プロのつぶやき

    週間コーヒーコラム131

新緑

『ウインディ カフェ』と『ケニア』

 では、先週のお約束どおり、ふたつの緊急発売♪ 《旬・瞬》カフェの紹介です。 まずは、【ウインディ カフェ】からいきましょうか!

 お陰様で、《2001ブラジル・カップオブエクセレンス、サマンバイア》がとっても素晴らしい豆で・・・完売し、みなさんに喜んでいただけました。 素直に嬉しいですし、充実感があります♪ 僕自身も、サンプルのカッピングの時には分からなかった魅力、それは『凄い!』と形容するしか無いような魅力を、毎日の焙煎やカッピングで、思い知らされました。 特に、「包み込まれるようなフレーバー、スィートネス、切れの良い爽やかなフィニッシュ」には圧倒されました。 熟度や精選の良さが抜きんでているのでしょう。 それと、そのようなスペシャルティな素材は、焙煎人に勝負を挑んでくるような、迫力を感じました。

 通常に焙いても・・・クリーンカップでフレーバーも良いので、簡単に「素晴らしい」「美味しい」と評価してしまいます。 し・か・し! その焙煎が、素材の魅力を引き出しきっているのか?・・・これが、焙煎人の感性に挑んでくるんです。 焙煎過程で、どの段階で、どのようなカロリーを与えるか? ロースティングポイントはどこに決めるか? 探れば探るほど・・・応えてくれます。 「この焙煎で、果たして、サマンバイアはOKを出してくれているんだろうか?」 常に、疑問が迫ってきます。 こうやって、毎日、鍛えられているんですね。

 おっと・・・サマンバイアはもう一粒も無いんですよね。 そして、『2001、ブラジル、カップオブエクセレンス・カポエリーニャ農園』を1袋60キロ手に入れたんです♪ 落札した京都のタイムズクラブ山田さんのご好意で分けてもらいました。 ありがとうございました! で、「さて、それは良いんですが・・・1袋60キロ、焙煎すると40数キロ。どうやって販売しよう?さかもとこーひーのお客様にはできるだけ平等に楽しんで頂きたい!でも、DMなどでお知らせしたら、あっと云う間に売り切れ!で、ご迷惑、失望・・・これは不味い!そうか!HP限定にしたら?どうかなぁ〜〜?・・・そうすると、近所の常連さんにばれた時・・・うぅ〜〜〜どうやって謝れば良いんだ?」
 こんな悩みがあったんですよね? その答えが、『スペシャルティ・カップオブエクセレンス』を使った贅沢な『《旬・瞬》ブレンド』でしたね。

 まずは、「カポエリーニャ」をきちんと焙煎するところからスタートです。 サマンバイアやカチョエイラのデータを基に、テストローストします。 カッピングすると・・・サマンバイアのような包み込まれる魅力とは反対に、大人しい印象が最初にありました。 特に、少し深煎りにすると、その良さが活きないように思いました。 ロースティングポイントを手前にすると・・・デリケートな雰囲気が感じられます。 さぁ、そこから・・・どんなブレンドに持っていくか?・・・実は、こんどのブレンド作りは少し苦労しまして・・・色々な豆とブレンドしてみるんですが・・・素材が良いので(クリーンカップですし、フレーバーもフィニッシュも良いですから)不味くはならないのです。

 では、どんなタイプの味わいにしたら、みなさんに喜んでもらえるのか? そ・こ・ですよね?・・・はい、そんなこんなで、無事、完成しました♪

【ウインディ カフェ】(限定販売、〜4/30迄)
 心地よい春風のように爽やかで甘〜い、そんなブレンドです。 一応、深煎りですが・・・あんまり深煎りとか中煎りとか関係ない味わいです。 最初に感じるのは・・・穏やかで優しい口当たりです、ほとんど一緒に感じられるデリケートな雰囲気と甘みが印象的だと思います・・・そして、ゴクンと飲み込んだ! その瞬間に・・・ふっと押し寄せる香り! このタイム感と云いますか、時間差でくる感覚・・・これが、このブレンドのポイントです。 それは、中煎りのエチオピアモカのフレーバーですよ。 ほんと、ほんの少し、隠し味にブレンドしてます。 この雰囲気が無いと、風が吹かないんですね〜。 どうぞ! お試しください。 カポエリーニャが無くなるまでの《旬・瞬》ブレンドです。
(1500円/500gパック、1000円/250gパック)


 次は、あの【ケニア】新豆が届きました。

 去年の夏のデビューで僕にとっても、仲間にとっても、そして多くのコーヒーファンにとっても衝撃的な印象を与えた『ケニア・ンディミ』でした。 そのシトラスを強烈に感じさせるフレーバーや鮮烈なイメージはいまだに忘れられません。

