2002年アメリカ珈琲の旅(4)香りのセミナー
先週は、グアテマラ『アルコ・イリス』で、横道にそれましたが、今週は話題を、アナハイムに戻しまして・・・「アメリカ珈琲の旅」を続けましょう。
え〜っと、初日は、まず、売り切れないうちに、本やビデオ、カッピングスプーン、Tシャツ・・・それに、一番お目当ての「Le Nez
du Cafe」
と云う香りのサンプルを買って・・・ブラジルブースでのカッピングセミナーを体験し・・・その後は、ぐるぐる回りながら・・・夜のブラジルパーティーにそなえました。
去年は、大きなクルーザーでの船上パーティーでしたが、今年はディズニーランド横にあるレストラン&ショッピング街ダウンタウン ディズニーの「ジャズキッチンレストラン」でブラジルスペシャルティコーヒー協会のパーティーです。
もう、2回目なので、緊張もほどほどに、お酒を飲んだり、料理を頂いたり、結構楽しんでました。 落ち着いてきた頃からは・・・次から次ぎと目の前に現れるスペシャルティコーヒー界の有名人、アイドル? スター?・・・の方々と、挨拶できたら・・・挨拶して・・・面識があったら・・・少しお話しをして・・・ちょっとフレンドリーな人とは、ハァ〜〜〜〜イ♪ なんて手を挙げたり・・・そして、ここでもサマンバイア農園のカンブライア氏とは、随分とコミニケーションをとれました。(そうは云っても、英語の話せるメンバーの横で、必死になって、聞き取ろうとしているのが、精一杯なんですが・・・。)
で、翌日は、楽しみにしていた「Le Nez du Cafe」という「香りのセミナー」です。
コーヒーに感じられる代表的な香りのサンプルが36種類キットになっています。 去年、そのキットを買って帰ろうと思っていたら・・・売り切れて、買えませんでした。 今年は、入場して最初にゲット♪ そのセミナーです。
ここで、まず、確認しておきたいことが、2つあります。
●何も、欧米人の感じるフレーバーや表現に合わせなくても・・・・良いんじゃないか? そうなんですね・・・同じフレーバーを嗅いでも・・・日本人の感じ方、表現があります。 それは、とても大切なことだと思います。 今の日本の身近にある香りの表現で無いと、実感がわかないですよね。
それと同時に・・・僕たちは、産地とのコミニケーションも取りたい・・・欧米の仲間とも情報交換したい・・・そうやって、自店のコーヒーのクオリティアップを図りたいんです。 そんな目標があると・・・やはり共通言語を身につける必要を感じているんです。
●もうひとつ、フローラルだの、フルーティだの、チョコレートだの・・・・その位は想像しやすいですが・・・クローブ、アーモンド、ポテト・・・そんな香りが、本当にコーヒーにあるんだろうか? これはですね・・・特にフローラル花の香りや、ワイニーワインのような香り・・・等々滅多に無いんですが・・・素晴らしいスペシャルティコーヒーに、はっきりと感じることがあるんですね。 ですから、誰もが・・・ほんとだ! 花のような良い香りねぇ〜〜〜♪ そんなコーヒーを楽しんでもらえるようなコーヒーをこれから、どんどん、扱っていきたいのです。(そのような素材に出会うことと、そんなフレーバーをいかせる焙煎が必要です。あえて云えば、素材を手にしても、フレーバーを取れない・・・そうすると、そんな素晴らしいフレーバーをいかす焙煎も当然できません。結構このハードルは高いと思います。)
そんなことで、ややこしい話しは終わりにしまして・・・早速セミナーをのぞいてみましょう。
6種類の香りをブラインドで嗅いで・・・シートに書いてある名前と合わせていきます。 それを、6回繰り返しました。 同じテーブルには、有名なスペシャルティコーヒーロースターの社員の方もいましたが・・・一緒になって首を傾げたり、正解で喜んだり、たまに間違えたり・・・似たようなレベルでしたね。
得意な香り、苦手な香り・・・敏感な香り、感じづらい香り・・・結構個人差があります。
では、どんな香りを試したか・・・書いてみますね。
A)Caramel.Dark chocolate.Fresh Butter.Roasted Peanuts .Vanilla.Walnuts
B)Apple.Coffee Blossom.Honey.Lemon.Potato.Tea-Rose/Redcurrant
C)Cedar.Coriander Seed.Clove-Like.Maple Syrup.Pepper.Pipe Tobacco
D)Coffee Pulp.Earth.Leather.Medicinal.Rubber.Straw
E)Cooked Beef.Malt.Roasted Coffee.Roasted Hazelnuts.Smoke
F)Apricot.Basmati Rice.Blackcurrent-like.Cucumber.Garden Peas.Toast
これだけの香りをブラインドで順番に嗅いでいきます。 慣れていないと、相当疲れますね。
言葉からイメージする香りが・・・実際のサンプルとイメージが違うことがあります。 これは、日本での香りと・・・欧米人の感じている香りに差があるんですね。 その差を覚えたい・・・こういうサンプルがあると、その為にとっても助かります。
そうですねぇ〜〜〜、例えば、バターの香りは、発酵バターの香りです。 リンゴは、透明なりんごジュースの香り、アーモンドは、アーモンドの粉よりも、アーモンドオイルの香り、ハニーは、蜂蜜よりも「花の香りが強い蜂蜜」なんですが、フローラル花の香りでも、Tea-Rose/Redcurrantは赤いバラやレッドカラントで、Coffee
Blossomは白い花・・・良くこういう香水がありますね・・・そんな風に違いますが、彼らは、生活の中にそんな香りを感じているんでしょう。
そうそう、ストローは枯れた藁の香りでは無くて、昔良く行ったハーブ園の香りを思いだしました。 結構フレッシュなフレーバーに驚きました。 レモンは、ジュースの香りでは無くて、皮の香りですね。 ピーナッツはピーナッツバターに近いイメージです。 アプリコットは杏と桃が混ざった香りに感じました。
これくらいにしときましょうか? こうやっていくと・・・ある素材を焙煎して、カッピングしますね?・・・そうすると、いくつかのフレーバーを感じるわけです。 そのフレーバーはそれぞれ、強かったり弱かったり・・・或いは、質の良い香りだったり、感じても、あんまり質が良くなかったりするわけです。 それをどうのように、焙煎、ロースティングポイント等でコントロールするか? ブレンドで印象的にいかすか? またまた、他の良い香りの裏で脇役になってもらうか? そんな味作りにいかせるんです・・・いやいや、いかしたいんです♪
そういうトレーニングを、アナハイムから帰って、毎日、朝ほんの10分位ですが、続けています。 楽しいですよ♪ スタートした頃は1日に、9アイテムを2回、フレーバーを取るのがやっとでしたが、2ヶ月近く経った今は、1日に36アイテムクリアーしてます。 ただし、全種類をハッキリと分かるまでは、もう少し時間がかかります。
毎日のコンデションによっても違いますし、苦手なフレーバー、馴染みの無いフレーバーはなかなか身に付かないですね。
でも、こういった官能的なスキルは、トレーニングを続けるしか無いので、若いメンバーに比べると、ちょっと辛い部分もありますが、昔からこういった環境を望んでいたので・・・夢のようです。
もう少し、もう少し・・・美味しい、フレーバーの鮮やかな、心地よいコーヒーを楽しんでもらえるように、チャレンジしようと思っています。
では、また、来週♪
《ニコニコほのぼのワクワクな、
《旬・瞬》珈琲をお届けしています♪》
2002年6月22日 坂本・Le Nez du Cafe・孝文
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