焙煎とマーケティングの実際 18

豆売り店の戦略兵器

 この商いの良いところは、リピート商売であるとつくづく感じてます。

 「さかもとこーひー」は来店するにも不便で、不便だけじゃなくて探して来るにも見つからないような奥まった場所にひっそりとあります。 近所にはコーヒーを日常的に飲む若い家庭は少なく、よってチラシをうっても意味無いですし、正直チラシを入れるお金もありませんでした。

 そんななか、出会ったコーヒー好きなお客様と仲良くなり、繰り返し「さかもとこーひー」を贔屓にしてただき、できれば紹介してもらう。 それだけが頼りで地味に歩んできたのです。 でもある程度お客様が増えるとこんな素敵な商売は無く、たいした宣伝をしなくても、毎年新しいお客様が増えてしかも年々そのスピードがアップしていきます。 なにより、お客様とコミニケーションをとって、平和にストレス無く、さらにありがとう! とお礼まで言って頂き、生活できるのです。 しかも、自分が惚れた珈琲を仕事として、、、。

 世間の不景気は関係ありません、珈琲業界の安売り競争も関係ありません。 宣伝販売促進 家賃 人件費などおおきなコストが掛からないので、お客様が増えたら少しづつ安くしていく! これは安売り競争とは別の世界です。

 値段が安いよ! さぁ、買って!、、、 なんてのは消耗戦で「珈琲の味方」の私は美味しい魅力的な珈琲がどう思っているか? ちょっと寂しい感じです。 逆にうちはこだわりの自家焙煎! 自慢の珈琲値段も高いよ!、、、 これは「お客様の味方」の私はお財布が心配です。 月に1キロの「さかもとこーひー」をガンガン楽しんで、2000円3000円、この位なら珈琲の値段を忘れて美味しく飲めると思います。 2キロ飲む方は4000円5000円位かな?

 僕は日本酒 ワイン 焼酎、、、とお酒好きですが、うちのハウス酒、美田は1升瓶で2500円? ボルドーのプピーユが1800円 2500円? 富乃宝山が1300円? ちょっと値段ははっきり憶えていないですが、晩酌代より珈琲代をどの位安く気楽にできるか? 僕のひとつの物差しです。

 あれれれれっ! 今日はこんなテーマではありません。

 そんなリピート商売の良さを発揮するためには、ハウスリスト(顧客名簿データ)が財産です。

 最近はネットビジネスが伸びてますので、顧客データの重要性が広まってきました。 別にネットじゃなくても、自店のお客様が誰で、どんなお好みで、どこにお住まいで、どんなお買い上げで、、、、それを知らないで、お客様が一番です、なんて云っても薄ら寒いだけです。

 昔はご近所のお客様だけでしたから、おやじさんおかみさんの脳にしっかりインプットされていて、それがハウスリスト(暖簾とも云います)で、財産でした。 僕はつい1年前まで京大カードを使って手書きでリスト化してました。 今は産直君という宅配システムを使っています。 これが無くては昨年の売上は上げられませんでした。 手間がかかり、販売量をおさえるために価格を下げないか、たいした売上でもないのにパートさんを頼んで、コストアップ! これも安くできません。 産直君はレジ機能が無いのですが、「さかもとこーひー」は来店が無いので、上手くいってます。

 そこで、店も手狭になった、生豆をストックする(わずかひと月ふた月分の)スペースが無い、パッキングするにも作業性が悪い(300キロ/月の作業性、600キロ1トンの作業性はちがいます)、教室で飲んだ坂本さんの淹れた珈琲を飲みたい、配達宅配するほどじゃないけどさかもとこーひーは飲みたいので買いにいきたい、、、、そんな状況で、僕は移転を考えてます。 その時は(まだ焦ってはいません)入場料を払ってでも行きたい(だいぶオーバー!)位の楽しいワクワクするお店にしたい、僕の自慢のエスプレッソを飲んで欲しい(無料です)、今のうちのお客様にはケーキパンフラワーアレンジメントシャドーボックスニット、、、ほんとにレベルの高い方々(先生もいます)が多いので、そんな皆さんのコミニケーションにも使って欲しい、お店を考えてます。

 またまた脱線。

 その時は今の産直君ではレジにならないので、困ったな〜! と思ったら、ヴォアラ珈琲で使っているマックレジが使い易いと井ノ上さんが教えてくれました。(内緒の話しでは、鹿児島東京をレジの検証の為に何度も往復、ソフトも色々と購入し試して、このポスレジシステムに出会って、感動したらしい。このレジシステムに辿り付くまでずいぶんとお金を使って、そのおかげで僕は鹿児島に行くだけで、良さが分ってしまった!感謝感謝)

 1月の「2001年珈琲の旅鹿児島」のテーマのひとつはそのレジシステムを見たい、ということでした。

 「マッキンキャッシュ」というその顧客管理レジは想像を10倍20倍は超えた優れものでした。

 まず、画面が見やすい、操作性が良い、僕が欲しいいろいろなデータ処理が簡単に早くできる、レジペーパーの印刷スピードが早い、、、、、とても安い、僕は5分で惚れました。(なんて云っても、毎日注文を入力、伝票発行してますから)

 あぁ〜、疲れた!

 詳しい良さは次回書きます。

 マッキンキャッシュのサイトは「ヴォアラ珈琲HP」から行けます。  http://www.iritate.com/

 2月に幕張メッセでデモンストレーションがあるそうです。

 ヴォアラ井ノ上さんは豆売りで忙しいので、メールでの質問問い合わせは真剣に考えている人だけにしてください! 冷やかしは困ります。(豆売り店でレジ屋さんではありません)

 すでにヴォアラの知り合いの豆売り店で5件以上使っているそうです。

 でも、珈琲の質の向上を目指している豆売り店の皆さんには、このポスレジを武器にして珈琲の魅力をもっと伝えて欲しいので、今回紹介しました。 大きなネットビジネスから中小販売店まで、顧客管理に殺到していますので、個人店もできることはきちんとしないとミサイルと竹やりの戦いになります。(でも、顧客リストを購入してなんとかしようなんて会社は通用しません。お客様を馬鹿にしてますので、お客様は見透かしてます。ハウスリストが財産です)

 
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