●タンザニア連合共和国、1961年独立、首都はダルエスサラーム、人口2500万人。
●地形は「インド洋側の海岸地帯」「中央高地」「湖水地帯」「山岳地帯」に分類できます。ケニアとの国境に近い巨峰キリマンジャロ(5895m)のスロープはコーヒーの栽培に最適です。気候は「サバナ・ステップ気候」です。北部の主要コーヒー生産地帯は主にサバナ気候になります。「サバナ気候」熱帯は年間を通して気温が高く、年較差は日較差より小さい。サバナ気候は明瞭な雨季と乾季がみられます。サバナとは丈の長い熱帯草原のことで、疎林も点在します。「ステップ気候」砂漠の周辺で、年降水量が250〜500mmと少ない乾燥地帯で、ステップと呼ばれる丈の短い草原が広がっています。弱い雨季に鋭いトゲを持つ植物や葉の極めて細い短草が生育します。土壌は栗色土や腐植に富む肥沃な黒色土が分布しています。
●キリマンジャロと呼ばれるタンザニアを代表する水洗式のアラビカ種コーヒーは、キリマンジャロ山の麓のモシ市を中心とする山岳草原地帯で産出されます。
●タンザニアのコーヒー生産は小農民に支えられているそうで、大農場(外国人や村の所有するエステート)の生産量は1割に満たず、その豆のほとんどが1ha程度の小農家の畑において生産されているそうです。
●他にもアラビカ生産地は、北部のメル山麓のオルデアニ、北東部のウサンバラ、南部高原のルンゲ、ボシなどがあります。
●ビクトリア湖西部のブコバはロブスタ生産地です。
タンザニア アデラ AA (2000年11月)
テイラーウィンチ(TAYLOR WINCH)社のトップブランドで、マザオ(MAZAO)のスノートップに対する一方の横綱格のコーヒーです。
●アデラの名前はコーヒー農園主の美しいご夫人の名前を冠したと言われ、バランスの良いグラマー(ボディ、醇)のあるビューティフル(美しい)味を、その女性とダブらせたらしい、とのことです。外国では良く見受けられるそうで、妻や娘の名前をブランド名に使うようです。
●そんな説明のあるアデラですが、タンザニアのアルーシャ地区(キリマンジャロ山の南西山麓)の海抜1600メーターの高地にあるブルカ農園(BURKA ESTATE)で生産された豆を使い、規格が作られています。
●ブルカ農園の生産品種はティピカ、ブルボン、ケント、ゲイレャ種で良質の甘味を有し、酸と豊潤な香りと醇のバランスの良さに特徴があります。単品としての完成度が高く、その上品な味わいはどなたにもお勧めできるコーヒーです。
●下のスノートップの説明の中にアデラは少し雑な味わい、としていますが、今回別のルートで来たアデラはソフトで醇という説明が納得の品質で、気に入りました。2000年夏前後からスノートップの味わいに雑さ、生硬さを感じて困っていました。こんな質のままなら止めようとまで考えていましたが、親しくなった輸入担当の方のお勧めでこの「アデラ」をサンプル焙煎したところ、以前使ったアデラのイメージとは違って、私のやる気を引き出す豆でした。
●同じ名前のアデラやスノートップでも、上物もあればぎりぎり規格に滑り込むレベルの物もあるということです。輸入を担当する方や会社の能力、情熱、信用等によって実際に手にする珈琲豆の品質に差が出てしまうのです。欧米の企業がリジェクト(拒絶、退ける)した残り物ならばよりいっそう質の低い豆になってしまいますね、そんな事を考え、じゃぁ何が出来るか?私の大きなテーマです。
タンザニア スノートップ AA
キリマンジャロ山のアルシャ地方の高地だけに極少量産出するコーヒーで普通のキリマンジャロAAグレードと区別する為にキリマンジャロの山頂を覆う万年雪から「スノートップ」と名付けられたと問屋さんの資料にあります。
●一般的にタンザニアの高級品はAAと云われますが、これはサイズの区別なので、同じAAでも味の良否はカップテストによらないと分かりません。
(サイズで AA、A、B、C、と分かれる)
●当店で開店以来使用してきたタンザニア キリマンジャロはキボー、マウェンジ、スノートップ、アデラの4種類です。これらはキリマンジャロAAのなかでも差別化の為か銘柄をつけたプレミアム豆です。
●しかし、品質を保証する銘柄品でも年毎に質は揺れ動きます。これらクオリティ生豆はカップテストで評価をした豆で、FAQ(Fair Average Quality)以上のものをAA+、++というようにコーヒー公社が評価しているそうです。因みに私の経験では、キボーは5、6年前には使える豆がありました。
この何年かは見るたびに使えません。マウェンジが今までで一番気に入ってます。豆が豊かでコク香りとも満足でした、が最近3年程入荷してません。今はスノートップを使ってます。これも良い豆ですがマウェンジに比べると上品というか大人しい味わいです。この辺は好みかもしれません。スノートップが入らない時はアデラを使いましたが私の印象では少し雑な味わいです。勿論キリマンジャロの中では高品質な豆ですがどうしてもより良いものと比べてしまいます。
(キボーとマウェンジはキリマンジャロ峰の二つの峰の名前と聞きました)
特徴、感想 他
当店には中煎りの「キリマンジャロ」「ダブル キリマン」深煎りの「深煎りキリマン」と3種類のタンザニア キリマンジャロがあります。
●今回は「キリマンジャロ」です。昔から有名なコーヒーで、よく酸味のコーヒーだといわれました。そのイメージでキリマン好きな方と嫌いな方といらっしゃいます。当店での人気は中くらいで、私がこのコーヒーを売ることにあまり熱心でないからかもしれません。
●この中煎りのキリマンジャロは酸味が消えかかる程度まで焙煎して、キリマンジャロ特有のドライフルーツを思わせる高い香りとコクのある味わいを出しています。この個性が好きな方にはシグリでは満足できないようです。苦手な方はシグリのほうがお気に入りになっています。
●酸味をコントロールしていますので、それ程酸っぱいことはありませんが、酸味に対する感受性の差により酸っぱく感じる方と全く酸っぱく無いと云う方に分かれます。次回にご紹介する深煎りキリマンがこれの3倍程の人気で、Wキリマン(キリマンと深キリマンのブレンド)は2倍程出ます。この辺から、当店のお客様のお好みが窺えます。
●こんな書き方をしていては益々売れなくなりそうで、心配ですがブレンドには大活躍です。特上ブレンド春、Wキリマン、パラディ、あれっ?3種類か!でも、無くてはならない豆です。
●年々キリマンの質が芳しく無くなっているのが気がかりです。
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