年11月9日　坂本・種からカップまで・孝文