週間コーヒーコラム102

ダニランディアレポート、2

 9月4日のダニランディアデビューから1週間、「ダニランディア応援倶楽部」のみなさん、早速の凄まじい後押し! ありがとうございます♪  ダニランディア君の特徴は穏やかな包み込むようなキャラクターです。 際だっているのは、《クリーンさ》《スィートネス》です。 きれいなきれいな透明感のある口当たり、ふわ〜とあがってくるフルーティな感じやチョコレートな香り、じわ〜っと心地よい切れの良い甘み。 ケニアンディミちゃんの華やかな圧倒される香りと比べると対照的です。

 で、先週はテストローストまででした。 いよいよ、本番です、5キロ焙煎します。 2キロの時よりも火の当たり具合、カロリーの伝わり方が上手くいってます。 穏やかに無理無く焙けていってます。 さぁ、煎り止めです、おっと、ここで予定よりも1℃遅く煎り止めようと、どこからか? 指示がありました♪ 一瞬の判断です、おもに香りの変化ですね、ザ〜っと釜からだします。

 う〜ん(ニコ♪ニコ♪) さ・す・が! 香りが一気に豊かにひろがりました。 クリーン、スィートネス、フィニッシュ、ボディ、、、等々を演出しているアシディティ君のニュアンスの良さも一歩前進しました。 これで、ローストポイントの決定ですね。 あとは、またピンときたら遊んでみます。(でも、そんな在庫の余裕があるか?心配ですけど、、、)

 では、ちょっと宣伝です♪


『これは見逃さないで!グアテマラ・ダニランディアの世界』
やっぱり、オークションに参加して、競り落として、本当に良かった! そう健ちゃんと語り合った結論です。 今までのグアテマラのイメージが変わっちゃいました。

 ケニアとダニランディアでコーヒーの無限の可能性を感じました・タイプの違うふたつです。

グアテマラ・ダニランディア
1800円/500gパック
1200円/250gパック
 です。

(さかもとこーひーの割り当ては70キロ×5袋、多分2ヶ月分位でしょう、と、先週書きましたが、残念ですが、2ヶ月持たないペースです。ご了承ください。9/9)

ケニア・ンディミ
1500円/500gパック
1000円/250gパック
 です。

ご注文は今すぐ!こちらからどうぞ。
(発送は750gからです、(豆)か(粉)かお忘れなくお願いします。 2回目からのご注文はお名前と電話番号だけで結構です。)
*めいっぱい太っ腹価格です、世界最高峰品質グアテマラが360円100g当たり(500gパック)です。 もうみなさんに体験してもらいたい気持ちだけの値段です。


 ということで、ここからはちょっと固い情報になります。

《ダニランディア》はグアテマラ東部の伝統的なコーヒー栽培地Pueblo Nuevo Vi紡s, Santa Rosa にあります。

 標高は5000フィートと言いますから、約1500メートル位でしょうか。 温和な気候で、水洗式の精選方法、品種はカツアイ・ティピカ・ブルボンです。(このような産地ですので、僕がダニランディアの焙煎をそれほど強い深煎りにしなかったのも、穏やかな包まれるようなキャラクターなのも、わかるような気がします。 これが、2000メートルを超えるような標高、寒暖の差が厳しい気候の産地ですと、全く違うキャラクターになるでしょう。)

 養蜂もしています、ダニランディアの蜂蜜は地元の市場でとても人気があるようです。 なんか♪ いい感じですね、コーヒーが植わっていて、樹木に覆われて、花が咲き誇って、蜂蜜がとれて、、、、、。

 そして、農園のオーナーは90ヘクタールほどの多種多様な樹木の生い茂った森を保有しています。 その中にはコーヒーの木を強い日差しから守るシェードツリーに使われる樹木もあるようです。 そんな土地ですから、森の中にはおびただしい数の湧き水があって、農園に豊かできれいな清水を供給しているそうです。

 どうしても行きたくなる美しそうな農園ですね〜!

