プロのつぶやき

    週間コーヒーコラム109

第1回軽井沢セミナー

まだまだ10月なのに、振り返ってみました(2)

 《最高クラスのスペシャルティコーヒー、その最高!の魅力はどこからくるのか?分かってきましたよ〜♪》

 ここで、先週は終わりました。 そして、23日(火)に『スペシャルティ珈琲塾・第1回軽井沢セミナー、トップスペシャルティコーヒーのフレーバー体験、そしてコミニケーション』に出席してきました。

 全国から11名の自家焙煎店主・独立準備中の方々が集まり、スペシャルティコーヒーを前にしての4時間でした。

 その内容は

1)美味しいコーヒーとは?
 簡単な自己紹介からはじまり、各人にあなたの考える美味しいコーヒーとは? 考え、記入し、発表してもらいました。 ここでのポイントは、品種・精製・産地の素性・・・等がはっきりしているコーヒーは美味しいコーヒーの可能性が高いのでは? 仮説が成り立ちます。 しかし、そのような条件が理想的なコーヒーでも、最終的にはカップクオリティによって、判断される! ということです。
 ブルボン種だから、サンドライだから・・・全部が全部美味しいわけでは無い ですよね? では、どう判断すれば良いか? そう《カッピング》です。
 みなさんも、《あなたの考える美味しいコーヒーとは?》そこに書いてみてください♪ 

で、早速、カッピングに移りました。

2)カッピングセッション(1)
 2種類のブラジルをカッピングしました。(勿論ブラインドです) ひとつは、A)農園指定・ブルボン種、もうひとつはB)昨年のカップオブエクセレンス・ブラジルの入賞豆。 典型的なプレミアムコーヒーとスペシャルティコーヒーの違いを体験しました。 僕にはA)は明らかにクリーンさが落ちて、フィニッシュも切れが悪く、味にざらつきがありました。 B)はクリーンカップ、アシディティが良く、ボディ、スィートネス、フレーバーが秀でていました。
 ここで、クリーンカップ、スィートネス、アシディティ、ボディ、フレーバー、フィニッシュ、バランス、オーバーオール等に評価方法の説明をしました。

3)カッピングセッション(2)
 つぎに、べースとなるあまり癖の無いコーヒーに香りのエッセンスを垂らして、フレーバーの違いを体験しました。 最初はフルーティ、次にチョコレート、最後がワイニー。
 これは午前中の準備段階でかなり分かりやすい位の量を決めていました。 しかし、実際に皆さんの感想を聞いてみると、分かりづらかったようです。 チョコレートは簡単なようですが、フルーティ、ワイニーは慣れていないフレーバーのため、苦労したようです。 僕たちは半年一年の毎日のトレーニングによって、だいぶ鍛えられているようです。

4)カッピングセッション(3)
 最後はグアテマラの色々です。 日本の大手チェーン店のグアテマラを2つ、シアトル系コーヒーチェーン店のグアテマラ。 そしてカップオブエクセレンスのグアテマラ。
 これも良い比較になったと思います。 良質なアシディティがもたらす後味の良さ、ボディ、スィートネス、フレーバーの豊かさ、きれいなクリーンカップ、フィニッシュ。

 あとは質疑応答です。 最後は僕らが持ってきたコーヒーを持てるだけお土産にしてもらい、駅前のお寿司屋さんで懇親会。

 僕の感じたことは、やはり目の前に同じカップを用意して、同じコーヒーをカッピングしなければ、何も通じない! これですね。 だから実験的な第一回のセミナーで、場所も軽井沢という便のあまり良く無い場所でしたが、それにも関わらず熱心な方々が参加してくださり、とても有意義な会だったと思います。

 サンプルも色々と比較できましたし、普段は自分の感覚だけで結論してしまいますが、同じテーブルの人や我々の感じ方と比較できたのも参考になったと思います。 ただ、できるだけ多くのサンプルに接して欲しいとの思いから、ひとつひとつのコーヒーに関しての突っ込みは足らなかったと思います。 これらは次回からのテーマになるでしょう。

 プロの集まりだったので、焙煎機の問題、マーケティングの問題・・・質問につぐ質問であっという間でした。

《最高クラスのスペシャルティコーヒー、その最高!の魅力はどこからくるのか?》この答えは、《カッピング》によって判断される焙煎・焙煎機の適正、素材のクオリティ、そこにあると思います。 素材のクオリティはチェリーの完熟度合いがとても大切です。 未完塾実の混入割合が高いとボディ、スィートネス、フィニッシュ・・・に影響するのが少しカッピングで分かりかけてきました。 カッピングによって焙煎機の能力(カロリーの当たり具合、排気関係、冷却能力等)分かりかけてきました。 カッピングによって、焙煎の適正スピード、ピンポイントのロースティングポイント、どんどん正確になっています。

 しかし、まだまだこれからです。 今日、また新しいサンプルが到着しました。 明日はそのカッピングです。

2001年10月27日 坂本・ベラノッテ・孝文

 
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