スペシャルティの仕上げ
お陰様で、今週も順調に【アグア・リンパ】【サマンバイア】とお届けしています。どうもありがとうございます。【アグア・リンパ】はちょうど半分位になりました。《250gパック》を受け付けたのと、《おひとり1パック制限》を外したことで・・・一日当たりの販売量が増えてきましたが、常連さんにはだいたいお届けしましたから・・・これからはスピードダウンして、あと、1ヶ月位は楽しんでもらえると思います。【サマンバイア】は、猛スピードで無くなっていってます。そして、その【深煎りサマンバイア】を使った、『4〜6月の《旬・瞬》ブレンド』を試作して、ほぼ完成しました・・・そんなことしたら、うちのサマンバイア10袋はすぐに無くなってしまいそうですが・・・まぁ、仕方がありません。せっかく【深煎りサマンバイア】の魅力をいかしたブレンドのイメージがあるんですから・・・お披露目したいですよね。イメージは《夏への扉》です。お楽しみに!
そんなブラジルコーヒーのスペシャルティな魅力に浸っている3月ですが・・・《スペシャルティコーヒー》って言葉も、最近はずいぶんと馴染んできましたね。僕自身が《スペシャルティコーヒー》という言葉・考え・魅力を知って・・・まだ3年少しですか・・・その素材・生豆のクオリティによって、それまで日本国内に流通していたコーヒーとの違いに触れて、ITC国連コーヒーの素晴らしさを経験し、マイアミSCAA大会への参加でさらに新しい魅力の世界を知り、《カップオブエクセレンス》をグアテマラ、ブラジル、グアテマラ、ニカラグア、ブラジルと5回連続経験し、その流れで産地との関係作りも進みました。
そうやって進化してきましたが・・・《スペシャルティコーヒー》って、何なんでしょう?素材・生豆がスペシャルティレベルなら・・・《スペシャルティコーヒー》でしょうか?ここ1年2年、あちこちの問屋さんなどから届く案内に《スペシャルティコーヒー》の文字がとっても目に付きます。う〜〜ん、普及していくと、同時に混乱がはじまりますよね。まぁ、それはどんなジャンルでもあることですが・・・なんでもスペシャルティってな流れになっていそうです。
《from seed to cup》(種からカップまで)と云うように・・・最後にお客様が飲む《一杯のカップ》《ひとくちのコーヒー》にスペシャルティな、エクセレントな魅力が感じられた瞬間が・・・《スペシャルティコーヒー》なんだと、僕は思っています。だからこそ、カンブライアさんも、マルセロ・ビエイラさんも・・・産地の方がエンドユーザーであるお客様の声、反響をとっても大切に受け止めてくれたんですね。
いくら懸命に、スペシャルティな豆を生産しても・・・的確に焙煎し・・・その魅力をお客様が感じないと、すべてが台無しですからね。
そんな《スペシャルティな魅力》をお届けするには・・・大前提として素晴らしい《素材・生豆》が無いと始まりませんよね。素材がそこそこではどんなに焙煎や抽出のマジックを使っても・・・スペシャルティな魅力はでてきません。だから、素材探しを必死になってするんです。しかし、素晴らしい素材があっても・・・《焙煎》が的確にできないと・・・当たり前ですが、魅力は現れませんよね。やっかいなことに、この焙煎は・・・通常の生豆とスペシャルティの生豆では、魅力の活かし方が全く違うのです。ほんの僅かな表面焙け・・・的確な水分抜き・・・理想的なドライ・ディスティレーション(焙煎工程)・・・ピンポイントのロースティングポイント・・・。それら、素材や焙煎の善し悪しは《カッピング》で判断できます。
そして、仕上げは、《抽出》ですね・・・おっと、そのあとに《味わう》・・・これが本当の仕上げですね。
ここ数年、《僕が感じている、この目の前の魅力》をお届けする為に、なんだかんだあぁ〜だこぉ〜だとお伝えしてきましたが・・・どうやら、最近、みなさんに届いているようです。素材もどんどん良くなっていますが・・・じつは、僕の焙煎も壁を破ったようで・・・それに、金属フィルターにも馴染んでいただけたようで・・・スペシャルティコーヒーが仕上がってきたようです。(勿論、まだまだ、ひとつのステップだと思いますが・・・。)そんな思いを強くしたメール2通をご紹介させてください。
