プロのつぶやき

    週間コーヒーコラム193

農園主との2ショット

天才型のアグア・リンパ

「サマンバイア農園」の翌日は、《2002ブラジル・カップオブエクセレンス・チャンピオン》の『アグア・リンパ農園』を訪ねました。サマンバイアのカンブライアさんは、「アグア・リンパ、近いよ」なんて云ってましたが・・・遠い遠い、飛ばしに飛ばして、休憩をはさみ、5時間6時間かかりましたね。たしか3時間位って聞いていたんですけどね・・・。http://www.bsca.com.br/auction02/cup02_f01_us.html

着いた地域は「アグア・リンパ氈v「アグア・リンパ」「アグア・リンパ。」と3姉妹の所有する農園(3姉妹とお母さんが一緒に迎えてくれましたが・・・みなさん綺麗で、特にお母さんはこりゃ若い頃はそうとうな美しさだったろうと・・・いや〜♪、お年を召してもとっても綺麗でしたよ)そして「ファゼンダ・ダ・ペドラ 」「ファゼンダ・サンタ・テレジーニャ」と、いずれの農園もカップオブエクセレンスで目にする・・・「なんじゃ!この地域は!!」と言葉を失う『クリスチーナ』と云う地域です。ところが、なんと、数年前まではコーヒー産地として無名の地域だったそうです・・・《パルプトナチュラル》の製法が開発されるまでは・・・。

伝統的な《ナチュラル式》では、選別の問題、発酵の問題等があったのでしょう・・・《パルプトナチュラル》(収穫した実を水流で浮いた豆と沈んだ豆と選別し、沈んだ豆を圧力のかけぐあいで、熟した豆はつぶれて豆になり、青い実は固いので分けられます・・・その後パティオでの乾燥に移ります)で選別し、熟した実の収穫、収穫後の精選までの時間管理他こまかなノウハウの積み重ねで一気にクオリティアップ!!注目の地域になったようです。

さて、その『アグア・リンパ氈xです。農園主Jos Carlos Pereira氏は無口、静かで真面目そうな方でした。
クリスチーナに着いた晩地域のみなさんの歓迎を受けての食事をしていると・・・なんだかどんどん冷え込んできます。みなさんセーター着たり革ジャン着たり、なんか我々の服装と違うんです。食事がすすみ・・・ちょっと庭園にでてみると・・・あぁ〜!!星星星、南十字星、天の川・・・こわいくらいの星です。僕の人生では小学生の時のキャンプで見上げた星空が一番の思い出でしたが・・・その数倍数十倍の星空でした。ほんとこわくなる、と云うか、不安な感じにおそわれますね。否応無しに宇宙のひろがりや時のながれを意識させられました。

で、翌日農園に伺い、まずはコーヒーを頂いたら・・・『おぉ〜!アグア・リンパだ♪』みんなの声があがりました。あの印象的なキャラクターがカップに満ちていました。我々の落札したロットのスクリーンの小さなもののようでした。

農園は1250m位の標高で・・・まず、自然林が多い、いや、自然林の合間にコーヒー園がある、そんな印象です。もともとコーヒーは森の中に自生していたんですよね、しかしプランテーションシステムで開発、増産してきたのがブラジルからなんですね。今回の旅ではブラジルのスペシャルティコーヒーをリードしている農園ばかりでしたので・・・自然林の大切さを各農園で聞きましたし、実際山岳地帯が多かったんです。そんな中でも「アグア・リンパ」のある『クリスチーナ』は印象的でした。それと、品種のバラエティを多くして、収穫時期をずらし、少しずつ丁寧に収穫しているそうです。小規模な農園で、パティオもそんなに広くないので、少ない人数でもこなせるように工夫しているようでした。高品質なコーヒーの割合が高そうですね。日本の果物農家でもそのようなことを聞いたことがあります。蜜柑、りんご、柿などでしたでしょうか?あとは、土壌の豊かさを強調していて・・・土壌流出を防ぐお話しも興味深かったですね。土壌が豊かだと、枝の上下にビッシリと実が成るそうです。そうなるためには、当然のことながら・・・木が健康でないと!無理です。また、木の生長のための栄養と、花や実の為の栄養のバランスが大切で・・・『栄養成長』と『生殖成長』と云うそうです。ワインは古木から素晴らしいものが出来ると聞いたことがありますが・・・これなど、子孫を残すために実にエネルギーが集中するようです・・・量は少なくなるそうですが。若木の時は、元気いっぱいで量が取れるようですね。

そんな冷え込みのきつさ、日中の陽射しの強さ、土壌の豊かさ(土壌成分も特有なのかもしれません)、自然林に囲まれ・・・まさにクリスチーナだけの環境、テロワですね。素質にめぐまれた土地で、丁寧に丁寧に作る。【アグア・リンパは天才だ!】次ぎの農園へ向かうバスの中で、僕の頭の中は【アグア・リンパは天才だ!】【アグア・リンパは天才だ!】繰り返していました。《サマンバイア》といい《アグア・リンパ》といい、出会いに恵まれています、そんな出会いを大切にしていきたいですね。

《ニコニコほのぼのワクワクな、
  《旬・瞬》珈琲をお届けしています♪》

 

2003年7月6日 坂本・アグア・リンパ・孝文

 

 
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