プロのつぶやき

    週間コーヒーコラム163

エントランス

ハウスブレンドとアトムの子のテーマ

じつは、黙っていましたが・・・長いこと僕の前に立ちはだかっていたテーマがあります。もう何年も前から・・・いえいえ、開店したころから、何度も何度も繰り返したくさんのお客様から、云われ続けてきました。

「私、普通のコーヒーで良いんですけど・・・。」「私はあんまりコーヒーに詳しくないんで、ブレンド下さい。」「苦くなくて、酸っぱくなくて・・・美味しいコーヒーって、どのコーヒーですか?」「こだわらないので、どれが良いですか?」・・・きっと余所のコーヒー屋さんでも、同じような質問を受けているんでしょうね。これが苦手で・・・上手い答えがだせなかったんです。どうもすみません。
ついつい、フレーバーがどうしたこうした・・・味わいのなんたらこうたら・・・お好みのあれそれ・・・そのうえ、スペシャルティがそんなこんな・・・僕の強みでもあり、弱点でもあります。こまったもんです。

そうは云っても、努力もしているんですよ。その結果がアトムの子、カフェヴィータ、カフェコージーという3種類の味わいです。これが、親切な部分でもあり・・・余計分かりにくいことにもなってしまい・・・反省材料でした。またまた、すみません。

だから、長いこと・・・開店いらい9年以上も【ハウスブレンド】を発売できなかったんです。

どうも、イメージ出来なかったんです。だって、《普通》って何?どんな魅力?美味しくしようと思って、あれこれやっているんだから・・・普通って・・・。

おぉ、いけないいけない、愚痴がいつまでも続いてしまいますね。

で、やっと、イメージの答えが出たんです。で、分かったんです・・・素材に満足がいかなかった・・・問題があったから・・・普通の美味しさのイメージがわかなかったんだ!と・・・。

今年1年で、去年よりもさらに素材のクオリティアップがすすみ・・・カッピングの向上によって、焙煎の進化も果たせました。薄皮を一枚一枚はがすように、少しずつ少しずつ魅力を発揮してきました。

そうなると、普通のコーヒーの魅力が見えてきたんです。ブレンド作りをすすめると、無意識のうちにどんどん《華やかなフレーバー》《滑らかな感触》《心地よい余韻》《爽やかな印象》《魅力的なスィートネス》・・・そんな方向に突き進んでしまいます。それらを、出過ぎないように押さえて・・・『気にならない普通のコーヒー』『苦く無い、酸っぱく無いコーヒー』『誰でもが素直に飲めるコーヒー』『取りあえずのさかもとこーひーのコーヒー』が出来ました。さかもとこーひーの《普通のブレンド》です。今も、ここにありますが、無意識に飲めますね。

【ハウスブレンド】
  900円/500gパック
  600円/250gパック

使ったコーヒーは、ブラジルとグアテマラです。このブレンドを毎年少しづつクオリティアップすることが、大切なテーマになりました。基本的な美味しさのデザインを変えることなく・・・使える素材の向上によって、毎年すこしずつ美味しくすることが・・・他の《旬・瞬》コーヒーや定番コーヒーのレベルアップにも、つながると思っています。そんな、美味しすぎないコーヒーです。(なんじゃそりゃ!)

そんな、クオリティアップ、レベルアップのお話しの続きですが・・・さかもとこーひーのエース『アトムの子』も大きな壁にぶちあたってしまいました。このアトムの子は、深煎りの定番コーヒーの基準になっているのは、みなさんお分かりだと思います。このコーヒーが美味しくならないと、カフェタブローや茜ブレンドといったさかもとこーひーを支える人気定番コーヒーの進化はあり得ませんよね。味作りのバックボーンになっているんですね。

で、今年も春と夏に2回、大はばにアトムの子の素材の入れ替えをしました。じつは、ひっそりと変えているんです。常連さんには、気が付いて、評価してくださった方がいらっしゃいましたが・・・。それは、同じ産地の素材でも、年々変化していますし、おかげさまで、色々な素材にも出会うチャンスが増えてきましたし、焙煎もブレンド技術も進んできていますので・・・必死になって、アトムの子のクオリティアップに挑んでいるんですね。今は、グアテマラがメインになって、かなり満足しています。何が違うか・・・クリーンさも、マウスフィールの心地よさも、スィートな印象も勿論ですが・・・何よりも、グアテマラ特有の華やかなフレーバーが、他の素材には無い魅力を発揮しています。それで、そこから、さらに可能性がひらけてきたんです。

まぁ、そういうことです・・・が・・・気が付くと、大きな大きな壁があらわれてきました・・・値段です。すでに、これ以上のクオリティアップには無理があるところまできていたんです。アトムの子に使える素材のクオリティが、すでに、限界をこえてしまっていたんです。じゃぁ、ここで立ち止まるか?・・・いいじゃないか!このままで・・・じゅうぶんにおいしいし、人気はあるし、値段も安いし・・・しかし、僕にはそんな発想は全くありません。さらに進むだけですよね、どうでしょうか?・・・さかもとこーひーのお客様たちは、どうだろう?・・・ちょっと考えてしまいます・・・でも、すぐに、結論をだしましたよ。迷う柄じゃないので・・・クオリティの結果をだすことで、理解を得よう!そういうことですので、よろしくお願いします。

*2003年1月のお届けから、

【アトムの子】
   1200円/500gパック
   800円/250gパック

になります、恐縮ですが、よろしくご理解ください。

それに繋がって、こちらも、2003年1月のお届けから、

【はじめましてAセット】
  1800円(アトムの子、カフェヴィータ、カフェコージー各250g)

になります、よろしくお願いします。
これで、まだまだ、アトムの子の可能性にチャレンジできます。どんな素晴らしい素材があって、それを使うと、どこまで魅力的になるのか?・・・それを実現するのは、僕、プロの役割ですよね。みなさんの、まだ見ぬアトムの子の魅力をお届けしますね。それによって、他の定番ブレンドもどんどん進化できます。2003年の《旬・瞬》さかもとこーひーに、ご期待くださいね。う〜〜ん、ワクワクしてきました。

では、また、来週。
 

《ニコニコほのぼのワクワクな、
  《旬・瞬》珈琲をお届けしています♪》

 

2002年12月1日 坂本・ハウスブレンド・孝文

 

 
Copy Right 2002
さかもとこーひー
メールはこちらから コラムの目次へ 先週のコラムへ 次のコラムへ トップページへ