プロのつぶやき

    週間コーヒーコラム206

ニカラグアロゴ

ニカラグア・アシエンダ

実は昨日一日機嫌が悪かったのです。ふだん苛々することはほとんどないのですが・・・若い頃のように、ムッとしていました。9/30(火)に《ニカラグア・カップオブエクセレンス》のウイナーロット【アシエンダ・サンタローサ】が届きました。翌日の夕食後100gずつテスト焙煎を繰り返すこと5回、やや浅煎りから中煎り、深煎りまで細かくロースティングポイントを変えて焙いていきました。木曜日金曜日とカッピングをして・・・キャラクターの変化を掴み、商品としてみなさんに喜んでもらえるロースティングポイントを決めました。

そして、定休日の土曜日睡眠十分でコンデションの良い午前中に本焙煎に臨んだのです。店は休みで電話もかかってこないし、家のものは出かけているし・・・集中するには最高です。まずは、焙き慣れているグアテマラをひと釜目に焙いて・・・その日の気温や風等による変わってくる状況を把握して・・・さぁ!いよいよニカラグアです。まずは、中煎りを焙いて、次ぎに深煎りを焙きます、ロースティングポイントはテスト焙煎で掴んでいます。

最初のカロリーがまずポイントです、ここでカロリーオーバーすると表面焼けしてその後ではもうカバーできません。辛みがでますし、深く焼くと焦げて粉っぽさにつながります。せっかくの素晴らしいスペシャルティコーヒーでも甘みや余韻の心地よさを失ってしまいます。ドンピシャで狙い通りに進みました、まずはクリアーです。次ぎは水分抜きの工程です、焙煎の前半は丁寧に豆のもっている水分を抜いていきます。ここで水分を残したまま後半の焙煎工程に進むともさっとした爽やかさの無い味わいになってしまいます。酸味も重く明るい心地よさがでません。時間がかかりすぎると鮮やかな印象がでません、間が抜けたコーヒーになってしまいます。ここも理想的にすすみました。そして、最後の焙煎工程です、僕が昔から云っている乾熱調理が進み〈コーヒー〉になる瞬間です。ロースティングポイントは狙い通りぶれはありません。しかし、なんと最後の焙煎工程の時間が狙いよりも20〜25秒余計にかかってしまいました。思ったよりもカロリーを必要としました。10秒前後のぶれは全く問題無いのですが・・・20秒だとはっきり影響してしまいます。気持ちを切り替えて、深煎りに移ります。もう分かったはずなのに、また同じように焙煎工程で20秒余計に時間がかかってしまいました。(2度続けて同じミスをするなんてあり得ません、普段気持ちの切り替えが早く落ち込むなんて無縁の僕ですが・・・情け無い、苛立ちが増していきます)

すぐにカッピングします・・・あぁ!コーヒーは正直ですね。僕のイメージした魅力よりもマウスフィールの量感が足りません。これでは納得がいきません・・・苛々機嫌が悪くなっていきました。(まぁ、そうは云っても、はじめてこのコーヒーを飲んだのなら、その香りの鮮やかさ、爽やかな甘みの印象の良さに満足すると思います、素晴らしいコーヒーです)翌日曜の朝に焙き直そうと思っていましたが・・・夕食後、直ぐに焙きはじめました。このままじゃ、気持ちよく寝られません。今度は狙い通りに焙いて・・・すぐにカッピング、お陰様でぐっすり寝られました。今は中煎りと深煎りの【ニカラグア・アシエンダ】をカフェプレスで淹れて楽しんでいます、ご機嫌です。

テスト焙煎をカッピングすると・・・中煎り、深煎りと2つのロースティングポイントで素晴らしい魅力がでました。どちらに決めようか迷ったのですが・・・先週書いたように常連さんからケニア・キリニャガの深煎りのリクエストがたくさん届いていますし、元々さかもとこーひーは深煎りコーヒーのほうが人気ですし・・・《深煎り》《中煎り》と2つの【ニカラグア・アシエンダ】をデビューさせることにしました。幸運なことに69キロが3袋ありますので・・・みなさんにたっぷり楽しんで頂けます。(ブラジル・アグア・リンパの時はおひとり150g限定でご不便おかけしました。今でもアグア・リンパのご注文がきています)