まず、Mさんです。『この度の、サマンバイアは、今までにない良さを強く感じました。私は、エスプレッソとコーヒーメーカーによるドリップの両方で楽しんでいますが、エスプレッソ(カフェラテ)で深炒りサマンバイアは、その香り(アロマ?)のすごさに驚いてしまいました。てっきりカフェタブローのイメージで飲んだのでギャップが大きかったです。カフェタブローは、個人的には、ドリップで大変気に入っていますが、エスプレッソにするとナッツ感といいますか、まるでせんべいの様に香ばしいのです。ある意味良いのですが自分の中では、茜ブレンドが大好きです。茜ブレンドは、香りと甘さが最高です。サマンバイアは、ブルボン系の先入観が有ったのに、茜ブレンドを上回る香りそして、心地よい甘さが口の中から鼻の中に逆流してきます。』
素晴らしいご指摘です。じつは、どんどん各地の素材がクオリティアップしていく中、ブラジルがちょっと遅れていました。(カップオブエクセレンスのブラジルは別格ですが・・。)カフェタブローをエスプレッソで淹れた時のご指摘は・・・ブラジルの素材にあったんです。勿論、使えないほど悪くは無いんですが・・・他のレベルアップしたコーヒーに比べると分が悪いんです。でも、やっとサマンバイアやブラジル・ナショナルアワードの豆が使えるようになったので、すべて解決です。『カフェタブロー』は、さかもとこーひーの看板ブレンドですから・・・ちゃんとレベルアップしましたよ。『茜ブレンド』はエチオピア・モカのクオリティが反映していますね。こちらもカフェタブローと並ぶ人気ブレンドです。それにしても【サマンバイア】の凄さを実感する毎日です。1年ごと・・・いやいや、半年ごとに、一歩一歩レベルアップしていますので・・・あたたかく見守って、期待してくださいね。マイアミに行ってからまだたった2年しか経っていないんですよ・・・今振り返ると、あの頃は素材についても、焙煎も、カッピングもほんと!駆け出しでした。
次ぎは、Tさんです。『ここ1ヶ月で、カップテストのように淹れてソロフィルターで漉す、という淹れ方に落ち着きました。これだと坂本さんの言う「目の前にあるカップ」に限りなく近いですよね?これで淹れたケニアが美味しくて美味しくて、、、もうクラクラししてしまいた。ザンビアの大地にケニアの果樹、そんなイメージを抱かせられたハートバレンタインカフェに、アニバーサリーブレンドに微かに感じたケニアに、やはりクラクラでした。ドライ粉の段階で只事じゃない芳香が漂ってましたが、前回の「こんなケニア」といい今回の深煎りといい、ケニアには感動させられます。またケニア飲ませてくださいね。』
Tさんの続きです。『ここ1ヶ月は、300ccのマグに15〜20gの粉→熱湯注ぐ→3分待つ→軽く攪拌・泡取り除く→ソロフィルターのメッシュで別のマグに漉すと、この淹れ方で楽しんでます。ペーパーやネルで良い所も漉し取られることをケニアで痛感しました。アニバーサリーブレンドも2回目ですが淹れ方を変えて俄然美味しく思えました。ますますコーヒーが楽しくなってます。これからもよろしくお願いします。HP楽しみにしてます。P.S 話は変わりますが、最近時々無性にサン・ルイスを飲みたくなることがありま
す。中煎りのほうです。あの一歩遅れて湧いてくる香りに一歩遅れて今とても虜です^^;。』
感激しました。金属フィルターの魅力をさらに発展させてくれたようです。これなら、僕がカッピングで感じている魅力を、普段楽しめますね。それを証明するように・・・ケニア、ハートバレンタイン・カフェ、20thアニバーサリー・ブレンドの・・・僕がひそませた魅力を受け取ってくれたようです。まだまだ、金属フィルターに偏見を持っているコーヒーファンの方々がいらっしゃるようですから・・・とっても勇気付けられました。金属フィルターのマニア的抽出法とも云えるかもしれませんね。
Mさん、Tさん、またメールください、お待ちしてます。《旬・瞬》さかもとこーひーのスペシャルティな世界は、まだ始まったばかりです。素材とイメージとの追いかけっこが楽しくなってきました。
では、また、来週。
《ニコニコほのぼのワクワクな、
《旬・瞬》珈琲をお届けしています♪》
2003年3月22日 坂本・種からカップまで・孝文
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