次はもっと固い話しです、興味にある方だけご覧ください。 この資料はすでに有名な軽井沢・ダニランディアゲット・丸山珈琲に送られてきたものです。 丸山健ちゃんが僕宛に、使ってください、と送ってくれましたので、みなさんにご紹介します。

《カップ・オブ・エクセレンスとは何でしょうか。》

 低迷するコーヒー国際相場の中で、コーヒーの品質低下が大きな問題となっています。 素晴らしい風味の美味しいコーヒーを求める消費者の要望に応えるために、同時に、意欲のある生産者の努力に報いるため、「カップ・オブ・エクセレンス」と言う名前の新しいプロジェクトが、欧米市場の要望で1998年に発足しました。 「素晴らしい風味の美味しいコーヒー」とはどのようにして認定されるのでしょうか。 実は、この評価の仕方が最も難しい作業です。 何故ならば、今までの伝統的な品質評価のやり方は、 臭いの欠点チェックが主な作業です。 臭いの悪さは見つけられても、美味しさ、素晴らしさは 評価の対象になっていません。 コーヒー生産国で歴史的に行われてきた品質評価方式とは、実は欠点のチェックが主な対象です。 そこで、「カップ・オブ・エクセレンス」のプロジェクトでは、先ず、美味しさ素晴らしさを評価する為の新しい評価基準を導入することから始めました。 欧米の品質評価専門家を中心に「国際審査員」が選出され、「素晴らしい美味しいコーヒーとは、どんな風味のコーヒーか」が、コーヒー生産者に明確に示されてから、意欲有る生産者は、栽培・収穫・処理の仕方を工夫し、素晴らしいコーヒーが少しづつですが、生産されるようになりました。 このプロジェクトの下、高品質のコーヒーだけを対象にした「品評会・コンテスト」が実施されます。 コンテストで上位入賞を果たしたコーヒーは「カップ・オブ・エクセレンスの称号」が授与されます。 称号を授与されたコーヒーが「インターネット国際オークション」に掛けられます。

《高品質コーヒーに対する報奨》

 カップ・オブ・エクセレンスのコンテスト・オークションプログラムの目標は、高品質コーヒーの生産者を見つけ出し、褒賞を与えることです。 認定書とかトロフィーを授与するだけでなく、素晴らしい価値があるコーヒーには、オークションを通じ高いプレミアムを生産者に与えることなのです。 最上のコーヒーに値すると国際品質コンテストが認め、カップ・オブ・エクセレンスの称号を授与されたコーヒーの個々の生産者に対し、このプレミアムは直接支払われます。 コーヒーのカップの風味の素晴らしさが、国際品質コンテストの結果となります。 政治的な配慮とか、人種・性別とか、農園の大きさ等は一切関係無く、極めて公正なものです。 事実、コンテストで勝ったコーヒーは、非常に零細な農園からも、大農園からも、農園主は男性も女性もあり、多くの異なった地域から出ています。 地域的な先入観が全くコンテストに影響力を持たないことは、コンテストの結果が証明しています。

 国際審査員は推薦により選出され、彼らの品質評価の専門的技術は、コーヒーのあらゆる香り、あらゆる花の香りを思わせる特徴や、風味の特性を評価し、完全に熟したチェリーを丁寧に処理したコーヒーだけが醸し出せる甘味を探求します。 コンテストでの最高のコーヒーはインターネット・オークションを通じて市場に出されます。 コーヒーの実需は好みのコーヒーを選び買い付けます。 実需はコーヒーを生産国で探し回る事をしなくても、素晴らしいコーヒーを生産する努力は、真摯で厳正な方式で認められ実を結ぶ事を認識しコンテストの結果に注目すれば良いのです。 インターネット・オークションに掛けられるコーヒーは資金的報償を得る事ができるのです。

 コンテストに勝った生産者は、それぞれが自分たちのコーヒーを別々に販売し、オークションでの価格からオークションの経費を差し引き代金を受領します。 コンテストで栄誉の称号と褒賞をうける事が生産者を鼓舞し、コーヒーの勝者となるために必要な努力を開始させ継続させるのです。 本当の高品質のコーヒーにとっては、オークションの成功こそが、生産者の経済面での維持・持続を実現する道なのです。

 高品質のコーヒーを求める消費者を持つスペシャルティコーヒーロースターの将来にとっては、素晴らしいコーヒーを探し求める事が極めて重要な課題です。 従来の経緯を見ると、ユニークさを持つ素晴らしいコーヒーを探し出す事は容易ではありません。 従前は、素晴らしいコーヒーが他のロットに混ぜられユニークさが薄められたり、農協や輸出業者の既存客への優遇策で、特性を生かせず埋没していました。

 カップオブエクセレンス・プログラムは、生産者とロースターとの間を切り開き、両者の関係を強固にします。 このプログラムは、両者の長期的連携関係を発展させる可能性を作り上げます。 マーケッティング・ラベルは移り変わっても、素晴らしいコーヒーの探求の継続と、素晴らしいコーヒーを褒賞する事が、「カップオブエクセレンス」を評価する人達を力づけ生命を与えるのです。 以上、ご紹介します。

