昔 プリン
●エピソード
私が若干19歳、喫茶業界に入って初めて憶えたお菓子です。レシピは何も変えてません。しっかりカラメルを焦がし、卵、牛乳、砂糖だけで蒸し焼きにしたカスタードプリンの美味しさです。
それだけでは、なあ〜んだと云われそうなので、少し自慢します。
通常、プリンの作り方のポイントは(茶碗蒸でも同じですが)「す」が入らないように、滑らかにきれいに仕上げることです。色々な本や、有名シェフのレシピを見ましたが、生クリームを加えたり果物を入れたりデコレーションで飾ったり、まぁ、そんなところです。私は16年前(20代の終わりに)美味しいプリンを食べたくて、グゥーっと集中しました。よしっ!と出来たのは火の通し加減をグラデーションにすることです。まわりの部分はしっかり焼いて、中心部分は柔らかく滑らかに火を入れます。食べると、プリンのコクのあるしっかりした美味しさが口の中いっぱいにひろがり、次の瞬間、すっと消えてしまう。もうひと口、もうひと口、、、あ〜終わっちゃった!
このイメージが浮かんだ時に、私は味の世界でやっていけそうな気がして来ました。そんな思い出深い、誰にでも喜んでもらえる美味しさのプリンです。
●材料、、、プリン型 6ケ分
(1)上白糖、、、50g位
水、、、、、少々(10〜20cc)
(2)全卵、、、、3ケ
グラニュー糖、、、90g
牛乳、、、、、400cc
バニラエッセンス、、必要なら少々
●温度 160〜180℃、、、10分
140〜160℃、、、5〜10分
●手順
- プリン型を用意して、カラメルを作ります。油っけの無いフライパンか手鍋に上白糖を入れ中火で混ぜながら熱していきます。最後に入れる少しの水も用意しておいてください。
- 砂糖が溶けて、泡立ち焦げてきますが、しっかり焦がして下さい。私は泡の色と臭いの変化でタイミングをみます。
- 焦げ臭くなる前に火から下ろし、水少々を入れます。濡れ布巾に鍋の底をつけるのも良いです。
- 手早くカラメルをプリン型の底にスプーンですくって入れます。
- オーブンを始めの温度よりも20℃位高めで予熱します。
- 牛乳を50℃位に温め、グラニュー糖を入れ溶かします。
- 卵を泡立てないように、切るようにほぐし混ぜます。
- (F)の牛乳を卵に入れて、1回漉します。
- 必要ならバニラエッセンスを少量入れます。
- すぐに、プリンカップに移し入れて、天板に沸騰したお湯を張り、オーブンに入れます。(表面の泡を取ります)
- 20分位で出来あがる温度設定を基準にします。始めはやや高め(10℃位)の温度で10分間、しっかりと熱を加えます。まわりがやや固まったら、20℃位温度を下げて、中心部をゆっくりと固めます。
- 表面の真ん中がややゆるい位で出来あがりです。室温まで冷めたら、冷蔵庫で冷やしてはい、どうぞ!
●ポイント
カラメルの焦がし加減ひとつで印象が変わります。私の好みはしっかりと焦がして大人好みにします。苦味と優しい甘味のバランスが飽きのこない、いつの時代も人気のあるデザートのポイントでしょう。
まわりの部分は「す」が入るのを恐れずに、しっかりと焼いてください。ゆっくり焼くとメリハリの無い、しつこい味わいになります。後半の10分は温度を下げてゆっくりと焼いていきます。(全部で20分以内がオーブンに入れておく時間の目安です)
慣れたレシピがあったら、そのままで温度設定だけ工夫しても印象が変わると思います。
●食べ頃
室温まで冷めてから、冷蔵庫で冷やして2、3時間。翌日くらいまでは美味しい、2日経つと少し味が落ちます。
●良く合う飲み物
深煎りコーヒー、ミルクティー。私は生クリームよりも、アイスクリームと一緒に食べるのが最高に好きです。
●みんなの感想と人気度、そして私の評価他
前の店では「幻のプリン」と呼ばれてました。普段お店のメニューには無いので、たまたま作った時に来た常連さん(私のお気に入りの)だけがありつけました。(只です)
特にババロアの型で作ったプリンはひとくちのバランスが良く、無理矢理予約する人もいて、手間がかかるので何回もケーキ教室で伝授しました。
プリンでは他に「紅茶のプリン」「珈琲のプリン」「ココナッツのプリン」のオリジナルレシピが完成してます。特にココナッツは夏向きでココナッツを牛乳で煮出して、ココナッツのリキュールにもうひとつお酒を加えた自信作ですが、面倒なので最近は作ってません。そのうちアップします。
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