週間コーヒーコラム12

続ハンドピックのいろいろ

質問は大きく分けてふたつありました。

「焙煎前にはハンドピックしないのか?」
「良い生豆ならばハンドピックの必要はないのでは?」

自家焙煎のコーヒー屋さんにもいろいろなタイプのお店があります。

製造直売で安く新鮮な店(100g200円前後のお店が多い)
良い生豆で新鮮な店(100g400円位のお店が多い)
マスコミにも良く取り上げられる名店と呼ばれる店(100g800円位)

など乱暴な分け方ですが、私がいろいろなお店の情報に接した時に気をつけている点はそのお店が何を言っているかと、何を言っていないかという両面です。私を含めて商売という側面が大きく影響しますので、どうしても自分に都合の良い事を大きな声で発言し、都合の悪い事は黙っているのが当たり前になっています。
 ハンドピックをしない店はそのことは一切触れないで、新鮮さ安さあるいは生豆の良さをアピールします。
100g 800円もするお店でも味に影響がないと言って、あるいはなにも言わないで不良豆が目立つ店があります。勿論丁寧にしているお店もあります。
 安売りの店ではコストの面からもハンドピックなどとは言っていられません。100g 400円以上の店なら出来ると思います。
 反面、ハンドピックを殊更に強調して巧妙に販売促進に利用している店もあります。焙煎前と後に2回して、30%40%廃棄する店があります。そんなに手間をかけるのなら、もっと良い生豆を仕入れれば手間をかけずに味も香りも向上して人件費が節約できる分生産性が向上して安く販売できると思ってます。
手間が非常にかかっている為100g 500円以上になっているようです。 否定はしませんが、それだけの情熱があればもっと高品質な生豆を多少高くても使えると思います。私には不思議なことです。

 なによりも選別はネガティブな味を捨てるだけで、決して無い味や香りは生まれないということが大きいと思います。
栄養豊かな健康的に育った生豆は、当然ながら商品価値を高める為に選別も厳密に為されています。
 と言うことで、当店では焙煎前にハンドピックが必要な生豆は質、手間の面から仕入れません。味にさほど影響が無いレベルでも食品として考え選別をしています。

 堅いお話になりましたが、質問が重なり目立ちましたのでお答えしました。

 
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