|   ウイツ・マティグとの格闘 
            「坂本さん、変わりましたね!」ここ最近、そうですね〜、半年くらい前から、良く仲間に云われています。 
              別に性格や人間や体型が変わったわけじゃ無くて、コーヒーのイメージが変わったと云われるんです。 
            「それは、誤解だ!」って、そのたびに強調するんですけどね。「どう変わったのか?」って聞くと・・・ 
              「なんか、優しいって云うか・・・上品って云うか・・・前はガツンって感じでしたよね。」そう返ってきます。今朝も、昨日焙煎した「ウイツ・マティグ」をカッピングしてもらった友人に同じように云われました。 
            確かに、最近、どんどん素材のクオリティアップが進み、それに伴って、焙煎のノウハウも構築されて、その素材の持っている魅力の可能性を感じ取り、イメージして、焙煎で仕上げる・・・そんな職人仕事のレベルアップが進んでいます。以前の悩んでいた素材の時は、その目の前の生豆をどうやって印象的な、そして、魅力的なコーヒーに焙煎するか?・・・全く同じようにイメージと戦っていたんですが・・・その結果が、みんなに指摘されるような・・・粉に挽いた時のガツンとくるフレーバーや味わいの強さに特徴があったようです。勿論、焙煎に対する考えも・・・基本は全く一緒ですが・・・それぞれの工程で大きく変わってきています。それと云うのも、クリーンで熟し具合や精選の良い、そして高地産の気象条件の良い影響を受けた、魅力的なアシディティやスィートネスを持ったスペシャルティな素材に出会ったからで、その上にカッピングのトレーニングによって、それらの素材の可能性を感じ取り、焙煎のメソッドが進化してきています。 
            う〜〜ん、疲れてきました。まぁ、素材の可能性が素晴らしいので・・・それを活かした焙煎を進めると、 
              「坂本さん、変わりましたね!」って云われてしまった。そういうことです。僕は、昔から、今のような味わいや香りが好きだったんです!だから・・・止めときましょう、愚痴っぽくなってきました。 
            そういえば、しばらく前に、ある自家焙煎の有名店に行く機会がありました。ネルドリップです。そこで、グアテマラをいただいたのですが・・・汚れた味わい、マウスフィールの貧弱さ・・・僕が去年まで、5年も6年もグアテマラを止めていた原因の味わいがそこにありました。飲めないので、クリームと砂糖を入れると、しゃばしゃばで水のようなボディになってしまいました。気合いの入っている店だったので、余計にショックでした。そこには、数年前の自分の苦悩が見えてしまったのです。(もっとも、そこの店主には、そんな問題意識はうかがえませんでしたが・・・。) 
            それに比べて、現在、毎日毎日、ウイツ・マティグやラ・プロビデンシアと格闘している喜びは格別ですね。 
              もう2週間になりますが、やっと、自分の中で、ウイツ・マティグとの戦いに笑顔がでました。 
            それは、僕らが水分抜きと云っている工程・・・約6分・・・での、わずか、5秒10秒のコントロールに成功したんです。6分×60秒=360秒の内の5秒10秒ですから・・・進行スピードの2%3%の違いですね。 
            そして、その後のロースティング工程初期・・・160℃170℃180℃・・・で、どのように火力アップをしていくか?その検証もピタリとはまりました。 
            それによって、イメージした爽やかさや味わいの明るさ、余韻の快感が現れたんです。(僅かな差と云えば、云えるんですけど・・・。) 
            ん?結構細かい性格でしょ?昔、手作りケーキを試作していたときも、同じように、数グラム単位で比べて、 
              10回20回とやってましたから・・・そういうのが好きみたいですね♪ 
            まぁ、そうは云っても、その結果のコーヒーが皆さん全員に、手放しで拍手も頂けるか?って云ったら、それは又別の話しなんですけど・・・。勿論、今までのウイツ・マティグやラ・プロビデンシアが劣っているわけでは無いんですよ。そんな未完成品は商品には出来ないですからね。喜びのご感想メールも毎日のように届いています。 
            『今朝、先に注文した珈琲が届きましたので、早速、朝食に「ウイツ・マティグ」をいれてみましたところ、 
              味にうるさい主人が手放しでほめたたえておりましたのでご報告しようとメールを書いております。 
              主人は、父親がフレンチのシェフだったことや、家業が喫茶店やレストランをしていたせいかものすごく味にうるさいのです。特に、コーヒーに関しては幼い頃に味わった美味しいコーヒーの思い出が強烈に残っていてことあるごとに、あのころのコーヒーは本当においしかったと、ぼやくのであります。そんな彼が「ウイツ・マティグ」を一口飲むや「これは美味しい!!!香りをかいだ瞬間にわかってはいたけど、昔のコーヒーはこんな味やった。香りもこうだった。」と、手放しでほめるのです。こんなことはめったに我が家ではありません。(もちろん、普段、さかもとこーひーはおいしくいただいております。今回は特においしいので、ご報告しておるのです。)』Aさん、どうもありがとうございました、励みになります。 
            そんな、より可能性を求める毎日の歩み・・・って、ところでしょうか? 
            この繰り返しが、ほんの少しずつの進化に繋がると信じているんです。 
              では、もうすぐ、『ニカラグアのカップオブエクセレンス』の豆もスタートできます。 
              ウイツ・マティグとラ・プロビデンシアは後半分強あります。 
              そして、高地産スペシャルティなグアテマラの別の豆も入荷してきます。 
              お問い合わせの多い『ベラ・ノッテ・2002』も準備に入っています。 
            実りの秋を堪能してください。 
            では、また、来週。 
                 
            《ニコニコほのぼのワクワクな、 
                《旬・瞬》珈琲をお届けしています♪》 
                 
            2002年10月5日 坂本・ウイツ・マティグ・孝文 
            【5位・ウイツ・マティグ】(69kg×2袋限り) 
                 1600円/250gパック 
               (これが、コーヒーの可能性を極めたひとつだと思います。) 
            【23位ラ・プロビデンシア】(69kg×4袋限り) 
                 2100円/500gパック 
                 1400円/250gパック 
               (こちらの方が、少し深く焙いてあります。素直に滑らかで、ミルクチョコレートの感じが最高です。) 
            【20thアニバーサリー・ブレンド】 
                 1800円/500gパック 
                 1200円/250gパック 
               (独立20周年の記念ブレンドです。) 
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