名人のサマンバイア農園
「ブラジルの旅」から帰って、もうすぐ1ヶ月になります。メルマガでは、毎週「ブラジル農園レポート」をお届けしていますが・・・ここ《プロのつぶやき》でやっと落ち着いてお話しできます。どうも、お待たせしました!
では、いきましょうか!栽培、精選、土壌、完熟、自然林、乾燥、気候・・・お話ししたいことが山盛りです。しかし、あんまり細かいお話しも退屈でしょうから・・・今日は我々にとって一番馴染み深い《サマンバイア農園》のレポートをしますね。
サマンバイア農園の若きオーナー、カンブライア氏との出会いは・・・もう2年以上前になってしまいましたが、我々がはじめて参加した「マイアミSCAA大会」のブラジルパーティーでした。そして、『2001ブラジル・カップオブエクセレンス・オークション』で《サマンバイア農園》を落札し、みなさんにお届けしましたね。その後も、アナハイムSCAA大会、彼の2回の来日とどんどん親しくなって・・・今年はダイレクトインポートで、サマンバイア農園をお届けできました。
そして、今回の農園訪問です。ブラジルの農園めぐりをして、3日目ですね、ゾーナデマッタから6時間以上もかかってようやく「Santo
Antonio do Amparo」のゲストハウスに到着です。やっぱりカンブライア氏との再会、食事は特別な思いでした。勿論最初からうち解けますので、リラックスしてきますね。
で、翌朝さっそく農園を案内してもらいました。サマンバイアの朝は、まずパティオの掃除からスタートなんです。「パティオに土や湿気があってはいけない」それが最初の説明でした。次から次ぎに、パティオに広げられた豆を、手に取ったり、匂いを嗅いだりしながら説明が続きます。ロット毎に付けられている「ロット管理書」の大切さ、一日毎に違う豆の均し方の説明、雨量計の役目・・・精選にまわると、水の管理やリサイクル・・・どんどん専門的になっていきます。一息いれて、まわりを見渡すと・・・そのパティオは山の頂上にあって、とっても爽やかな乾燥した風が吹き抜けています・・・そして農園の周辺は必ず自然林で囲まれています。水源や土壌、動植物の関係、生態系の維持、自然林の大切さを強調し・・・毎年森を増やしているそうです。
次は、摘み取り中の農園です・・・「青味は取らずに、完熟実を摘むこと」「摘み取りは、こそげ取るのでは無く・・・完熟実を摘む!ことが大切なこと」「葉も一緒に取ってしまう農園が多いが、サマンバイアは葉は取らないようにしていること」「手摘みはハイコストだが・・・継続していく」「この完熟実の摘み取りは・・・ピッカー(摘み取る人)ひとりひとりにかかっているので、彼ら彼女らを大切にしていること」・・・ここでもカンブライア氏の説明は続いていきます。この摘み取りで、黙って手を抜かれたら・・・ハイ!もう最高のスペシャルティコーヒーにはならない!ですね。しかし、驚きましたよ、手摘みといってもスピードが想像を超えてました。早い早いもの凄いスピードで摘んでいくんですが、それが、手に目があるように、見事に熟していない実を避けて摘んでいるんです、プロですね〜、技ですね〜、熟練ですね〜。あの素晴らしさを見たら、如何に完熟実を摘むことを重視して、教育しているか理解できました。でなきゃ、葉も実も一緒にこそげ取って・・・お終いですよ、ねっ。
スタッフの方々は、きちんとサマンバイアのロゴの入ったキャップ、制服を着ていました。スタッフやピッカーの方々のモチベーションアップ、教育、生活環境、待遇の説明、クリスマスには子供達にプレゼントをしていること・・・いくらでも話しが続いていきます。
その後は、サン・アントニオ農園グループの工場、カッピングルームを見学し、カッピングもしました。
いつも背筋を伸ばして、まっすぐ前を見つめて情熱的に語るカンブライア氏ですが・・・スペシャルティコーヒーの、サマンバイア農園の未来を見据えて邁進していることが、本当に良く伝わってきました。コーヒー農園としては決して大規模では無いのですが、却ってそれが好ましく・・・とっても丁寧なクラフト仕事を感じさせてくれました。スペシャルティコーヒーの最先端の理論、技術の取り入れ・・・逆に、理に適った昔ながらの手法の大切さ・・・直ぐに出来ることの実践、来年再来年のテーマ・・・これから、もっと魅力的なコーヒーを届けてくれると思います、良い出会いに恵まれて、関係作りが進んでいます。こんなサマンバイア農園とカンブライア氏は、きっと【名人の道】を突き進んでいくことでしょう、とっても楽しみですね。
(追伸)
今年10袋確保したその《サマンバイア農園》は・・・あと、ちょうど、60kg×2袋になりました。残り少なくなりましたが・・・サマンバイアの良く熟した甘さ、心地よさ、チョコレートフレーバーの魅力を存分にお楽しみください!
《ニコニコほのぼのワクワクな、
《旬・瞬》珈琲をお届けしています♪》
2003年6月28日 坂本・サマンバイア・孝文
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