週間コーヒーコラム104

今度は、ブレンドのバージョンアップ♪

 《ダニランディア》だ《ローレル農園》だと騒いできた最近ですが、今日(9/22)から3連休で、ちょっと余裕ができました。 と、云っても、もうすでに土曜日ですので、日曜日のアップ用に原稿書きが待っています。

 さぁ、何を書こうかな〜? と、「プロのつぶやき」のタイトルを振り返っていました。 な〜んか、マイアミだ〜、スペシャルティだ〜、グアテマラだ〜、そんなのばっかしですね〜!(ふふふふふ♪)

 その時その時で目の前のテーマを書いてますので、あらためてその突撃ぶりに、我ながら驚いてます。 う〜ん、その流れの中心に常にあるのが、《カッピング》なんです。

 僕は、もう27年以上喫茶の仕事をしていますが、最初から香りや味に対してあまり自信がありませんでした。 食いしん坊で大食漢で酒飲みで、、、関心は強いのですが、今でも時々感じますが、自分が感じていない香りや味を他の人が表現したり指摘したりして、ドキッドキッ、えっう〜ん、なるほど〜! なんて思うことが良くあります。 そんなコンプレックスを自分のなかに強く感じるものですから、フルーツの仕事や紅茶、ケーキ、あとは仕事を離れた食べ歩き、スコッチジンバーボンワイン日本酒などなどお酒、随分飲んだり本を読んだり、テイスティングの真似事をしたりしてました。 ハーブを庭に植えまくってたりして香りの違いをチェックしたりもしました。 兎に角感覚の問題なので、手応えが不安ですし、ひとの感覚も分かるようで良く分かりません。(そうですよね〜?)

 そんな気の遠くなるような時間が経って、この1年半年位《コーヒーのカッピング》なるものを、少し体系的に学べる環境になってきました。(ニコ♪ニコ♪) もちろん、今までも意識して自分なりにプロの味見? テイスティング? をしてきたのですが、どうもどこに焦点を当てたら良いのか? いまひとつ明確ではありませんでした。

 香りが良いね、フルーティだね、後味が良いね、コクがあるね、抜けてるね、焦げた匂いだね、甘みがあるね、酸味が重いね、良い苦みだね、焙けて無いね、そんな漠然とした印象でしか表現が出来なかったし、自分でもつかまえられませんでした。 非常に難しいテーマだと思い、だからこそ、ワインのセミナーに通ったり、日本酒の利き酒にふれて、何か取り入れられないか? 探っていました。 しかし、コーヒーのブラジル式の欠点チェック方式は違和感があって、あまり関心がありませんでした。 もっとコーヒーのプラスの魅力を捕らえて表現したかったのです。

 そして、《スペシャルティコーヒーのカッピング》を学ぶとその漠然とした焦点が、ドンピシャで決まってきます。 クリーンさ、フレーバー、アシディティ、ボディ、バランス、フィニッシュ、スィートネス、それぞれにピントを合わせると、全体の印象もきっちりとバランス良く見えてきました。

 そうすると、素材の長所短所、香りはどう良いか? 何が弱いか?、アシディティの質や量が全体のバランス、ボディ、スィートネス、フィニッシュ、フレーバー等にどう影響しているか? クリーンさ汚れはどうか? 収穫してからのコンデションはどうか? 鮮度は落ちていないか? 収穫時の完熟度合いはどうか? その後の精選・乾燥はどうか? セパレーションはどうか? ローストポイントは? ひとつひとつがくっきりと浮き彫りになってきます。

 さぁ、そこでです! ここまでが前振りです。(長いですね〜) そうなってくると、国連プロジェクト関係の豆でも、古くなったり、前年のロットと比べて質やコンデションが悪いと、気に入りません! ましてや、グアテマラのトップクオリティに親しんでしまうと、もうどんどん基準が厳しくなってしまいます。

  で、いきなり、結論ですが、「エチオピアブリ」と「モロベ」を止めました。 鮮度が落ちて、ちょっときびしいです。 じゃぁ、それらを使っていたブレンドは一体どうなるの???

 この辺のお客さんを一瞬忘れてしまう? 性急さ・激しさ・エキセントリックさ・せっかちさ、それが僕なんです、どうもすみません。(もっとも今まで、人気のあったストレート豆を止めたり、ブレンドが無くなったり、去年はあっという間に国連コーヒーばかりになったり、、、常連さんはいつものことと、思っているでしょうね!応援ご理解ありがとうございます♪)

 で、もう、一気にブレンドの作り直しです。 そこに登場します、新しい役者は「ケニア・ンディミ」「ベラ カルモナ」です。 ベラ カルモナは中煎りと深煎りに焙き分けてます。 最初に気になった刺激的な味わいもローストポイントの調整で見事に解消!(すません、「ベラ カルモナ」は単品では販売してません)

 そして、イメージとの競争です、、、この辺はカッピング技術が多少は上がっているようで、以前よりも格段にスピードアップ、どんどん基本的なブレンドが仕上がっていきます。

 半々で混ぜたり、そこからバランスを変えたり、新しく他の豆を加えたり、その割合を変えたり、、、メモは忘れないようにね!

 おっと、ひとつひとつの説明はもう少しお待ち下さい! 順番に書き換えていきます。 ただ、《同じ名前のブレンドはイメージも同じです。》味も香りもニュアンスは違ってきますが、目指す方向は同じなので、よろしくご理解ください。

 《よりソフト♪に、クリーン♪♪に、香り高く♪♪♪》このようにバージョンアップしてます。 親しんで頂いたブレンドの味わいに変化があると、常連さんはとまどうと思います。 しかし、全く同じ味わい香りは同じ豆を使っていても、維持することは出来ません。 それをしようとすると、そこそこのクオリティの豆を使って、曖昧なイメージで、ネガティブな要素を減らしていく・・・そんなレベルに落ち着いてしまいます。 これからも、より魅力的な素材との出会いを求めていきますので、急に無くなってしまう豆や変わってしまうブレンドが出てきます。

 しかし、目指すのは、より魅力的な印象的なスペシャルティコーヒーの世界です。 よろしくご理解、お願いします♪  では、最後にそんなバージョンアップしたブレンドはこちらです。

  • 「カフェ アトムの子」
  • 「特上フレンチ」
  • 「カフェタブロー」
  • 「茜ブレンド」
  • 「カフェエピス」
  • 「笑顔de珈琲」
  • 「みんなde珈琲」
  • 「カフェ潮騒」
  • 「特上ブレンド・秋」
  • 「カフェスパークル」

えっ? ほとんど、全部? どんな変わり様か見てやってください!(ふふふふふ♪)

では、また、来週!

2001年9月22日 坂本・カッピング・孝文

 
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