なんか、僕の愚痴が続いてしまいましたが・・・では、【深煎りニカラグア・アシエンダ】【中煎りニカラグア・アシエンダ】のご紹介です。

【深煎りニカラグア・アシエンダ】
このニカラグアのとびっきりの良さは《スィートシトリック、柑橘系の甘み》《綺麗で明るい爽やかさ》
《滑らかなクリーミーさ》にあります。深煎りにしていくと、そこに《ミルクチョコレート》が魅力的にでてきます。この『深煎りニカラグア・アシエンダ』は、絹のようなとか、ベルベットのようなと表現されるきめの細かい滑らかさ、クリーミーさのミルクチョコレートのキャラクターに仕上げました。中深煎りというよりも《しっかりとした深煎り》です。深煎りなのに、爽やかな甘みがいつまでも続く余韻が最高で、この豆の素晴らしさがそこにでています。ひとくち飲んで・・・次のひとくちに待ったがかかります・・・そしてその円やかな余韻が静かに消えるのを待って、ふたくち目に進みます。僕はまだ試していませんが・・・エスプレッソにすると、エスプレッソの新しい世界が味わえそうです。

2700円/500gパック
1800円/250gパック
 

【中煎りニカラグア・アシエンダ】
こちらの『中煎りニカラグア・アシエンダ』は《スィートシトリック、柑橘系の甘み》《綺麗で明るい爽やかさ》《滑らかなクリーミーさ》という、この豆の持っている素晴らしいキャラクターを前面に活かしました。
《コーヒーってフルーツなんだ!》そんな魅力が素直に楽しめると思います。専門的になりますが、中煎りでも微かにチョコレートのキャラクターがあって、それが単純で無い複雑な後をひく魅力につながっています。
こちらも《明るい爽やかな余韻》を堪能してください。昨日、うちのかみさんが「りんごのフィナンシェ」を作りました。我が家では「フィナンシェ」が一番人気の手作りお菓子なんですが、りんごを使ったのははじめてで、意表をつかれました。食べてみるとりんごの香りが後味に残ってとっても良い出来で、かみさんも気分良くして、今朝、もう少し工夫し直して作ってました。その「りんごのフィナンシェ」と「中煎りニカラグア・アシエンダ」を一緒に頂いていますが・・・その相性の良さにちょっとビックリしています。

2700円/500gパック
1800円/250gパック
 

昨年ご紹介した『ニカラグア・サン・ルイス』(プロのつぶやき159)と今回の『ニカラグア・アシエンダ・サンタローサ』は親戚関係になるそうです。これから大切に関係作りを進めたいと思っています。
http://www.nicaraguancoffees.com/winning_down.html

前回はじめて企画した『トレジャーズセット』ですが、なんと「9月のさかもとこーひー」でNO1の人気でした、ありがとうございます。そこで、今回も僕のお宝コーヒー250g×2ヶをトレジャーズセットにしました。

【トレジャーズセット(2)】(ニカラグア・アシエンダ無くなるまで、69キロ×3袋)
《深煎りニカラグア・アシエンダ》250gパック
《中煎りニカラグア・アシエンダ》250gパック

2700円

《カップオブエクセレンス》のプログラムを通じて、優秀な農園と最高レベルのコーヒーを求めているコーヒー会社を結びつける・・・そんな試みが我々グルーブにとって実り大きい現実のものになってきました。ブラジル、グアテマラはダイレクトインポートが進んでいます、今後ニカラグア、エルサルバドルとも良い関係を築きたいと思っています。では、コーヒーの魅力の可能性が広がった【深煎りニカラグア・アシエンダ】【中煎りニカラグア・アシエンダ】をご堪能ください。今日の千葉は秋真っ盛りになっています。

えっ?不機嫌になったコーヒーですか?・・・兄弟、親戚、友人できれいに行き先が決まりました、良かった良かった♪

《ニコニコほのぼのワクワクな、
  《旬・瞬》珈琲をお届けしています♪》

2003年10月5日 坂本・ニカラグア・アシエンダ・孝文

 

 
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