COEニカラグアの感想
ちょうど、もうすぐ2003年の《ブラジル・カップオブエクセレンス》の決勝審査が行われますね。2002年のブラジル・カップオブエクセレンス・ウイナー【アグア・リンパ】から早くも1年経とうとしています。幸運なことに我々グルーブは1位アグア・リンパを落札できて、5月には農園を訪れることが出来ました。そして、アグア・リンパをお届けするやいなや毎日返ってきたご感想の数々が思いだされます。そのたくさんのお客様の声を直接伝えました。コーヒー生産者とお客さんの距離を少しでも縮めたいと思ってます。
そして、今度は、2003年《ニカラグア・カップオブエクセレンス》ウイナー【ニカラグア・アシエンダ・サン・ルイス】の番です。毎日届いているご感想の中から今日は最近さかもとこーひーのお客様になったKUBOさんが、メールde珈琲塾の卒論とニカラグア・アシエンダのご感想を続けて送ってくれましたので、ご紹介します。まず、卒論のダイジェストから・・・。
『カフェプレスを買いに行ったり、しまっていたエスプレッソメーカーを取り出したり、あえてペーパーフィルターで入れたり、ネルドリップで入れたり、朝のコーヒーメーカーで使ったりとさまざまな方法で取り組みました。結局、豆の魅力が一番出るのがプレスだと実感できました。本当に楽しくて、豆と取り組むことが、また新鮮に思えてきました。今回は、カフェ・コージーとアトムの子を購入して、いろいろと試してみました。坂本さんの言われることを信じない訳ではないのですが、やっぱり自分の手と舌でためしてみたいもの。これは、その感想です。』
KUBOさんに、新しいコーヒーの楽しさをお届けできてとっても嬉しいです。何よりも、ご自身の手と舌で確かめられたことが一番ですよね。
『ペーパーフィルターでもコーヒーメーカーでもそれはそれで美味しいのですし、香りは十分ですが、何か物足りません。一度、プレスで飲むとこの入れ方では味がスカスカで物足りなく感じるようになりました。多分この方法で飲むのは減ってくると思います。』
はい!この魅力は体験しないと言葉では伝わりませんね。どんどん飲み込むと感じる魅力が広がってきますよ。
又、最近はスペシャルティコーヒーという名前で、あちこちの問屋さんから以前と全く同じコーヒーが売られています。僕はスペシャルティコーヒーのプレミアム化と云っています。それと、確かにスペシャルティグレードの生豆も一部ルートで入荷していますが・・・素材がスペシャルティになったからといって、スペシャルティコーヒーになるわけではありません。まず、スペシャルティコーヒーの基準、カッピングを身につけないと、折角の素晴らしい魅力を持った素材を活かせません。スペシャルティコーヒーの為の焙煎メソッドが必要です。そこで毎日喘いでいますから、僕の実感です。すみません余談でした。
『ネルは、これはこれでトロリと美味しくいただきました。豆は「アトムの子」を使いました。スゴーくコクのある味わいだったのですが、少し味がぼやけたように思います。これまでよい豆はネルでと信じていたのですが、プレスの味を知ると、少し豆に悪い(魅力を十分引き出していない)ように思えてきました。少なくともコージーでは、ネルは使わないでしょう。ネルではさわやかさが出ないように思えたからです。』
中煎り(カフェコージー)ですと、アシディティ(心地よい酸味)の爽やかさがポイントになります。カフェプレスで淹れると、甘さとオイリーさがアシディティに絡んでとっても魅力的になるんですが、ペーパーで淹れると、その甘さとオイリーさが減ってしまい、バランスが崩れてしまうんです。深煎りですと、アシディティは隠し味になってきますので、ネルドリップでもなんとかなると思います。しかし、仰るとおり・・・味わいに鮮やかさが欠けると思います。そこにアシディティを含めたバランスの重要さがあると思います。
『プレスとエスプレッソは、どちらも美味しいです。特に、エスプレッソメーカーはこれまで何度か試して投げ出していたのですが、工夫と豆の質次第で家庭でもこんなに美味しく入るのかと感激しました。何かの景品でもらったエスプレッソメーカー、多分数千円のものですが、なんと甘くてスムーズな味わいなんでしょう。特に、スムーズさは、特筆もので、当分飲み続けそうです。食後に最高です。プレスは、本当に手軽です。いまでもまだ表面の油膜(アクと呼ぶのはやめましょう)、中の粉が気にはなるんですが、複雑な、コーヒーなのにコージーに潜むフルーツ(チェリーのような)の味わい、アトムの子のチョコレートの味わいは、プレスが一番でした。コーヒーという素材を使ったスープのようですね。週末にゆっくりFMを聞きながら飲むには、プレスのコーヒーが一番いいですね。』
