プロのつぶやき

    週間コーヒーコラム138

2002年アメリカ珈琲の旅(3)アナハイム

 さぁ、今日は、ブラジルのカッピングブースに入っていきます。

 講師は、な・な〜〜んと! シルビオ・レイテ氏・・・第1回のブラジル・カップオブエクセレンスからず〜〜〜っと国際審査員をつとめている、ブラジル、そして世界のスペシャルティコーヒーをリードしている方と云えると、思います、感激でした。

 スライドを使いながら、産地の地形、気象、伝統などをふまえた解説をしてくれました。 ちょっと、うろ覚えですが・・・セラード、スルデミナス、マタデミナス、モンターナス等々があったと思います。

 精選の話しもありました、「ナチュラル、パルプトナチュラル、ウオッシュト」ですね。

 カッピングは、精選別とそれらのブレンドをしたものを、カフェプレスとエスプレッソの二通りでカッピングです。

 我々は、すっと! キラリ!! と、カッピングスプーンを取り出すと、ピュ〜〜〜、シュパ〜〜、と一気にガチンコカッピングに突入。

 「う〜〜〜ん、なるほど!」「おぉ〜〜〜!」ここで、評価を求められました。 丸山健ちゃんが、英語で伝えます・・・まぁ、これはいつものことですから、僕は、健ちゃんが何を伝えようとしているのか、必死になって聞き取ろうとします・・・が、少ししか分かりません(へへ) すると、僕の横にいた、岐阜は七福の山田君が、しゃべりはじめました。 彼も、英語を話せるので・・・僕はとっても羨ましい思いでした。 フレーバーやボディ、アシディティ、フィニッシュ等自分の評価を的確に伝えていたと思います。 格好良かったなぁ〜〜♪

 実は、今年に入ってから毎日英会話のCDを聞いて・・・耳を慣らしていますが、そうは簡単には向上しないですよね。 帰国後も続けていますが・・・3年後になるか? 5年後になるか? 少しでも良いので、英語でコミニケーションできるようになりたいものです。

 今年は、ブラジルのブースでも、ブラジルのカッピングブースでも、エスプレッソマシーンが、ダ〜〜〜〜ンと構えていて、エスプレッソ向けのちからのいれようが伝わってきました。

 まぁ、ブラジルをエスプレッソのブレンドに使う店、地域と拘らないところとありますが・・・それは両方の考えが、僕には納得できます。 エスプレッソは、瞬間的にコーヒーのエッセンスを抽出するマシーンだと思いますので、ブラジルを使ったエッセンスの魅力もあれば、使わない魅力も、勿論ありますよね。

 イタリアのエスプレッソが何でも本式・・・そんな考えには、僕はなりません。 ただ・・・エッセンスですから・・・エスプレッソマシーンを使っても、コーヒーのエッセンスの魅力が出ていないエスプレッソは、疑問ですね。 それが、過抽出・・・抽出オーバーで、嫌な味や香りが出てしまっているものや、抽出不足で、しゃばしゃばなエスプレッソ・・・そして、何よりも、素材も焙煎もレベルが低いコーヒーでは、エスプレッソのかたちをした飲み物なんじゃないかな?って思います。(イタリアのエスプレッソがどうのこうの、じゃなくてね。)

 で、イタリアでは、北欧中欧やアメリカとは、エスプレッソ用としてでしょうが、スペシャルティコーヒーの素材に対する評価に違いがあるようです。 特に、比較的焙煎度の浅いイタリア北部では、酸味の内容、強さにおいて、シビア? らしいです。 具体的にどう厳しいか? は、想像の域をでませんが・・・。 会場で何人かに聞いた、エスプレッソの魅力について印象に残っているのは、エスプレッソは・・・スィートネス甘さ・・・そういった声が強かったので、ブラジルのスィートネスが良く出ている素材が求められているのかな? そうすると、必然的にアシディティの役割も決まってきますので、なんとなく、想像できます。

 比較的焙煎度の浅い豆によるエスプレッソで、スィートネスを感じる、そんな素材・・・・と、云うことは、その焙煎度で、アシディティが前面に出ないで、爽やかを演出するような存在・・・そういった素材なんじゃないかな?

 ふ〜〜〜〜、ちょっと、コーヒー淹れてきます。

 では、もう少し頑張ります。

 そうすると、豆の熟度、完熟度がポイントですね、熟度を上げて・・・スィートネスが強くなります・・・しかし、ここに、ブラジルで昔から大きなテーマになっている、発酵臭、薬品臭、リオフレーバーがネックになってきます。

 それなのに・・・以前からリオフレーバーが問題になっているマタデミナスやモンターナスの海抜標高が高い山岳地帯から、カップオブエクセレンスが出てきています・・・う〜〜〜〜〜ん何なんだ?

 熟度を上げる・・・発酵しやすい・・・しかし、熟度を上げなければ、スィートネスが出ないし、滑らかな風味が出ない・・・さぁ、困った・・・発酵には、時間が要る・・・チェリーの収穫後の処理時間を工夫する・・・チェリーをパルパーにかけて・・・乾燥する。 これが、「パルプトナチュラル」につながっていると感じます。

 「ナチュラル」だと、熟度を上げられないんじゃないかな? 別にナチュラルを否定しているわけではありません。 産地の標高や気象条件等によって・・・ナチュラルで、効果を発揮することもあるでしょうし・・・農園の規模にもありそうです。

 また、海抜標高が高い山岳地帯ですと、他の国のスペシャルティコーヒーの産地がそうであるように・・・気温の日較差、年較差や日照量、雨量・・・その他の条件により・・・風味やアシディティの質に影響が大きいでしょう。

 そんなことを、考えていました。 少しずつ・・・コーヒーの産地から・・・焙煎・ブレンド・・・お客様へ、流れが見えてきました。

 では、また、来週♪
 

《ニコニコほのぼのワクワクな、
  《旬・瞬》珈琲をお届けしています♪》

 

2002年6月9日 坂本・アナハイム・孝文

 
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