週間コーヒーコラム106

がちんこカッピング in 千葉

 昨日(10/5)『coffee a go! go! 』http://www.pp.iij4u.or.jp/%7Ewolfmasa/index.shtml のウルフ片岡君と同じく独立予備軍コアラ田部井君が遊びにきました。

 二人が揃ったところで、「がちんこカッピング in 千葉」のはじまり・はじまり〜♪お題は〈ウガンダB/PB〉と〈それを使ったブレンド〉。

 これは、バグ郷さんがサンプルで手に入れたもので、「坂本さん、試してみて!」って、僕にも分けてくれました。

 生豆はピーベリーよりも少し大きく、小さいながらも良く締まった、何か良い予感がする、青い豆です。 焙煎は、特に難しいことは無く、素直に進行していきます。 深煎りにはいっても、まだまだいけそうで、ついつい我慢しちゃいました。 おっ! いい感じ!ってとこで、ザーっと釜からだします。 黒っぽい艶のある豆は、柔らかなそしてミルクチョコを思わせる香りをふわ〜っと、店中に漂わせています。

 では、カッピングのスタートです。 いつもは、ひとり孤独な作業ですが(まぁ、集中力がいるので、その方が好都合ですが・・・)今日は3人、お互いに感覚を〈がちんこ〉でぶつけあいます。

 お湯が沸いて、カッピンググラスを並べて、カッピングスプーンを取り出します。 僕が、粉に挽いて、グラスに入れます。 クンクン、ふむふむ、鼻息だけが聞こえます。 順番にドライ(粉)の状態で、香りを嗅ぎます。 はぁ〜、ふぅ〜、へぇ〜、言葉の前に得体のしれないため息? が漏れてきます。

 お湯を注いで、時間がきたら、泡を取り除いて、さぁ! 準備OK。 ピュ〜! ズゥー! シュ〜!(コーヒーを口中全体に吹き付ける音です)スペシャルティだね〜! はぁ〜、ふぅ〜、へぇ〜、ほぉ〜、あれぇ〜、すげぇ〜。 これじゃ、カッピングになりません。(へへ)

 クリーンさ、ボディ、アシディティ、フレーバー、フィニッシュ、スィートネス、バランス・・・それぞれがコメントしていきます。

 クリーン、ボディ、フィニッシュなどは、どの程度に評価するか? どんなプラス点マイナス点があるか? そのすり合わせ! になります。 これが、簡単そうで、各人の印象、好き嫌い、敏感さ、鈍感さ? があり、その為にも、時々このように同じカップを取って、トレーニングしてます。

 そうしないと、なかなかスペシャルティコーヒーと云っても、物差しが出来ないで、プレミアムコーヒーと区別ができません。(SCAAマイアミでの講座でも各人感じ方の違いがはっきりしました)

 さらに、ハードルが高いのが、フレーバー・アシディティです。 最近感じているのは「アシディティ」と「酸味」は全く別物! そんなことです。 「酸味」という言葉が頭にうかんだり・こびりついてると、う〜ん、「アシディティ」はとお〜いどっかにいっちゃうな〜! まだまだ、解決しないテーマですが・・・コーヒーの言葉から「酸味」が消えたら、なんか違う世界が見えてくるんじゃないかな? これ以上は言葉遊びになりそうで・・・止めときます。

 でも(しつこいかな?)魅力的なアシディティは、クリーンさ・ボディ・フィニッシュ・スィートネス・バランス・フレーバー・・・本当に全部に影響してますね〜!

 もひとつ、手強いのが、フレーバーですね。これも良いかおり、強いかおり、豊かな、ひろがる・・・これじゃせっかくのスペシャルティコーヒーが泣いてます。 しかし、お客様たちが楽しみで表現するのは、感じたまま! が楽しく素晴らしいですが、プロのカッピング評価のための表現になると・・・さぁ、困った。 我々仲間でも、感じたままに表現していると、どんどん相手に通じなくなってしまいます。 しかし、具体的な表現が大切ですし・・・。 チョコレート、フルーティ・・・この辺はわりと分かりやすいです。ワイニー・・・むずかしいですね〜、スパイシー・・・何のスパイスでしょうね〜。 おっと、がちんこカッピングが愚痴っぽくなってきました。


 そんな戸惑いのなか、試行錯誤トレーニングしてますが、丸山珈琲健ちゃんは、グアテマラ・ダニランディアをプロに皆さんに、10キロづつ14人の方に、グアテマラのトップクオリティを実際に体験してもらう為に、分けました。

 その感想反応がどんどん返ってきてるそうですが、その素晴らしさは分かっても、それをスタッフの皆さんやお客様にどうやって伝えたら良いのか? どうとらえたら良いのか? トップのスペシャルティコーヒーに接して、新たな課題が表面化しているようです。 じゃぁ、我々が一堂に会して練習しているように、そんな機会をつくろうよ!って、ことで、『スペシャルティ珈琲塾・第1回軽井沢セミナー、トップスペシャルティコーヒーのフレーバー体験、そしてコミニケーション』が企画されました。 詳しくは丸山珈琲HP http://homepage2.nifty.com/maruyamacoffee/をご覧下さい。(開催は、10/23(火)です。)


 おっと、横道に逸れました。

 で、この〈ウガンダB/PB〉が良かったんですね〜。 固く締まったその豆は深煎りにしても全くカロリーに負けることなく、爽やかなアシディティがボディの豊かさ、カップのクリーン・透明感、飽きのこない自然な甘さ、いつまでも心地よい余韻、切れの良さ・・・大活躍です。 フレーバーはミルクチョコを思わせる柔らかな香り、あとからフルーティさも感じます。

 そして、これがブレンドに使うと、さらにさらに生きてくるんですね〜! 脇役にまわって、ブレンドの印象がぐっと輝き・切れが良く・口当たりがソフトに・・・・。

 ただ、ちょっと、失敗もありました。煎り止めが、1℃?2℃? 深かったかな? 最初にビターを感じました、ただすぐに円やかな柔らかな印象がきたので、素材の強さ・可能性を感じましたが・・・。 でも、ブレンドに使うと却ってそれが威力発揮もしそうです。 その辺もチェックチェックですね! 楽しみ・楽しみ。

 そんなこと言ってたら、暗くなってきたので、ご飯を食べに行って、またまた夜は更けていったのです。(内容は男3人の与太話です)

では、また、来週!

2001年10月6日 坂本・がちんこ・孝文

 
Copy Right 1999 8
さかもとこーひー
メールはこちらから コラムの目次へ 先週のコラムへ 次のコラムへ トップページへ