マーケティングについて
では、「当店の焙煎について」が一段落した今回は基本に戻って「マーケティング」の話しをします。
マーケティングと云うと良く聞くようで、じゃ何を意味しているのか分からない、或はマーケッターなどと云うトレンディーだのなんだのと云う何か一発屋的な胡散臭いイメージにも繋がります。人によってはそんなカタカナよりもお客様を大切にすることが一番だと云うでしょう。良いものを作っていれば分かる人は分ってくれるという考えもあるでしょう。自家焙煎という小さな商いにはあまり関係が無いのではとも思います。しかし、そうじゃないと私は今考えています。
私は理屈っぽい性格なので、「マーケティングとはどう考えれば良いのか」答えを探してきました。
まず、マーケットのingですので「マーケットする」じゃ分からない。市場を調べる、分析するといったところでしょうか。もう少し進むと「自店の市場を調べる、自店のお客様を知る」となりそうです。
昔読んだ本には、「商品開発をする為の市場調査をすること」「販促活動をすること」とありました。次に勉強すると、「お客様に来店してもらう為の心理分析、その業種、業態、商品についての調査、分析をして店舗の発展を促すこと全体を云う」とありました。そして、ミクロな自店や取り扱い商品の分析だけでなく、マクロな目での日本全体の同業種、同業態の動向を知り、その地域の特殊性をつかむことも大切だとありました。
確かにその通りでしょうが、大企業やチェーン店向けに感じられ、こんな小さな店ではじゃどうすると具体的な方法に繋がりません。もっと、お客様を増やすには、売上を上げるにはどうしたら良いのか?思考錯誤を続けると分かり易い言葉に出合いました。
マーケティングとは「そのお店に必要な、相性の良い、これからお客様になりそうな人と出会うこと、出合い方」なんだそうです。硬い言葉で云うと「見込み客、新規客の集客」味気ないですが、、、。
これなら大きな店も小さな店も共通のテーマです。
ここからは私が進めてきた考えです。
当店のコーヒーは誰でもが必要としているものではありません。しかし、何年もうちのコーヒーしか飲まない、飲めないお客様も大勢いらっしゃいます。そんなコーヒーを販売する私は当店のコーヒーと相性の良い、まだ当店と出合っていない将来のお客様と無駄無く知り合って、私の考える、提供できるコーヒーの魅力を思う存分に楽しんで欲しいのです。
当店は不特定多数の方を対象とはしていません。焙煎量にも限りがあります。私を必要としてくれる特定多数のお客様と「どうやって知り合うか」、「どうやって私の焙煎する豆の魅力を伝えるか」その方法が私のマーケティング手法です。
もう少し突っ込むと、当店の将来のお客様と知り合い、私や当店のことを少しづつ知ってもらい、仲良くなり、コーヒーの魅力に嵌まり、うちの豆を買いつづけていただく、そんな仕組み作り全体を考えています。その結果、お客様が増え、多くの方に「コーヒーの香りがふぁ〜っと部屋中にひろがる生活」を楽しんでもらい、利益がでたら還元して「もっと美味しく、楽しい、便利で安い店」になりさらに喜んでいただく、、、となりますし、既に7年前に比べてそのようになってます。
そして、私はコストの高いチラシやその他の宣伝広告にお金を使いませんので、お客様のご紹介、口コミによって毎年新しいお客様に出合っています。ですからとても恵まれた状況に居る訳ですが、その余ったコストを豆の仕入れや送料のサービス、コーヒーの割引に無理無く使えるのです。最近はそれだけじゃ味気ないのでホームページを開設して、こうしてより多くの人とコミニケーションをとり易くし、楽しんでもいますし、以前に比べて私の情報をスムースに出せるようになりました。今は新しいコミニケーションツールのデザインを依頼しています。
こうなると、コーヒーを中心にして生活がわくわく楽しくなる方法がいろいろと実現できます。「今度はどうやってお客様に喜んでもらうか」これを考えれば、そのまま私のマーケティング手法になります。
決してマーケティングは価値以上に見せて何とか売ってしまえなんてもので無いし、流行りのうちに儲けろでもありません。また、「良いものを作っていれば分かる人は分ってくれる」というのも良心的なようでとても思いあがった考えだと思いますし、現実的にはそんな考えで通用するほど商売もお客様も甘くありません、単なる幻想か傲慢さの裏返しです。
「お客様と共に楽しむ、コミニケーションの上手な取り方」が私のマーケティングです。
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