 そして、以下の文章が6月に僕が書いたものです。


「棚から鷲づかみ、番外編」
 ここからは、業界向けの話しなので、別枠にしました。 一般のお客様には良く分からない内容だと思いますので。

 6月6日の深夜(日本時間)にSCAA http://www.scaa.org/ とAnacafe http://www.guatemalancoffees.com/ によるインターネットオークション「Guatemala - Cup of Excellence 」が行われました。 このオークションに対して、僕には賛成と反対の考えが届いています。 反対な方の意見をまとめると、「相場に対して高すぎる値段だ」今回は日本の会社が15ロット中9ロット取っているので、「日本が法外な値段で落として、海外からひんしゅくをかう」「SCAAのキャンペーンにうまく乗せられただけだ」「そんなに大した豆じゃ無い」、、、まだあるでしょうけれどこんな感じです。

 では、僕の考えを云います。

 まず、スペシャルティコーヒーのマーケットが大きくなっていること、その品質に叶う産地が限られていること、相場が下がりすぎて産地の方々が意欲を失っていること、生産や生活に困るほどであること、スペシャルティコーヒーの基準を理解している産地が少ないこと、スペシャルティコーヒーの基準に叶うノウハウが普及していないこと、、、、 正確では無いかもしれませんが、今このような状況を知ってきました。

 その上でのオークション、コンペティションです。

  • まず、一瞬で世界中に低コストでキャンペーンをはれて、情報発信できます、スペシャルティコーヒーの存在自体を広められます。(実際、日本の小さな自家焙煎店がこんなこと書いてます)
  • 産地のモチベーション、モラールアップをはかれます。 品質アップすれば、プレミアムを払って購入するコーヒー屋が世界中にいる、ということですね。(このプレミアムは産地に払う、ということです)
  • そこを突破口にしてスペシャルティコーヒーの基準やスキルを広められます。 栽培、どのタイミングで摘み取るか、その後何時間で精選行程に移るか、精選乾燥のノウハウ、、、、産地に情報技術をひろめます。 産地の方々にカッピングの技術をひろめることも大切です。(ラテン系の常識はかなりいい加減のようで、品質アップするためには基準をひとつひとつクリアーすることが大切で、その普及が大変に難しいようです)  日本の本の多くに書いてあることは何十年前の情報やまた書きで、特にスペシャルティコーヒーの生産方法は毎年のように改良されているので、全く見当違いのようです。(3年前の情報が通じないこともあるらしい)
  • それによって、スペシャルティコーヒーの供給量、質をアップできて、産地の経済を改善できる可能性が出てきます。 SCAAとしてはビジネスとしてマーケットを広げる為には、質も量もアップしないと、限られた素材の奪い合いになってしまいます。(我々日本の自家焙煎店がスペシャルティコーヒーを扱おうと思った時、果たして我々はそのような素材を手に出来るだろうか?不安でした)

 というようにこのオークションというたったひとつの仕組みには多くのメリットが同時に短時間で低コストでかなえられる可能性があります。

 勿論、その背景には地道な普及活動がひつようなのは当然ですが、競争コンペティションがあると注目度アップするのは、スポーツ、芸能、商売、なんでも一緒ですね。

 簡単にまとめるとこんなところですが、僕はもう少しメリットを感じてます。

 グアテマラにとっては世界中のスペシャルティコーヒーに関心のある会社に向こうから手をあげてもらい、それが重要なビジネスチャンスになります。 スペシャルティコーヒーに関心のある会社はやる気のある産地農園情報を手にいれられます。 グアテマラにとってもスペシャルティコーヒーを必要としている世界中のコーヒー会社をピックアップすることは大きなコストを必要とするでしょうし、コーヒー会社にしても優秀な産地を探すことは大変なことです。

 しかも、その情報はブラックボックスに隠されていましたから、、、、。 オープンでフェアーな、時代にあった仕組みになりそうです。 それはSCAAに参加して感じてきました。

2001年6月9日 坂本孝文


 そして、今、毎日、《カップオブエクセレンス・ダニランディア》を焙煎して、さかもとこーひー応援倶楽部のみなさんにお届けしています。応援、本当にありがとうございます、感謝しています♪

 では、また、来週!

 2001年9月9日 坂本・ダニランディア・孝文

 
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