プロのつぶやき

    週間コーヒーコラム186

copacafeの珈琲カップ

コパカフェ・ショック2

今週頂いたメールに、『コパカフェのお話し楽しく読みました。ピーツコーヒー&ティーとの関係がよくわからないのですが・・・』といったものがありました。勿論、ヨーロッパにも素晴らしいスペシャルティコーヒーロースターがあるようですが・・・今の段階で、僕が経験した頂点のコーヒーが・・・『ピーツコーヒー&ティー』と『コパカフェ』です。で、ピーツは、ディープローストと呼ぶ深煎りのコーヒーが特徴です。
その素材のクオリティの高さ、焙煎の見事さには驚きました。しかし、とっても深煎りですから、そのキャラクターに親しんでいる常連さんにとっては最高なんですが・・・慣れていない方には、ただ苦いだけ!と感じられる可能性が大です。ピーツは今もう60店70店かそれ以上あるでしょうから・・・その規模で、あのコーヒーを作り続けていることも驚きです。また、それだけの店数を支持する常連さんがいることも驚きです。お客様の生活に密着しているんですね。(ピーツのお話しは、プロのつぶやき93以降をご覧ください)

そして、『コパカフェ』の続きです。大変ありがたいことに、今週もキャパシティをこえる忙しさで、毎日のカッピングがなかなかできませんでした。昨日今日と土日の午前中に集中的にカッピングしました。煎りは深くありません、日本で云う中煎りですね。まず、素材のクオリティが尋常じゃ無いです。当たり前のように、カップオブエクセレンス上位クラスの豆を使っています。ブラジル、ニカラグア、グアテマラは、我々もずいぶんとカップオブエクセレンス上位豆を使ってきていますから・・・イメージできる範囲でした。ただし、焙煎の完成度には驚きましたが・・・。で、エチオピア・イルガチェフェとケニアです。まず、イルガチェフェは・・・腰を抜かしました、まだ立ち上がれません。あぁ、このキャラクターがあったからイルガチェフェは世界的に名をはせたのか!納得です。僕の知っている日本に入っているイルガチェフェとは別物でした。ワイニー・・・簡単に分かります。数年前、コーヒーにあるワイニーって・・・どの香りを指しているんだ?・・・ずいぶんと探し、悩みました。ワインっていっても、赤もあれば白もあるし、ブルゴーニュもあればボルドーもあるし・・・ワイニーってなんなんだ?そんな時期がありました。でも、コパカフェのイルガチェフェ飲めば・・・理屈はいりません。あっ!これ、ワイニーだ。それだけですね。

ケニアは去年の《こんな!ケニア》で経験しましたが・・・さらに、魅力的なキャラクターでした、洗練されてますね。キャラクターの強さよりも、ひとつひとつの質感の良さが印象的です。フレーバー、スィートネス、アシディティ、アフターテイスト、ボディ、マウスフィール・・・すべてのレベルが高く、全体のバランスがきっちり揺るぎなく取れています。

1994年にスターバックスに売却した時点で、すでに、その素晴らしいコーヒーの魅力で有名になっていたジョージ・ハウエルとコーヒーコネクションですし、その後のITCプロジェクトやカップオブエクセレンスでのリーダーとして、コーヒーのクオリティアップを図ってきた方ですから、まぁ、コーヒー界のトップのひとりですね。そんなジョージ・ハウエル氏が選んだ素材ですからね・・・まぁ、誰でも同じだと思いますが・・・ジョージ・ハウエル氏の立場だったら、気に入った産地から、納得の素材を手に入れますよね、そりゃ〜ね。カップオブエクセレンスはほとんどボランティアのようですから、大変な情熱でそのプロジェクトを引っ張ってきたようですね。

焙煎しているプロとして勉強になったのは・・・ボディ、量感の豊かさ・・・これが抜群です。日本のプロに多くみられることが・・・コーヒーの汚れた味わいをボディと勘違いしていることがあります。スペシャルティコーヒーのクリーンカップをボディが弱いと感じるケースが多いようなんです。雑味と云いますか。とってもきれいなクリーンカップのコーヒーであっても、ボディはしっかりしているし、マウスフィールの質感も魅力的なんですが・・・これがかなり感じづらいようなんです。クリーンカップなコーヒーに慣れてしまえば・・・汚れた味わいは簡単に、と云うよりも、飲んだ瞬間に嫌な味わいで分かるんですが・・・。それはそれとして、コパカフェのコーヒーはどれも共通して、ボディの量感が凄いので、これなら分かりやすいと思いました。ただ、その量感に圧倒されてしまうと・・・その質感の素晴らしさを見逃してしまいそうです。これも、SCAAの会場で、ジョージ・ハウエル氏から直接、焙煎のお話しを伺いましたので・・・ヒントいっぱい掴んでます。

なんか、いきおいだけで、訳の分からないことを書いてますが・・・確信したことがあります。この数年、素材を求め・・・カップオブエクセレンスにチャレンジし、ダイレクトインポートを進め・・・SCAAコンフェレンスに参加し、産地との関係作りを進め・・・カッピング勉強会でスキルアップを図り・・・焙煎を改善し・・・そんなことの繰り返しでしたが、あぁ!このまま行けば良いんだなぁ〜!ってことです。

約30年前、コーヒーの仕事をスタートした時、日本の最高峰の店を探し、色々と飲み歩きました・・・しかし、世界の情報は闇の中でした。日本のコーヒーが最高だ!ヨーロッパには凄い店がある、アメリカなんか・・・そういった評価が多かった印象です。30年近くかかりましたが・・・ようやく、そういった情報レベルから突き抜けられたようです。

産地、素材、焙煎の可能性がつかめてきました。半年や1年ではまだまだどうなるというものでは無いですが・・・2年3年5年とかけて、昇っていけそうです。ぐちゃぐちゃな内容になってしまいました。来週は何をレポートしましょうか、お楽しみに♪

では、また、来週。

《ニコニコほのぼのワクワクな、
  《旬・瞬》珈琲をお届けしています♪》

 

2003年5月11日 坂本・今度はブラジルの旅・孝文

 

 
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