はい!もう付け足すことの無いようなご感想ですね、素晴らしい感性だと関心しました。
『実は、数年前、スターバックスでカフェプレスを「おすすめの器具」と書いてあるのを見て、「どうせ不器用なアメリカ人は手を使えないからだろう」と思っていたのが大いなる誤解だったことが判りました。あれは、豆の魅力を一番引き出すためだったのですね。今となっては、少しはずかしいです。今後も、ネルは使うことは使うでしょうが、エスプレッソ、プレス主体のコーヒー生活になりそうです。あとは、年末にでもミルを買いましょう。また新たにコーヒーを楽しむ日々が開幕した気分です。今後ともよろしくお願いします。』
ほんの少し前まで、欧米のコーヒー事情がなかなか伝わってきていなかったことが最近分かりました。何故か?・・・伝わっていた情報は、メジャーコーヒー会社大手ロースター事情ばかりだったのです。今欧米でスペシャルティコーヒー界をリードしているようなコーヒー会社は、スモールロースターでしたから・・・隠れてしまって、いやいや地元でしっかり静かに常連さんに愛されている店ですから目立つことは無いんですね。
それが、SCAAやSCAEの活動、カップオブエクセレンス等スペシャルティコーヒーのムーブメントによって情報が伝わってくるようになったんですね。新しいミルをお考えですか、楽しみですね。
はい!、次ぎは、同じKUBOさんがニカラグア・アシエンダを召し上がってさっそくメールを送ってくれました。
『今回も美味しいコーヒーを送っていただきありがとうございました。さっそく、ニカラグア・アシエンダをプレスで入れて飲んでいます。初回こそ少し荒めに挽いてしまったので味が細かったのですが、二回目はだいたいうまくいったようでおいしくいただきました。と書きますと、月並みなのですが、ホントは「ウーン」とうなってしまったんです。それは、静かなビックリでした。』
ねっ!素晴らしいでしょう。
『とてもプレスで入れたとは思えないほどの透明感、スムーズさでした。表面に油こそ浮いているのですが、嫌味が全く無い。最後の一滴までおいしく、それこそ底に沈殿した微粉までおいしい(ココアパウダーのよう)ものでした。でもそれ以上に、表現のしようが無い感想もあるのです。これまで私が飲んできた美味しいコーヒーというのは、「ポンッ!」と甘みやボディーが舌に飛び込んできた(アトムの子にもあります)のですが、今回はそれがなく、あれあれと思うとやがて「じんわり、シミジミ」と美味しいなあと舌が感じはじめるのです。最初に「スムーズ、透明感」がきて「じわじわ」と味が広がるのです。多分体験したことのない味に驚いたのかなと思います。この透明感、スムーズさは尋常ではないですね。いったいこの味をどう表現したらいいのかと思いました。多分、自分の表現力に無いものかもしれません。』
僕の表現力にも無い魅力ですね。とっても静かな美味しさなんだけど、かといって、おとなしいわけでは無いですよね。パワーあふれてますね。プレスで淹れることと、コーヒーのクリーンさ透明感は全く別なんですよ。レスクリーンって云いますが、未熟豆未完熟豆や精選の不手際で汚れている味わいは、どんな抽出をしてもきれいにはなりません。この辺は誤解の無いように、お願いします。
『カップテスト(カッピングですか)のことをコラムに書かれていましたね。いろんな味の種類があるようですが、勉強したくなりました。最後に、このニカラグアですが、1日に何杯飲んでも飽きないようなコーヒーだと思います。』
はい!コーヒーのカッピングがアマチュアのコーヒー好きな方々にも広まって、スペシャルティコーヒーの魅力が味わい広がると楽しいでしょうね、そんなに遠い将来では無いような気がします。今ニカラグア・アシエンダは中煎りよりも深煎りのほうに人気が集まっています。【深煎りニカラグア・アシエンダ】には、中煎りとは全く別のおぉ〜!と唸る魅力いっぱいです。お試しください。
『さて、明日からは休みですので、エスプレッソで楽しんでみて、感想をお送りします。まずはおいしいコーヒーのお礼まで。』
どうも、ありがとうございました!エスプレッソでのご感想を楽しみにお待ちしてます。これからもよろしくお願いします。まだまだ、素晴らしいコーヒーが出番を待っています。お陰様で、スペシャルティコーヒーの焙煎が完成の域に達してきました。
《ニコニコほのぼのワクワクな、
《旬・瞬》珈琲をお届けしています♪》
2003年10月26日 坂本・ニカラグア・アシエンダ・孝文
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