プロのつぶやき

    週間コーヒーコラム159

ニカラグア・カップオブエクセレンス・サン・ルイス

『そのサンプルローストですが、微妙にロースティングポイントを変えて、この【ニカラグア・カップオブエクセレンス5位】の魅力をどうやって表現し伝えようか・・・必死です。特に【ニカラグア】は馴染みの無い産地なので、慎重になってます。浅めでも深めの焙煎でも、円やかで飲みやすいんですが・・・それだけでは【カップオブエクセレンス】で5位に選ばれた魅力にはほど遠いでしょう。サンプルローストしていると、途中から、他の豆には無い、甘〜いスパイシーな香りがふ〜〜っと漂ってきます・・・その段階を過ぎると、徐々に爽やかなハーブな感じから・・・直ぐにフルーティな香りに変わってきます。これはロースト途中の香りの変化ですが、このキャラクターに何か?このニカラグアの魅力のヒントがあるんでは無いか?そんな感じがしています。深めのロースティングポイントのサンプルは、香りの複雑さがすっと消えてしまって、単調な印象です。味わいもぐっとこちらの気持ちを鷲掴みしたり揺さぶったりする魅力に多少欠けています。まぁ、そんな風にテスト焙煎しています。(深煎りにしたときのボディの良さや滑らかさはとっても魅力的なんですよ・・・悩みどころです。)申し訳ありませんが、そういう訳で・・・【ニカラグア・サン・ルイス】のデビューは来週以降になります。今週の忙しさで仕上げられませんでした、すみません。』

と、先週の「棚から鷲つかみ」に書いています。今週は本釜で、毎日1℃づつロースティングポイントを変えながら、このスペシャルティコーヒーの頂点の魅力と格闘してきました。そんなこんなで、お待たせしました!はい、仕上がりましたよ。

まず、僕の中で強く意識したのは・・・あの!《グアテマラ・カップオブエクセレンス》の【ウイツ・マティグ】【ラ・プロビデンシア】との魅力の違いを分かりやすく伝えたい!・・・そこです。『グアテマラ』は素晴らしいコーヒーが出来る産地としての名声が確立していますが、『ニカラグア』は、まだまだ馴染みが薄いですよね。しかし、この2週間、テスト焙煎を繰り返し、カッピングをしてきましたが、全くそん色ありません・・・と云うよりも、驚きの魅力との出会いの連続でした。こうやって、素晴らしい魅力の可能性を持った産地が年々有名になっていくのも、《カップオブエクセレンス》の効果かな?と感じました。

では、紹介していきましょう。全体の印象として浮かんでくるのは・・・『気品』『ベルベットのような滑らかさ』です。《中煎り》に決めたのはその『気品の素晴らしさ』を前面に出したいと思ったからです。
《グアテマラ・カップオブエクセレンス》のふたつは、やや深煎りの「ミルクチョコレート」なスィートさが魅力のひとつでしたが、【ニカラグア・サン・ルイス】は『気品』『豊かなブーケ』『ハーモニーの素晴らしさ』が強く印象に残ります。

もう少し、丁寧に探ってみましょうか?・・・焙煎途中での《甘〜いスパイシーな香り》が段々と変わってきて『フルーティさ』が魅力的になってきます。『スィートシトラス、スィートベリー』と云えるような穏やかな甘い果物を連想させます。それが、活き活きとした爽やかなマウスフィールや余韻の甘さに繋がっています。余韻の甘さは・・・グアテマラのチョコレートのような甘さと比べると・・・ちょうど良く熟した果物(温帯地方の柑橘類やベリー類)の穏やかな甘さの雰囲気です。飲み込んで、しばらくすると、ふっふっと香りが戻ってきます。この香りが心地よく、気持ちを引きつける不思議な魅力です。爽やかな微妙な香りです・・・う〜〜ん、ハニーのような?甘い香りと云えるかな?スパイシーさとフルーティさが絡まった感じもありますね・・・難しいんで、複雑・コンプレックスな魅力と云っておきます。

なんか、ぐちゃぐちゃな表現になっちゃいましたね、すみません。実は、僕はテスト焙煎やカッピングをしながら、お菓子のことを考えていました。この【サン・ルイス】が仕上がったら、難しいことは忘れて、気楽に楽しもう!・・・せっかくだから、お気に入りのケーキ屋さんに行ってこよう♪・・・この【サン・ルイス】の魅力にはどんなお菓子がバッチリ幸せになるかなぁ〜〜〜?ついつい、そんなことを考えてしまいます。

今、とっても良い天気の小春日和です、我が家の2階は南向きで、前が小さな公園なので気持ちいいんです・・・学校の時はこんな日に窓際の席でうつらうつら居眠りするのが幸せでした・・・そんな陽射しの中で、そうですね、はい、《リンゴのパイ》が合いそうですね、しっかりカラメル化した《タルトタタン》はどうでしょう・・・そうそう《洋なしやイチゴのシャルロット》だったら最高ですね。優しくさっくりとした歯触り、軽い舌触りのビスキュイとすっきり爽やかなムースのシャルロットは僕の大好きなお菓子です。そんなシャルロットと一緒に是非楽しみたいですね。明日も祭日で休みですから、車で少し遠くのケーキ屋さんに行ってこうかな・・・。そうそう、繊細さと豊かさが一体になった魅力の《ミルフィーユ》もきっと相性が良いでしょう。勿論、シュークリームなら誰でもニッコリ笑顔ですね。

もう止めますね、切りがないですね。

《2002・ニカラグア・カップオブエクセレンス》
【5位・サン・ルイス】(中煎り)
    2400円/500gパック
    1600円/250gパック
    (69kg×3袋限り)

どうぞ、ニカラグアの今年からスタートした《カップオブエクセレンス》の輝きをお楽しみください。
・ニカラグアHP http://www.nicaraguancoffees.com/
・サン・ルイス農園 http://www.nicaraguancoffees.com/05lugar.html

では、また、来週。
 

《ニコニコほのぼのワクワクな、
  《旬・瞬》珈琲をお届けしています♪》

 

2002年11月4日 坂本・サン・ルイス・孝文

*お楽しみいただいた《カップオブエクセレンス・グアテマラ》は、11/8(金)までとなりました、最後の1週間です。

・【5位・ウイツ・マティグ】(69kg×2袋限り)
     1600円/250gパック
 (これが、コーヒーの可能性を極めたひとつだと思います。)

・【23位ラ・プロビデンシア】(69kg×4袋限り)
     2100円/500gパック
     1400円/250gパック
 (こちらの方が、少し深く焙いてあります。素直に滑らかで、ミルクチョコレートの感じが最高です。)

 

 
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さかもとこーひー
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