素材の可能性
いつもは、土曜日にこの原稿書きをするんですが、昨日12日は、都内に出かけてましたので、今回は日曜日の朝にぼ〜っとしながらパソコンに向かっています。 さぁ、何を書こうかな? と思いながら、先週のプロのつぶやきを読み返します。
「素材の可能性」とか「カッピング技術〜」を今関心が高いこととしていますね〜♪ まぁ、今更ながらといいますか・・・味の世界に暮らしているので、当たり前の話しですし、昔から追い続けているテーマですね。 でも、同じ言葉フレーズを使っても、その意味する幅や奥行きは大きく違うもので・・・この仕事について27年になりますが・・・楽しいレベルになってきました。
それでもって、昨日は随分と久しぶりに代官山のイルプルというフランス菓子屋さんに行ってきました。http://www.rakuten.co.jp/ilpleut/index.html
ケーキ屋さん巡りは若い頃からあっちこっちとしてきましたが、その頃は代々木上原にあった、イルプルに初めて行った時の衝撃は未だに忘れません。 味わいのきれいさ、香りの高さ、後味の良さ、余韻の心地よさ、触感の楽しさ、ひとくち毎に押し寄せる様々な美味しさの多様性・・・イルプルが開店して間もない頃ですから、何年になるでしょう? 15年? いやいやもっとでしょうか? それから毎月のように代々木上原通いがはじまり・・・第1回のフランス菓子教室が開催されると参加して・・・本も出版されるたびに即購入して、読み込みました。
その頃からオーナーシェフの弓田さんは、素材の重要性、味わうこと、そこからイマジネーションをどう豊かにするか! そのイマジネーションを実現する為のテクニック、ツールの開発の大切さ、等々繰り返し訴えていました。 残念ながらコーヒー業界には、そのようなレベルの話し、情報はありませんでした・・・僕には届かなかった?・・・ので、味覚の勉強を他のジャンルからしていました。
で、昨日、横の男2人がお菓子の美味しさの凄さに感動ニコニコ顔が緩んじゃいます、状態に浸っているのを見ながら・・・『スペシャルティコーヒーの魅力』の凄さを再確認していました。
素晴らしい魅力的なお菓子の数々なんだけど・・・今の僕にとっては、スペシャルティコーヒーはもっともっと魅力的でした! 弓田さんが実践している、最高の素材への可能性、追求と同じように、コーヒー生豆の可能性がどんどんはっきりと見えてきて現実のものになってきているからです。 魅力的で爽やかなアシディティやフレーバー、ボディ、フィニッシュの余韻、きれいな味わい、惹きつけられる甘み・・・ケーキを食べながら、スペシャルティコーヒーの美味しさがどんどん浮かんできました。
国連ITC珈琲との出会いから、マイアミ行き、グアテマラカップオブエクセレンスと続き、ダニランディアが来て、ローレル農園も使い、今はアルコ・イリス。 そして、ブラジルカップオブエクセレンスもゲットし、サマンバイア農園ももうすぐ来ます。 そんな『素材の可能性』が広がり、スペシャルティコーヒーの魅力を表現し、味わえるようになったことを改めて感じたんです。 あぁ〜、この目の前の光り輝いているお菓子が、色あせるほどの珈琲に出会えるなんて、昔は考えられなかったなぁ〜! なんて思いました。
しかも・・・3人で考えが一致したんですが・・・この美味しいお菓子は残念ながら高い! 普通の庶民が気軽に日常的に楽しめる値段では無いんです。 勿論、それだけの値段は意味あるものなんでしょうが・・・不景気な最近は特にちょっと厳しいですね♪ おっと、何が「しかも」なんだか分からないですね。 しかも、我々のスペシャルティコーヒーは毎日気軽に楽しめる生活価格を目指しています。 これが、3人ともに嬉しく誇りに思えることと話しが合いました。
なんか、良い仕事に巡り会ったねぇ〜、と帰り道で話しが弾み、いつの間にか、5月のアナハイムSCAAコンフェレンスに話題が移っていました。
http://www.scaa.org/
昨年は、ブースや会場の珈琲を飲むと、そのレベルの高さ・美味しさに驚いていましたが、今年はそうはいきません。 素晴らしいところ、そうでも無いところ、きちんと見て聞いて味わって、吸収してきます。 この1年の自分自身の変化成長が合わせ鏡になって映し出されるでしょうから・・・そういう意味でもとても楽しみです。 今から、テーマを色々と決めて、お土産をいっぱい持って帰れるよう準備に気合いが入ります。 大きな柱は、カッピングを中心にして、素材と焙煎になるでしょう。 そんな2002年のスタートになっています。 では、コンデションがなんとか回復したようですので、すこし安心している坂本でした。
来週は何にしましょうか? お楽しみに!
2002年1月13日 坂本・新春カフェ・孝文
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