プロのつぶやき

    週間コーヒーコラム286

Hines Public Market Coffee

通い詰めたシアトルのカフェ

4年前にはじめてマイアミのSCAA大会へ行った時に、わずか1泊ですがシアトルへ足を伸ばして《スタバの1号店》と《ヴィバーチェ》を訪ねました。あれから、アナハイム、ボストン、アトランタを経て今回のシアトル大会です。SCAA大会やバリスタ選手権、生産者の方々とのコミニケーションといくつかの目的がありましたが・・・何と云っても、シアトルスタイルと云われる程のカフェの街です。この4年間毎年アメリカの有名店を訪ねて、経験を重ね、自分で使う素材もレベルアップしましたし、焙煎、ブレンドも少しずつ変わってきています。その上で、シアトルのカフェ巡りをして、果たしてどんな印象、刺激を受けるかとっても楽しみでした。素材、焙煎、ブレンド、エスプレッソ、ラテ、カプチーノ、色々と勉強したいと思いました。

午前中をメインにして、空いた時間を見つけては有名どころのカフェからまわっていきました。《スタバの1号店》は相変わらず良い雰囲気でした。《ヴィバーチェ》も《カフェヴィタ》《ゾッカ》もそれぞれ羨ましいほど、地元のお客様に愛されていることが伝わってきて、賑わっていました。インデペンデント系と云われるチェーン店では無いカフェが、それぞれお客様や雰囲気、味わいが違っても、その土地土地で必要とされて繁盛しているのを見ると・・・20代の若い時に夢見たお店を現実に見る思いがしました。自分の納得のいく美味しいコーヒーや紅茶を気軽に手頃な価格で地域のみなさんに毎日楽しんでもらいたい、そこにお菓子やサンドイッチもあって、朝昼晩と賑わっている喫茶店、そんなことを理想と思っていました。

そんなことをしみじみと感じながら・・・3日間通い詰めたカフェが《Hines Public Market Coffee》なんです。まだ開店して3年程ですが・・・2004年のUSバリスタ選手権で優勝したブロンウェンさんがいるお店で、共同経営者のジョン・ホーネルさんは去年アトランタでのあるパーティでご一緒していて、バリスタ歴20年以上の有名な方、ロースターのジョン・サンダースさんもスペシャルティーコーヒー界では有名な方です。そんな《ハインズコーヒー》は手作りしたお店そのもの(もっともロスガトスもインテリジェンシアもゾッカもスタバの1号店もみんな手作り感覚の質素だけどとっても魅力的な良い雰囲気のお店です)で、だけれども焙煎機やエスプレッソマシン、コーヒーはとびっきり!って感じです。

3日間も通い詰めるほど気に入ったのは、うちがまさにガレージロースターでなんだか親しみを感じてしまったのもありますが・・・メニューも無くて、ドリップコーヒーは2種類、なんと《ただ》で自分でポットからマグカップに注いで飲むスタイル(みなさん横の瓶にチップ入れてますけどね)、エスプレッソ、カプチーノ、ラテ、マキアートと色々と飲みたかったこと、混雑するほどでは無いけどお客さんが途切れない心地よさ、ある日はお店の片隅にバリスタが集まってみんなでトレーニングしているし、豆をお願いしたら、なんだかザクッとスコップですくって大雑把だし・・・そんな全てに浸ってみたくなったしまったんです。

そして、肝心のコーヒーは・・・最初にエスプレッソとラテを飲んでいたら・・・ハウスブレンドうめ〜!っと声が聞こえて・・・どれどれと《ただ》のコーヒーを飲んだら・・・これが、少し深煎りなんだけど、明るくて爽やかな素晴らしいコーヒーだったんです。シアトルの他のカフェとは明らかに違う魅力で・・・素材も目指している魅力も我々と相通じるものを一瞬で感じました。おぉ!なるほど、これよこれ、ってな感じです。

去年までは、お手本を求めて探していたところがありますが・・・気がついたら、アメリカのスペシャルティーコーヒーの全体像が段々見えてきたみたいで・・・自分達の使っている素材レベルや焙煎、ブレンドのスキル、目指している魅力、方向が冷静に把握できてきたみたいです。今回の収穫のひとつですね。なんだかとっても心地よく、これから頑張れるような心持ちになれた《シアトル珈琲の旅2005》でした。

では、また・・・。

 

【ヘクレイヨ農園】残り少なくなりました。【ミモザカフェ】とともにお楽しみください。
あと1週間で終わりそうです。

*GWは、土日だけお休みして、5/3(火)〜5(木)を営業します。
 さかもとこーひーでゆっくりお寛ぎください♪

 

【何を買ったら良いのか?お勧めは?その他ご質問等お気軽にメールしてください、お待ちしてます。】

【お願い】
冷凍保存した豆を取り出したら、何よりも直ぐに!!袋を元の冷凍庫に戻してください。
冷凍、解凍の繰り返しは劣化を早めます。ジッパー付き袋をその為に使っています。

《コーヒーはフルーツだ!》

2005年5月1日 坂本・丁寧な暮らし・孝文

 

 
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