週間コーヒーコラム13

生豆に無い味と香りはつくれない

 下坂農場、カーレ農園、スロトコ農園、シグリ農園、ゴールデンマンデリン、ノアスーパーサナニ、タンザニアスノートップ、コロンビアエスメラルダ、サンマリノサンドライ、ブルンディ共和国等々当店の使っている生豆たちです。
開店以来高品質な豆を探しては使って来ました。以前使っていて品質が落ちて止めた豆も多くあります。自家焙煎店が増えると商社や問屋さんもどんどんプレミアム物のコーヒーを輸入するようになっています。農園直送の豆も色々入っています。同じ農園でも年毎にブレがあります。
 20年位前の先輩たちは、大きなロースターさんから遠慮しながら生豆を分けてもらい、なかなか欲しいレベルの豆を仕入れられないで苦労したようです。今はある程度の値段を支払えば大分選べるようになりました。
コーヒーも料理と同じで素材の持っている味、香り以上のものは作れません。焙煎を失敗すれば素材以下の不味いコーヒーは作れますが、逆はありません。
当たり前といえば当たり前の単純な理屈ですが、とても大切なことだと思います。
ですから、当店の焙煎の考えはムラ無く、味香りが抜けないようにしっかり焙くというものです。
あとは煎り止めをどこにするかがポイントです。その結果出来た味香りがそのコーヒーの持っている味香りだと思います。
勿論そのポイントはひとつしか無いと言う訳ではなくある程度幅がありますので、その幅のどこを選ぶかが味ずくりと云えるでしょう。
 当店が生豆を選ぶ基準は、農産物として健康に、栄養豊かに育っていること。輸送、保存の状態が良いこと、不良豆が少ないこと。
以上を基本として、お客様の好みや私の好みに合い、価格が品質に比して高すぎないこと、今あるコーヒーと似た個性でないこと等をクリアーする豆を仕入れています。
 当店では基本的にニュークロップの新しい生豆を使用してます。オールドクロップを売りにしているお店もありますが、私の好みがコクのある香り豊かなコーヒーですので、ニュークロップの新豆を使っています。
 折角高品質な生豆が入るようになりましたので、これからも産地の皆さん、お客様ともに喜んでもらえるよう、豆を活かしきるような焙煎を心がけてコーヒーの味の可能性を広げたいと思います。

 
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さかもとこーひー