プロのつぶやき

    週間コーヒーコラム144

大きな花

2002年珈琲の旅・岐阜

 先週の土日(13,14)と、台風の間隙をついて、岐阜まで「2002年珈琲の旅」に行って来ました。 全国の仲間が『自家焙煎珈琲・七福』さんに集まり、久々の勉強会です。 5月にアナハイムに行ってきましたから、国内では、3ヶ月振りになりますね。(観光客は来ない、スペシャルティ味噌かつが、とっても美味しかった。後味の爽やかさと、コクが一体化してました。山田君、奥さん、お世話になりました、どうもありがとう)

 今回のテーマは、『グアテマラ』と『ニカラグア』の【カップオブエクセレンス】の豆をみんなで一緒にカッピングすること。 そして、いつものブレンドトレーニングです。

 この1年以上の勉強会で、若手が急速に向上しています。 ひとりで日夜模索していると何年も何十年もかかることが・・・お互いの情報交換や競争意識で、急速に美味しくなることが現実に証明されて・・・大きな喜びでもあり、驚きでもあります。

 そこには、高レベルな素材や各人の毎日のトレーニングが欠かせませんが・・・素材と情報があり・・・トレーニングを積めば・・・全国にスペシャルティな珈琲が広まりますね。

 そうは云っても・・・珈琲の難しさは・・・ケーキやパンと違って・・・家庭での抽出によって完結することですね。

 いくら、高品質なコーヒーならば、難しい抽出テクニックは必要ありません♪・・・と云っても、ビーンズショップでは、お客様が実際に飲んでいる味を確かめられませんね。

 さかもとこーひーはほぼ100%に近く、通販ですので、とても強く感じていますが、他のお店でもやはり共通に感じている難しさのようです。

 【スペシャルティコーヒー】は、お客様の飲むカップでの印象的な美味しさが全てですから・・・いくら僕らが、お店で、これは素晴らしい!と唸っていても、お客様が実際に飲む瞬間に、その素晴らしさは決まっているんですね。

 そんなテーマをみんなが抱えているので・・・今回はその辺も探ってみました。

 で、我々珈琲の味方のみんなは、カッピングはブラジル式で、グラスに入れた粉に直接お湯を注いで、味をみますし・・・普段もカフェプレスやソロフィルターなどの金属フィルターでの《コーヒーオイルの魅力》が生きたコーヒーを美味しいと思い、普段から飲んでいるんです。

 しかし、これが、なかなかお客様に広まらない・・・本当は、実際に一緒に試飲してもらうと以外に多くの方々に素直に美味しい、と思ってもらえるんですが・・・でも、難しい。

 その辺を、きちんと、把握して、整理してみよう・・・そんな趣旨でした。

 そこで、試したことは・・・カップオブエクセレンスのトップスペシャルティコーヒーと我々が数年前まで使っていた素材・・・質が落ちたり、味が汚れていたり、苦労した素材・・・何と云いますか? スペシャルティで無い素材・・・ですね。(歯切れが悪い!)

 これらを、《ペーパーフィルター》と《金属フィルター》で抽出して、カッピングしました。

  • スペシャルティで無い素材・・・ペーパーフィルターの方が、雑味が薄まって飲みやすい味わいになってます。 金属フィルターでは、透明感が無くざらついて滑らかさも甘さも無いです。(この辺が、一般的に金属フィルターが嫌われ・・・ドリップのテクニックが尊重される原因だと思います。)
  • スペシャルティコーヒー・・・こちらは、金属フィルターですと、フレーバー、コクと甘さがあいまった心地よい余韻が印象的です。 ペーパーフィルターですと、金属フィルターに比べて、魅力が薄まった感じです。 特に余韻に物足りなさを感じました。

 さかもとこーひーの《メールde珈琲塾》で、その辺のカフェプレスなどの金属フィルターでの魅力や簡便さを云ってますが・・・誤解をうけることがあり、難しさを実感しています。

 前提をハッキリとしないといけないようです。

スペシャルティコーヒー等の良質なコーヒーは・・・カフェプレスなどの金属フィルターをおすすめします。

その他のコーヒーは・・・ペーパーフィルターなどで、きれいに濾すことをおすすめします。

 どうしてなんでしょうか? みんなで話し合いました。

 以前から、メンバーみんな、気がついていたんですが・・・オイル分にコーヒーの風味と云いますか、エッセンスと云えるんでしょうか? 詰まっている、凝縮しているんじゃ無いか? と、話しが進みました。 となると・・・魅力的な良質なコーヒーは、そのオイル分を濾さないで、カップの液体の中に抽出することがポイントだろう!

 そして、嫌な、不快な味や香りがあるコーヒーは、その不味い風味がオイルの中に凝縮しているので、出来るだけ、上手に濾して、そのオイル分をカップの中に入れないことがポイントでしょう。

 ですから、今までの日本の喫茶店や自家焙煎店で、ペーパーやネルドリップを工夫してきたのは、とても適切なことである・・・ん? 何か問題発言になってきたようですね・・・と思いました。

 ですから、魅力的なオイル分が抽出されたコーヒーでは、フレーバーの豊かさ、熱い時から、だんだん冷めてくる時の味わいの変化、そして、何よりも、後味の余韻がコーヒーのスィートネス甘さと一緒に長く続き、消えていく・・・そんな美味しさを味わえるんです。

 これは、上手に抽出されたエスプレッソの魅力にも通じますね。 まぁ、随分と前から同じことを云っているような気がしてますが・・・なかなか上手に伝えられていないので・・・繰り返し云っていこうと思ってます。

 だからか・・・SCAAコンフェレンスへ行っても、ペーパードリップを見かけないんですね。 スペシャルティコーヒーの魅力は、エスプレッソと金属フィルターにあるんだ、と認識されているようです。

 でも・・・まだまだ問題があるんですね・・・そう、微粉があるんです。 ソロフィルターですと、そうでも無いんですが、カフェプレスだと、微粉が底にあります。 これが、気にならない人と、どうにも気になってダメな人がいます。 これは、相性や好みですから、なんとかクリアーしないといけないですね。

 これから、じっくりと取り組んでいきますね。

 そうそう、『グアテマラ』と『ニカラグア』の【カップオブエクセレンス】の豆ですけど、これは、本当に、震えました・・・感動です。

 『グアテマラ』は、昨年よりもレベルアップしているようです。 ここにも、【カップオブエクセレンス】の意義が感じられました。 続けることによって、生産者に評価基準が伝わり、生産方式の改善が図られているんじゃないかな? それにつられたのか、『ニカラグア』もグアテマラに負けず劣らず素晴らしい風味で、感動しました。

 そんなこんなで、さかもとこーひーのお客様に、徐々に、カフェプレスやソロフィルターなどの金属フィルターの魅力を広めていくぞ〜〜〜!と決意した坂本でした。

 おっと・・・スペシャルティコーヒーはペーパーフィルターで淹れてはいけない、ってことでは無いですね、クオリティが落ちるコーヒーをペーパーで淹れたものよりは、スペシャルティコーヒーをペーパーで淹れた方が、勿論断然! 魅力的だと思いますよ。

 なんか、ややこしいですね、すみません。

 では、また、来週。
 

《ニコニコほのぼのワクワクな、
  《旬・瞬》珈琲をお届けしています♪》

 

2002年7月20日 坂本・カフェオイル・孝文

 
Copy Right 1999 8
さかもとこーひー
メールはこちらから コラムの目次へ 先週のコラムへ 次のコラムへ トップページへ