ハンドピックのいろいろ
コーヒー教室でハンドピック(不良豆選別)の話しをすると、必ず大きな反響があります。コーヒーは農産物ですから多少なりとも、不良豆、欠点豆と呼ばれる、死豆・虫食い豆・未熟豆・欠け豆・醗酵豆・煎りムラ等の美味しく無い、雑味の原因となる、身体に入れたくない豆があります。
当店では焙煎後、雑誌くらいの大きさのトレイに少しずつ広げて手選別します。実際、下を向いて一粒一粒拾いあげて捨てる作業は地味なもので、「暗い性格でないと出来ません」と教室の時に言うと、必ず笑いをとれる想像するだけで億劫になる、今時そんな前時代的なことをしているのかと思われるような作業ですが、手を抜けない当たり前の工程です。良く例えるのは、野菜サラダの話しで、傷んだ部分はレストランでも家庭でも切って捨てます。その捨てる部分です、大豆や小豆を水に浮かせたり手で拾って選別するのはよくあることです。
未熟豆はトウモロコシの端の部分の小さな豆で美味しくないのと同じです。まだ味も香りも育っていません。電子選別機がありますが、お米や薬などと違い丸い形や焙煎度による色の違いなどがあり、ある程度までしか選別出来ません。
当店で仕入れている生豆は選別済みの、中には産地でハンドピックしているものもある高品質なものですが、仕上げに手選別の工程は欠かせません。平均して5%位廃棄します。モカマタリは15%位捨てます。販売量が多くなると大変な作業量になりますが、だからといって省けない工程です。中にはこの様な話しをすると感動してくれる場合もありますが、私としては自分の商品として出すには当たり前の工程で、あまり前面には出したくない、選別だけが大切なのではなく生豆の仕入れから焙煎、選別、鮮度管理と全て同じように大切なことです。なのに、ここで強調しているのはおかしいと思われるかもしれませんが、最近ハンドピックについての質問をいくつか受けましたので、早速説明しようというわけで答えは次回に続きます。
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