 そんなケニアのトップクオリティの新豆を、やっとやっとお届けできます。 今回の豆は、『農園名 eaagads(イアガッズ)グループにて生産され、広さ約250haの農園でより高度な農園管理をしています。 この農園はルイル(ruiru)地域にあり、首都ナイロビから北東に車で45分位のところにあり、古くからのコーヒー産地で1920年代からコーヒーが主な栽培作物だそうです。 北部アベルダーレ産地に続く台地で、水源が豊富でナイロビの水道のこの地域から引かれているそうです。 ブラジルのように密集栽培をせず、かなりの樹齢の木が多く、品種も主に古くからの‘SL’タイプのもので品質重視の栽培をしています。 これらのコーヒーは、いずれも優良農園のメインクロップで、品種はブルボンおよびケント種、標高は約1500m〜1560mで完熟した赤い実だけを手摘み収穫し、高度な水洗設備で処理しています。 優れた品質を供給する為、脱穀、精選設備を兼ね備えています。』と資料にあります。

 さっそく、1回目のテストローストをしてみました。 ケニアの焙煎は、もう慣れていますから・・・順調に狙いとおりの進行をしていきます。 よしよし♪ と思っていたら・・・ありゃりゃりゃ〜、最後の段階で、カロリーが不足して、時間が予定よりも20秒ほど伸びてしまいました。 さて、カッピングしたら・・・フレーバーが弱いです。 ん〜〜〜〜ん、クリーンカップですが、ボディもスィートネスもアシディティももの足りません。
 翌日にカッピングすると、フレーバーは多少強まりましたが・・・納得いきませんね。 2回目は、その辺をコントロールして、きっちり進行しました。 問題はロースティングポイントです。 狙いとおりに煎り止めして、3回目のテストローストは、ロースティングポイントをさらに2℃手前にしました。 さぁ、どうでしょう? すぐに、カッピングします。 2回目も3回目も魅力的ですが・・・冷めると、2回目の方が爽やかさが良くでています。 フレーバーも同様に魅力的ですね! 「ンディミ」はシトラスが特徴的でしたが、今回の「ケニア」は、オレンジやあかるい色のベリーの感じです。 挽いた時、淹れている時・・・そして口に含んだ時、余韻・・・フルーティな香りを満喫してください。

【ケニア】(やっとやっと、新豆入荷)
 一番感じるのは・・・円やかな口当たり、そして、何時までも続く心地よい余韻です。 ほんとに、長〜〜〜く、余韻が残るんです、試しにどの位続くか?計ってください! 「ンディミ」のシャープ、鮮烈さとは、また違ったケニアの魅力ですね。 こちらの方が、より多くのみなさんに親しんでもらえると思いますよ♪ 穏やかで、優しくて、円やかな美味しさです。 このロットは数があんまり多くないようなので、4月5月位の限定になりそうです。 まだはっきりしませんが・・・残り少なくなったら、お知らせします。
(1800円/500gパック、1200円/250gパック)


 4月のさかもとこーひー《旬・瞬》カフェ、2つのご紹介でした♪

 では、また、来週♪

《ニコニコほのぼのワクワクな、
  《旬・瞬》珈琲をお届けしています♪》

2002年4月6日 坂本・ウインディ・孝文

 

プロのつぶやきボーナストラックです(2002年6/9)

《こんどの『ケニア』は・・・優しいキャラクターでオレンジやライムの風味ですよ♪》

 4月から復活して、安定した人気が続いています・・・どうやら、去年の「ケニア・ンディミ」の衝撃的な魅力によって、すっかりケニアのトップクオリティファンが増えたようです。

 で、そこで、6月になって、次の「ケニア」に切り替わりました。

【ケニア・カングヌ】(KENYA KANGUNU)
 ナイロビの北方約140kmの「ムランガ地区」に位置し海抜2000mの高地での約800軒の農家で構成される農協です。 火山地帯の肥沃な土壌に恵まれ森林からの冷たい水での果肉の水洗処理は完璧なものです。 キリニャガ地区以外で<クラス2>の高品質豆を産出する数少ない優秀な農協です。「SL28」という品種(ブルボン)で、高地産用の「SL34」と比べ、やや豆質も柔らかく優しい味わいです。 酸味の量は多く、とてもキビキビしていて上品なフレーバーを備えています。

 では、カッピングしてみましょう。

・4月からお届けしていた「ケニア・ルイル」は、(一番感じるのは・・・円やかな口当たり、そして、何時までも続く心地よい余韻です。 ほんとに、長〜〜〜く、余韻が残るんです、)こういったイメージでした。  

・では、今度の【ケニア・カングヌ】です。 最初の口当たりは・・・まさにクリーンカップで、綺麗です・・・そして、繊細・優しい。 フレーバーは、シトラスな感じですが・・・少し冷めると・・・オレンジやライムの雰囲気で、そこに、穏やかなスィートネス・甘さが重なってきます。 そのまま、香りとスィートネス、気品のあるアシディティ爽やかさが、余韻となって印象的です。どうぞ!ケニアのトップクオリティの様々な魅力の違いを、是非、お楽しみください!

(2002年6/9)

 
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