週間コーヒーコラム14

ブレンドマジック

 「ブレンド」と「ストレート」、当店では全く平等の扱いです。
どちらが美味しいとか、力を入れているとか、本当とか、お徳かなどありません。お好みでお選びください。

 それでは話しが終わってしまいますので、どの様に味ずくりをしているのかからお話します。

まず、生豆のサンプルが来ます。
手のひらに豆をのせて、臭いを嗅ぎます。
握り締めて感触をみます。
窓際に行き(店は北向きなので光の具合が良い)自然光でアピアランスなどと云いますが、豆面をみます。
最近老眼になってきたので、メガネをはずしたりレンズの焦点をずらしたりしてようくみます。
色は濃いか薄いか、緑っぽいか薄茶色っぽいか、大きさ、しわ、固そうか柔らかそうか、異臭は無いか心地よい香りがするか、不良豆は多いか少ないか、形は丸いか平べったいか、丸々としているか痩せているか、等などまあ10秒か20秒で判断します。
そして見積もりを確認して値段をみます。
仕入れ値から計算して値段が幾らになるかだして、お客様の顔を思い浮かべて喜んでもらえるか考えます。
コーヒーが並んでいる棚を眺めながら、どの煎り具合が良いか考え自分の好みとお客様の好みを当てはめます。
もう一度その値段で喜んでもらえるか、もう少し安くできるか、お値打ちにできるか計算します。
魅力を感じないとここでおしまいです。
魅力的だと思ったら10キロ仕入れて焙煎してみます。
その豆のタイプに合わせて標準的な焙きをしてデータを取りテイスティングします。
香りの強さ、個性、味では酸の強弱、コクのあるなし、苦味の出方等をみて、しばらくじっと考えます。
焙煎のどこを変えたらもっと魅力がでるか!煎り止めのタイミングは?途中の焙煎スピードは?
仮説をたてて2回目の焙煎をします。
この時に、ある煎り具合が一番美味しいと自分では思ってもその煎り具合にあまりにも似た個性の豆があると却下します。
同じ煎り具合の豆を並べて味見した時、普通の通でない方だれでもが味の違いが分るようにしてます。
それも考慮してテスト焙煎をし、微妙な煎り止めのときは1℃単位で変えてベストなタイミングを決めます。
このコーヒーを売りたいなぁ〜、飲んでもらいたいなぁ〜と気持ちが盛り上がってきたらネーミングです。
分りやすく魅力的な名前を考え、どのようなお好みのお客様にどう説明したら興味を持って試していただけるか、大切な仕上げです。

ブレンドの話しをしないで長くなりました。
次回はストレートコーヒーからブレンドコーヒーにつなげます。

 
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さかもとこーひー